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生命科学科・大学院生命科学専攻
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(大学院)
光合成複合微生物研究室
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平成27年10月1日,公益財団法人発酵研究所からの寄附講座「光合成複合微生物系の環境・エネルギー活用シーズ開発寄附講座」として開設しました。
所属教員
花田 智・教授
研究室訪問の申し込みhyperlink
 大学院受験希望の方は、是非、研究室を見に来て下さい。
研究の目的
エネルギー・環境問題の解決に資する光合成複合微生物系の維持・制御のための基礎的な技術開発や活用シーズの発見を目指します。光合成複合微生物系の主要構成者である光合成原核生物の活用開発研究だけでなく、それらの基礎的な研究も十分に進んではいません。以下の3つの研究課題に取り組み、光合成複合微生物系の安定化メカニズムの解明やそれらの応用を模索します。

1.温泉微生物マットの形成・維持機構の解明
 光合成複合微生物系のひとつである温泉微生物マット(細菌集合塊)は単純な構成を持つことから複合微生物系研究のモデルとして注目されています。この安定的な微生物マットの形成過程には繊維状光合成原核生物の特殊な運動能(グライディング)が重要と考えられます(Hanada et al, FEMS Microbiol let, 208: 275-279, 2002)。しかし、このグライディング運動の動作機序は全く明らかとなっていません。この運動がどの様に行われているのかをナノスケール観察技術などを用いて明らかにするとともに、マット形成プロセスのメカニズムを解明することが本研究目的のひとつです。

2.好熱性シアノバクテリアのバイオリソース化と系統分類の確立
 酸素発生型の光合成を行う唯一の細菌であるシアノバクテリアは温泉などの高温環境にも見られます。中温性のシアノバクテリアのバイオリソース化は古くから行われてきましたが、好熱性のものに関しては十分な対応が取られてはいません。日本国内に散在する温泉中の新規好熱性分離株を獲得し、バイオリソース化を行うことともに、好熱性シアノバクテリアの分類学上の整理と分類体系を確立することも目的のひとつです。

3.川底微生物マット中の好気性光合成細菌の分離培養と生態学的役割の解明
 好気条件(酸素のある条件)で、主に呼吸で生きると共に光合成器官も作るという不思議な性質を持つ好気性光合成細菌の研究は海産の菌株が中心となって行われてきました。しかし、川底の微生物マット中に多種多様な好気性光合成細菌が存在していることが発見(Hirose et al, Microbes Environ 27: 327-32, 2012)され、淡水中のそれらの多様性に関しても興味が持たれるようになってきました。これら未知の好気性光合成細菌を川底から発見し、それらの生理学的性質やゲノム情報を明らかにすることを通じて、好気性光合成細菌の生理学的多様性や川底での生態学的役割を明らかにすることを目指します。
構成メンバー:
永島 咲子, 特任助教
広瀬 節子, 特任研究員
佐藤 剛, 特任研究員
嶋田 敬三, 客員教授
Vera Thiel, 客員准教授
Marcus Tank, 客員准教授

©2020 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University