<概要/目的> ソウル市立大学の大学院生を4日間、専攻の交換留学プログラムの一環として研究室に招き、普段研究室で行っている実験手法の指導と現在扱っている研究テーマの紹介を行った。ソウル市立大学の院生と交流する際英語でコミュニケーションをとることによって各々の語学力とコミュニケーション能力の向上を目的とした。
<方法/企画としての特徴> 人のミトコンドリアDNAを用いた変異解析や大学構内でのトラップを用いるショウジョウバエの採集などを行った。実験の際、留学生自身のDNAサンプルを使用することで実験へのモチベーションを向上させた。
<活動内容/具体的成果> あらかじめ英語で実験の目的や方法を書いたplotoclを前もって準備し、留学生が理解しやすくなるように努めた。 【D−Loop領域を用いたミトコンドリア変異解析】 口内からDNAを抽出し、D−loop領域をPCRを用いて増幅させた。 その後DNAシークエンサーを用いて配列決定を行い、類人猿を含むヒト科の動物との間で変異解析を行った。 【ALDH2のSNP解析】 ALDHはアルコール分解酵素でありこの遺伝子の遺伝子型はアルコールの分解能に関与している。今回はALDHのSNPを含むようにprimerを設計し、特定のalleleのみを増幅できるようにしてALDHのSNP解析を行った。 【ショウジョウバエ採集体験と分類】 当研究室で行っているショウジョウバエの採集方法には2つあり、1つ目がバナナを発酵させたものを誘引物質として用いてハエを捕まえるバナナトラップ法、もう1つが直接網で草むらをさらうスウィーピング法である。この2つの採集法によりハエを採集する体験を行ってもらい、その後予め用意された複数種のショウジョウバエを二分岐表に従い同定する実習を行った。
<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)> 採集の前日が雨で、トラップがあまり機能しなかったり、当日の気温が低かったこともあり採集はあまり上手くいかなかった。その時のことを考えて分類用のサンプルを作っておけたため実習に影響がなかった点は良かったと思われる。英語でのコミュニケーションは去年よりはスムーズであったがまだ反省点も多いため、自身の語学力を更に高めていきたい。(M2 秋山)
一日のうち実験の合間などで休憩以外の空き時間が出来た時、留学生が手持ち無沙汰になってしまう時間が多々見られた。そのため今後、空き時間は受け入れ担当者以外の研究室のメンバーとの交流などに当てると良いと考えた。また実験の操作を英語で指導する際相手に原理などがうまく伝わっていなかったように感じた。よって今後は日常的な英語だけでなく専門的な用語も使えるようになりたい。(M1 清野)
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