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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:国際シンポジウム

タイトル: TMU-UOS exchange 2022 :Lab experience
実 施 者: 植田泰地
実施場所: 8-412
実 施 日: 2022年 11月 18日
対  象: UOS 学生2名

<概要/目的>
2名のUOS学生に対し、本研究室で行っている実験手法を紹介し、実践してもらう。この体験を通し、本学で取り組む研究をより具体的に知ってもらうことを目的とする。また、自身においては、言語圏が異なる相手に物事を伝える力を向上させることを目的とする。

<方法/企画としての特徴>
本研究室で頻繁に行われている、「DNA抽出」→「PCRによる断片の増幅」→「シーケンス反応と配列データの解析」といった一連の流れを体験してもらった。特に私は「PCRによる断片の増幅」パートを担当した。前工程で抽出したショウジョウバエDNAを用いてPCR反応の操作を行ってもらうことで、サンプルがどのような処理を受け、データが得られていくのかをより具体的にイメージしてもらえるよう配慮した。また、失敗なく明瞭な結果を得るために、事前実験によってプライマーおよびプロトコルを選んだ。一連の操作を自分の手で行うことを今回の体験の軸とし、UOS学生のサンプルには一切触れず、1工程ずつデモンストレーションを行う形式で作業を進めた。

<活動内容/具体的成果>
各学生につき、DNAサンプル(前工程で抽出したもの)は2つずつとした。冒頭にプロトコルを配布し大まかな実験工程を説明したが、基本的な情報は既知であったため簡潔に済ませ直ちに作業へと進んだ。「試薬・機器の説明」→「デモンストレーション」→「実践」という流れを繰り返しながら3時間程度かけて、試薬の調整・PCR反応・電気泳動と工程実施した。デモンストレーションの段階で学生の質問を受けることができるため、勘違いによる失敗を防ぐことができた。また、言語による流暢な会話はできていなかったが、一工程ずつ目の前で操作行うことで、十分にコミュニケーションをとることができ、手順の注意点や工夫などを詳細に理解してもらうことができた。また、反応の待ち時間を利用して、お互いの研究内容を紹介し合い、特に今回の作業が研究でどのように用いられているのかを知ってもらうことができた。更に、DNA断片の増幅を確認することができ、次工程の「シーケンス反応と配列データの解析」へとスムーズに繋げることができた。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
当初懸念していた言語の壁によってコミュニケーションがうまくいかないのではないかと危惧していたが、想定よりも充実した交流ができたと感じる。これは、言語ではなく行動によって表現ができたことが主な要因であると考えられる。しかし、目的として掲げていた、「本学で取り組む研究をより具体的に知ってもらうこと」という観点で振り返ると、より正確な表現が必要であり、今回は体験を主とした簡潔な理解にとどまってしまったよう感じる。今後は自身の言語能力の向上により一層努めたい。また、今回はスケジュールの都合上盛り込めなかったが、自身の実験内容をより詳細に紹介する時間を体験の前に作ることができれば、より具体的な理解に繋げられたのではないかと考える。


©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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