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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:国際シンポジウム

タイトル: ソウル市立大学大学院生の実験補助と交流 細胞遺伝学研究室
実 施 者: 相澤 研介、嶋田 直人、李 夜雨
実施場所: 細胞遺伝学研究室
実 施 日: 2013年 10月 22日
対  象: ソウル市立大学大学院生2名

<概要/目的>
学会をはじめ、研究者の交流において英語を使用する場面は多い。しかし日頃の研究生活で研究者同士の交流に英語を使う機会は極めて少ない。本企画ではソウル市立大学(以下UOS)の交換留学生を研究室に迎え、自分たちが行っている実験の指導を行う。これによって研究者として英語で交流する機会を創りだし、英語を使ったコミュニケーション能力を養うことを目的とする。

<活動内容>
本企画では、ショウジョウバエの基本的な操作方法を教えたうえで、ショウジョウバエ胚へのプラスミドのインジェクションとショウジョウバエ成虫脳の解剖を指導した。
【ショウジョウバエの操作】
ショウジョウバエの飼育、実験に必要とされる@ビンからビンへの移し替えおよび吸虫管を使用した移動、A麻酔のかけ方、B雌雄の見分け方を習得してもらった。
【インジェクション】
実際にショウジョウバエ胚にプラスミドをインジェクションしてもらった。その過程でキャピラリーの作成、卵の回収、インジェクタの使用法などを学んでもらった。
【成虫脳の解剖】
実体顕微鏡下で成虫を解剖し、脳を取り出してもらった。実験では神経系でGFPを発現する系統を使用し、解剖後の脳を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。

<具体的成果>
企画者らは自ら行っている実験を英語でどのように説明するか、試行錯誤しながら身につけることができた。またUOSの大学院生2名はヒトの培養細胞をモデルに研究を行っているため、2人にとってはまったく異なる材料や実験技術を体験できたと思われる。また会話を通じてお互いの研究内容や研究生活、日常生活などを知ることができた。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
ショウジョウバエ卵へのDNAインジェクションを行った。実験について意義や原理を説明しながら進めることができた。しかし、すぐに結果がでる実験ではないので、作成した系統を利用するまでの過程を詳しく説明すればより理解を深めてもらえたのではと思う。(M1相澤)
本企画では成虫脳の解剖を担当した。学習・記憶に関連する脳領域を可視化して観察できたことは有意義だったのではないかと思う。ただ解剖の難易度が高く、UOSの学生は辛抱強く取り組んでくれたが、だいぶ苦労していた。来年同様の実験をするのであれば、幼虫の中枢神経系などもう少し簡単な解剖を行ったほうが良いと思う。(嶋田)

普段、研究室では日本語だけで話すことにしているが、今回の実験をする中では日本語だけではなく英語も使った。英語が苦手なので、話したいことがあっても、頭の中ですぐに英語に変換されず言葉がでてこない、断片的な英語と手振りで理解してもらおうとした。留学生の私にとって他国の人たちとコミュニケーションをとるいい経験だった。今後グローバルな視点をもって言語能力の向上に役立てていきたい。(M1 李 夜雨)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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