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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:国際シンポジウム

タイトル: TMU-UOS exchange 2022 : Lab experience
実 施 者: 竹中海斗
実施場所: 動物系統学研究室及び学内森林
実 施 日: 2022年 11月 18日
対  象: Worked with 4 ppl

<概要/目的>
動物系統学研究室の活動に興味を持ってくれたUOS学生に対して、
1.動物系統学研究室ではどのような研究をしているのか理解してもらう。また、彼らにも研究発表の機会を設け、我々が研究を理解する。
2.学内の森林にはどのような節足動物及び土壌生物がいて、どのように採集できて、どのような研究ができるのか理解してもらう
3.フィールドワーク、ラボ作業を通じて同じ時間を過ごし、親交を深める

<方法/企画としての特徴>
動物系統学研究室で行われている研究を理解してもらうためフィールドワークを行った。当研究室では節足動物及び土壌生物が主に研究されているため、それらを学内森林を利用して採集することができるピットフォールトラップを計画した。ピットフォールトラップとはプラスチックカップにアルコールを注ぎ、それを地面に埋めることで作製できる。土壌生物はアルコールの香りに誘引されてカップ中に落下し、高濃度アルコールによって死ぬ。このトラップの中に集められた土壌生物を特定することでトラップ設置環境間で土壌生物の多様性は異なるのかを議論するのが目的である。この実験はシンプルながらも我々の研究の多くの要素が含まれている。まずトラップ設置場所を実際に学内森林の環境を吟味しながら考える必要があり、次に穴を掘りカップを仕掛けるという地道なフィールドワークの要素もある。また、トラップ回収後には得られた昆虫などの特定を顕微鏡を用いて行う必要があり、最後に多様性と環境を議論することで生態学的要素も学習することができる。
また、アダム研究室の研究紹介の一つとしてハチの解剖を行う。用いるハチはツヤハナバチ属で体長は1cmに満たない。顕微鏡を用いたこのハチの腹部の解剖をデモンストレーションすることで我々の研究について知ってもらう。

<活動内容/具体的成果>
18日:2限Research Presentationのクラスに一緒に出席、ピットフォールトラップの設置、学内森林の紹介、アダム研究室の研究紹介、ハチの解剖
19日:江口研究室の研究紹介、UOS学生の研究紹介、ディスカッション
21日:ピットフォールトラップの回収、回収したトラップの分析

フィールドワークは大成功であった。学内森林を隅々まで歩き紹介しながら、明るい竹林環境に3トラップ、暗い森林環境に6トラップ、実際にUOS学生の手でトラップを仕掛けてもらった。時折、森林内で発見したものに関してUOS側から質問があったり、我々の知識を共有したりした。また、20日には雨が降る予報であったため、トラップに屋根をつける必要が出てきて、天気がフィールドワークの結果を大きく左右することを実感できた。冬季であること、設置期間が短いことから多くの収穫は期待できなかったにもかかわらず、最終的に多くの節足動物、土壌生物を得ることができた。これら生物の特定をし多様性も議論することができたと他のメンバーから聞いている。
また、アダム研究室の紹介ではアリの行動観察実験、ラボで飼育しているマダガスカル産ゴキブリを見学し、我々とUOS学生は社会性昆虫の話題で非常に盛り上がった。
お互いの研究紹介では、UOS側の学生の研究は生化学及びナノテクノロジーであったことからとても新鮮で、知らないことを学べるとてもいい機会になった。UOS側学生も動物系統学のような研究を体験する機会は今まで全くなく、非常に新鮮で楽しかったと言っていた。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
自分たちの研究はフィールドサンプリングとその後の地味な解析作業が主であるため、これといったテクニカルな実験作業はなく、満足のいくLab experienceとなるか始まるまでは不安であったが、UOS学生は多くの質問をしてくれたり楽しんでくれたりととても積極的に興味を示してくれたため、こちらも次から次へと紹介してあげたくなるような素晴らしい雰囲気のLab experienceとなった。今まで教育的な実験を企画する経験はなかったが、今回の成功は自身の研究への大きな自信の獲得につながった。改善点として、今回は自分たち以外の教員、学生にはほとんど頼らなかったが、他の学生にも頼ることでより幅広い分野をカバーできたり、学生交流も促進できると思った。

採集した節足動物たち


ハチの解剖ワーク

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