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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:国際シンポジウム

タイトル: ソウル市立大学大学院生の実験補助と交流 発生プログラム研究室
実 施 者: (M1)森田千裕、栗下大三、中澤啓一、塩入直也、鈴木由季
実施場所: 発生プログラム研究室
実 施 日: 2012年 11月 29日
対  象: ソウル市立大学大学院生1名

<概要/目的>
近年さらなる研究スキル及び英語スキルの向上が求められている。しかしながら他分野の研究を知り、自らの研究にその技術や考えを取り入れる機会や、実際に英語を使う場は限られている。留学生を積極的に受け入れ、各々の研究やその内容を共有することで、単独での視野の狭い研究から大きな視野を持った研究へと実験や考えの幅を広げたい。留学生との交流、および留学生がいる場では日本人同士も英語のみでコミュニケーションを取ることにする。英語を使用する場を増やすことで更なる英語スキルの向上を目指したい。本企画では留学生・首都大学学生双方が、研究や語学能力を向上させ、本企画の経験が将来の糧となると期待する。また次回に引き継がれる企画となる様、より効率的な運営を目指す。

<活動内容/具体的成果>
●事前準備
実験内容について話し合い、ニワトリ班・ホヤ班でそれぞれおこなう実験を決定した。

●11月29日(ニワトリ)
ニワトリ胚1日胚、2日胚のNew培養
2日胚神経管へのエレクトロポレーション
GFPの強制発現ベクターを神経管の予定中脳領域に導入し、in ovoで1日培養後移動し細胞の移動を追跡した。


●11月30日(ホヤ)
カタユウレイボヤ受精卵へのエレクトロポレーション
Not遺伝子の上流にLacZのレポーター遺伝子をつないだコンストラクトをカタユウレイボヤ受精卵に導入した。
LacZ活性染色
原腸胚まで発生させた胚に対し、LacZの活性染色をおこなった。LacZの発現を確認してもらい、胚の写真撮影をおこなった。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
今回の交流企画には運営側としても携わっていたので、研究室での実験でも留学生とはコミュニケーションをとれたと思う。普段自分でおこなっている実験でも、なかなか単語が出てこなかったりしたため、英語で説明することは非常に難しいと感じた。次回の機会があれば、よりスムーズに会話ができるようにしたい。(森田千裕)

 ニワトリの卵は普段食卓でよく目にする物であるが、実際にその発生の様子を観察することはあまり無い。今回は、生きたまま発生を観察することができるNew培養を行い、実際に成長する過程を観察した。参加した韓国人学生はNew培養が始めてであったが、その容易さと手法の利点に驚いていた。また、ニワトリ胚で有利である部位特異的なエレクトロポレーション法も体験した。受け入れ研究室として難しかったのは、手法や物の英語での説明である。これにはTAとして高校生に実験手法を説明する企画経営演習で得られた技術を多いに用いた。(栗下大三)

私にとって、実験の手順や技術を英語で説明することはとても難しかった。説明したいことがあっても、頭の中ですぐに英語に変換されず言葉がでてこない。そこで、図を書きながら、断片的な英語と身振り手振りで理解してもらおうとした。しかし、実験操作の細かい部分が伝えきれなかったために、韓国人学生が苦戦してしまう場面があった。この経験から学んだことは、このような機会に英語のスキルアップを目指すためには、その場でなんとか伝わるよう頑張ってしゃべることも大切だが、日常的にそのための準備しておくことが重要だということだ。具体的には、前日までのあいだに、院生同士で説明のリハーサルをしたり、普段実験するときに英語で物事を考えるようにしていれば、今回もっと円滑に実施できていたと思う。是非この反省を今後に生かしていきたい。(中澤啓一)

エレクトロポレーションでGFPを強制発現させたニワトリ胚の観察および画像処理の説明、そして研究に関するディスカッションをした。普段自分が行っている実験や研究内容であっても、それを英語で説明することの難しさを今回特に実感した。特に、自分がしていることを論理的に説明できるようでなければ、それを英語で話すということは難しいということが分かったため、今後自分の研究においても常に「論理的に考える」習慣を身につけていこうと思った。(塩入直也)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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