トップ 連絡先 研 究 リンク 論 文 English
cover
2匹のDrosophila heteroneura の雄が1匹の雌(ウィンドウ幅を縮めると右下に見える)をめぐって争っています。
face
田村浩一郎(理学博士)
首都大学東京
生命情報研究センター センター長
理学部 生命科学科 教授

連絡先
〒192-0397 東京都八王子市南大沢1-1
首都大学東京理学部生命科学科
電 話:042-677-3128
メール:ktamura@tmu.ac.jp

研究内容
  1. 熱帯産アカショウジョウバエの温帯への適応進化
    plot
    アカショウジョウバエは、元来、東南アジアの熱帯・亜熱帯域に分布していましたが、1980年代半ばに関西でも生息が確認されました。アカショウジョウバエは、温帯に分布を広げる際に低温耐性を獲得したと考えられます。そこで、東南アジア、南西諸島、関西から採集された系統について、1℃の低温下における平均生存時間を測定してみたところ、南西諸島、関西の系統は、東南アジアの系統より長い時間生存することができ、低温耐性が高いことがわかりました。この低温耐性は、生育温度よりも5℃低い温度で慣らす順化によって向上することがわかりました。このことから、低温耐性の原因遺伝子は順化によって発現が促進されると考えられます。そこで、私達は次世代シ-ケンサを使って順化によって発現量が変化する遺伝子を探索し、得られた候補遺伝子をキイロショウジョウバエでGAL4/UASを用いて発現量を変化させ、低温耐性への効果を検証する実験を行っています。また、日本集団は、台湾集団に由来すると推定されているので、台湾集団を元に実験集団を作り、低温耐性に対する人為選択を行い、ゲノムの構成が日本集団のように変化するかどうかの進化の再現実験も行っています。[論文1
  2. アカショウジョウバエのネオ性染色体進化の遺伝的基盤
    karyotypes
    アカショウジョウバエ(Drosophila albomicans)は巨大なX、Y性染色体を持ちます。これらは、姉妹種(D. nasuta)では常染色体である第3染色体が性染色体に融合してできたものです。ショウジョウバエでは、雄では減数分裂組換えが起きないため、アカショウジョウバエのネオY染色体でも減数分裂組換えは起こりません。減数分裂組換えは突然変異の修復や染色体の多様性創出に有効で、進化的には有利な現象だと考えられています。では、なぜアカショウジョウバエでは、ゲノムの半分以上で減数分裂組換えが起こらないネオ性染色体が進化してきたのでしょうか?私達はその理由を明らかにするため、これらのショウジョウバエのゲノムやトランスクリプトームを解析しています。[論文2
  3. 分子進化・分子系統解析に関する理論的研究
    DNAの塩基配列やタンパク質のアミノ酸配列に生じる進化的変化は生物進化の根源的な原因と言えます。そのため、ゲノムや生物の進化を深く理解するためには、進化過程でこれらの分子がどのように変化するのかを理解することは重要です。また、これらの情報は分子配列データを用いた分子進化解析や分子系統解析を正確に行うためにも必要です。私達は、進化過程で生じる塩基置換やアミノ酸置換の速度とパターンに関して、数理モデルによる理論的解析、コンピューターを用いたシミュレーション解析、および実際のデータ解析によって研究しています。特に、分子進化・分子系統学における解析理論の開発を視野に入れた研究を行っており、現在、進化速度が系統によって異なる場合、分子時計をどのように用いて分岐年代を推定するかという研究テーマに力を入れています。[論文3][論文4Reltime
    遺伝子間、系統間で非常に大きな進化速度の差異が見られる zinc finger protein 遺伝子の系統樹(A)でも、RelTimeを使えば分子時計による分岐年代測定が可能になります(B)。x1: ヒトZFX、x2: マウスZFX、y1: ヒトZFY、y2: マウスZFY。
  4. 分子進化遺伝学解析ソフトウェア(MEGA)の開発
    ゲノム・プロジェクトにより、大量のDNAやタンパク質の配列データが利用できるようになりました。同時に、それら配列データを解析するための方法理論も発展してきました。そこで、配列データを分子進化遺伝学的方法によって解析するためのユーザー・フレンドリーなソフトウェアの開発を国際共同研究で行っています。 [論文5MEGAX
  5. ショウジョウバエ種同定のためのバイオインフォマティクス
    ショウジョウバエの種を同定するには高度な専門知識が必要で、普通の研究者にとっては容易なことではありません。そこで、翅の翅脈のパターンに注目し、翅脈の交点間の距離を解析することによって種を同定するwebコンピュータ・プログラムを開発しました。その結果、東京近郊でよく観察される16種のショウジョウバエについて、高い精度で種を同定することに成功しました。[論文6][Webアプリ] DrosoWing

最近公表された論文
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012