簡易吸虫管の作成法

材 料

ガラス管(外径7mm程度のもの)、シリコンチューブまたはゴム管(内径がガラス管の外径に一致するもの)、ストロー(ガラス管内にゆとりを持って入るもの)、ストッキングの切れ端またはナイロンなどのメッシュ、ピペットチップ

作り方

 ガラス細工のごく初歩的な経験があれば、下記の要領で誰でも容易に作ることができます。ガラス細工の経験が全くない場合は、経験者に教わるか、参考書などで勉強して下さい。

  1. ガラス管*を30〜35cmの長さに切り、中央部にマジックインクなどで印をつける。この部分を細く絞ったガスバーナーで熱し、赤熱したら、わずかにくびれができる程度**に両方向に引く。

    * 硬質ガラスの場合は、酸素バーナーがないと細工が難しい。
    ** ピペットの先端のように伸びたのは使いにくい。パスツールピペットの後端にある乳首止めのくびれ程度が理想的。

  2. ガラス管の両端を、角が丸くなる程度に軽くバーナーで熱する(シリコンチューブなどを傷つけないため)。熱しすぎると開口部が細くなって、ストローが入らなくなる。
  3. くびれの中央にやすりで傷を付け切り放す。つまり、同時に2本できることになる。
  4. 切り放した部分をバーナーで熱し、開口部の直径が3mm程度になるまで細める。開口部が小さくなりすぎるとハエが通らないし、大きすぎると能率が悪くなるので、細心の注意が必要。
  5. ストローを約3cmの長さに切り、ストッキングなどの小さな切れ端(1cm四方程度、ごく薄い場合は二重にしてもよい)をかぶせて、ガラス管の後端から押し込む。ストローの一部(約5mm)はガラス管の外に出ているようにする(掃除の際に抜けるように)。
  6. シリコンチューブまたはゴム管を好みの長さ(40〜60cmが扱いやすい)に切ったものに、ガラス管を差し込み、反対側には口でくわえ易いように、適当な吸い口(先端を切り落としたピペットチップが便利、ガラス管で作ってもよい)を付ける。(図参照)

吸虫管の使い方

 あまり説明の必要はないと思いますが、要領だけ。

  1. ひもを付けるか、あるいは、チューブを首の周りに回すようにして、首から下げるようにすると両手が自由になって作業がしやすくなります。吸い口の部分は、常時口にくわえていることが原則です。
  2. 先端部をできるだけハエに近づけてから、するどく一気に吸い込みます。だらだらと息を吸ってもだめです。ハエを吐き出すときも同様で、できるだけするどく息を吐くようにします。
  3. 初心者の中には、ハエを吸い込んだ後、先端を指でふさぐ人がいますが、その必要はありません。ハエが管の中にいる場合、軽く息を吸い込み続ければ、ハエが出て行ってしまうようなことはありません。
  4. ハエを数える必要のあるときは、先端を指でふさぎ、ガラス管を水平に保持して、もう一方の手の指先で横から軽くたたいてやると、ハエが管全体に散らばり数え易くあります。なお、このサイズでは、30匹程度が一度に扱える限界です。
  5. 長く使っていると、汚れてくるので、分解して掃除します。これには、管の長さより少し長めの針金があると便利です。