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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:国際シンポジウム

タイトル: 2014年度 ソウル市立大学大学院生の実験補助と交流 細胞遺伝学研究室
実 施 者: 大橋ひろ乃 嶋田直人 渡邊一輝 相澤研介 松村茉梨子 金美松
実施場所: 細胞遺伝学研究室
実 施 日: 2014年 10月 21日
対  象: ソウル市立大学大学院生 1名

<概要/目的>
学会をはじめ、研究者の交流において英語を使用する場面は多い。しかし日頃の研究生活で研究者同士の交流に英語を使う機会は極めて少ない。本企画ではソウル市立大学(以下UOS)の交換留学生を研究室に迎え、自分たちが行っている実験の指導を行う。これによって研究者として英語で交流する機会を創りだし、英語を使ったコミュニケーション能力を養うことを目的とする。

<方法/企画としての特徴>
本企画では、細胞遺伝学研究室の特徴ともいえるショウジョウバエを用いた実験の指導を行った。2日間という短い期間で様々なショウジョウバエを用いた実験に触れてもらうため、本企画の実施者一人ひとりが日頃行っている実験をUOSの交換留学生と1対1で研究内容や方法を説明し、指導を行う。

<活動内容/具体的成果>
・活動内容
【ショウジョウバエの操作】
ショウジョウバエの飼育、実験に必要とされる@ビンからビンへの移し替えおよび吸虫管を使用した移動、A麻酔のかけ方、B雌雄の見分け方を習得してもらった。

【Injection】
実際にショウジョウバエ胚にプラスミドをインジェクションしてもらった。その過程でキャピラリーの作成、卵の回収、インジェクタの使用法などを学んでもらった。

【Sexual behavior】
ショウジョウバエの性行動解析として、専用の観察容器を用いた行動観察や集計、オスの翅切り等の実験、そしてディスカッションを行った。

【Heat-nociception】
ショウジョウバエの侵害熱に対する反応を観察してもらった。

・具体的成果
企画者らは自ら行っている実験を英語でわかりやすく説明する方法を身につけることができた。またUOSの大学院生はショウジョウバエを用いたことがなく他分野の研究を行っているため、異なる材料や実験技術を体験できた。




<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
本企画においてInjectionを担当した。日本語でも説明が難しい原理を英語で、なおかつショウジョウバエを扱ったことのない人に対して行う必要があった。その日のうちに結果が出る実験ではないため、現在行っている実験がどういったものであるかを理解してもらうことに苦労した。相手がどの程度理解しているかを正しく把握し、理解度にあった対応をすることができた。2日間という短い期間で多くの学生と交わり、実験を行うスケジュールがよかった。(M1 松村)

今年度になって初めて研究を教える事業に直接従事することになった。通常この実験は40分ほどで終わるので,頼まれた2時間をどう使うか考えるのが難しかった。実際は方法や背景の説明,実験に使用するハエの準備(ハエを断頭するなど),議論を加えることでその時間かけることができた。しかし,今回は時間的に野生型(有頭・断頭)の反応しか観察できなかった。次回はより時間を有効に使い,変異体の行動も観察できるように実験を組み立てたい。 (D1 大橋)

留学生と行動観察実験やそのディスカッションを行った。実験してもらうための材料の準備から研究を紹介するための発表スライドまで準備にぬかりはなかったので、与えられた時間の中で十分に研究を体験してもらえたと思う。実験の結果も過去のデータと再現性がとれ、留学生にも実験の結果を納得してもらえたようで、かつその後の議論もでき何よりだった。実験担当者の各人によって内容もやり方もバラバラで統一感がなかったように感じたので、次回似た企画がある際には、何名かで協力してもっと大きな実験を組んでもよいのではないか。また、留学生の体調や疲労度をこまめに確認し、適度に飲み物やトイレを勧める心遣いができるとより快適に過ごしてもらえるのではないか。(M2渡邊一輝)

普段、研究室では日本語だけで話すことにしているので英語のコミュニケーションは思ったよりも難しいでした。しかも、実験の事を説明するのはもっと大変でした。今回はluminometer で遺伝子の発現レベルを測定する方法を教えてあげましたが次回からはただの実験方法ではなくもうちょっと背景の事も詳しく説明したほうがいいと思いました。(M1 金美松)

本企画ではショウジョウバエの扱い方について教えた。作業の合間、お互いの研究について話すことがあったが、それぞれこんな研究をしているといった説明で終わってしまった感がある。「ショウジョウバエを使ってあなたの研究にこういう貢献ができる」というような話をすればお互いの視野を広げることができたと思う。(M2 嶋田)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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