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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:国際シンポジウム

タイトル: 2014年度 ソウル市立大学大学院生の実験補助と交流:進化遺伝学研究室
実 施 者: 秋山礼良、中村遥
実施場所: 進化遺伝学研究室
実 施 日: 2014年 10月 21日
対  象: ソウル市立大学大学院生1名

<概要/目的>
ソウル市立大学の大学院生を2日間、専攻の交換留学プログラムの一環として研究室に招き自分たちの自分たちの行っている実験の指導を行う。この際普段あまり使う機会のない英語でコミュニケーションをとることによって各員の語学力およびプレゼンテーション能力の向上を目的とした。

<方法/企画としての特徴>
進化という留学生にとってあまりなじみのない研究内容を理解してもらうため、PDや卒研生を含む多くの研究員が研究内容紹介を行った。また2日間という短い期間で進化という現象を理解してもらうためショウジョウバエを使った種分化の実験やミトコンドリアDNAを用いた変異解析などを行った。

<活動内容/具体的成果>
すべての実験に対し、あらかじめ英語で実験の目的や方法を書いたplotoclを前もって準備し留学生が理解しやすくなるように努めた。また適宜卒研生にも協力してもらい、来年度につながるものとなるようにした。
【D−Loop領域を用いたミトコンドリア変異解析】
口内からDNAを抽出し、D−loop領域をPCRを用いて増幅させた。
その後DNAシークエンサーを用いて配列決定を行い、類人猿を含むヒト科の動物との間で変異解析を行った。
【ALDH2のSNP解析】
ALDHはアルコール分解酵素でありこの遺伝子の遺伝子型はアルコールの分解能に関与している。今回はALDHのSNPを含むようにprimerを設計し、特定のalleleのみを増幅できるようにしてALDHのSNP解析を行った。
【ショウジョウバエ種間の形態の違い及び交配前生殖的隔離の観察】
キイロショウジョウバエとその同胞種であるオナジショウジョウバエは、形態が非常によく似ており、オスは顕微鏡下で外部生殖器の形を観察することで区別することができる。この2種には弱い交配前生殖的隔離が存在し、片方の種のメスと両種のオスを同所に置くと同種のオスを選んで交配する。今回はこのような組み合わせをそれぞれのメスにおいて別々のバイアルを用いて作り、交尾したハエのペアを顕微鏡下で観察することで、交配前生殖的隔離の観察を行った。
<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
今回の実験やそれ以外の交流を含め、中心となって企画を行った。去年行った反省を踏まえ2日という時間を有効に使いながらも、実験を詰め込みすぎずある程度余裕がありながらも無駄な時間を作らないようにできたと思う。
ただし実験結果があまりうまく出なかったので、予備実験をもっとしっかり行っておけばよかったと思う。(M1 中村遥)
今回はハエの形態と生殖に関わる実験を担当した。英語での実験の説明や研究室の紹介などにおいて、うまく伝えきれなかったりするなどの反省点が多く残った。また、交配前生殖的隔離自体の確認はできたが、キイロショウジョウバエ同士も何故かあまり交尾しないというアクシデントが起こってしまっていた。これの原因は不明だが、直前に予備実験を行っていれば何らかの対策ができたかもしれない。 (M1 秋山)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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