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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:国際シンポジウム

タイトル: ブラジルでのガラナ研究活動記録
実 施 者: 中山モハメッド淳
実施場所: ブラジル(リオグランデドスル・アマゾナス)/アルゼンチン(ブエノスアイレス)
実 施 日: 2016年 1月 25日
対  象: マナウス市民・製薬関係者・学会出席者

【概要】
アマゾンフルーツ、ガラナを聞いたことがあるだろうか?アマゾンの部族たちが万能薬として利用しているつる性植物の種子である。
本学の細胞遺伝学研究室とブラジルサンタマリア連邦大学はこの種子の機能研究の発展を目指し数年前から共同研究を行っている。
私は学部4年生のとき、長寿の効果が囁かれているこの種子に関心を持ち、今年1月から9月までブラジルサンタマリア連邦大学とアマゾン大学でインターンシップを行った。

【活動】
•日本で出していたデータをブラジルのラボにて人細胞培養を用い再現実験を行った。
•アマゾン大学へ訪問し、メディアを通し新製品サプリメントの宣伝を行った。
•ブエノスアイレスにて行われた学会で、カフェインの副作用をなくす可能性を示唆したポスターを発表し優秀賞に選ばれた。

【活動内容】
<ブラジル研究室での実験>
線維芽細胞と神経芽細胞を用いた実験を行った。線維芽細胞については細胞生存率とsirtuine 遺伝子の発現量、神経芽細胞についてはロテノン(擬似的にパーキンソン病モデルにする薬剤)に対するガラナの耐性と、発現している神経伝達物質を定量した。

<アマゾン大学での新製品プロモーション>
サンタマリア大学とアマゾン大学は今年で共同研究の10年の節目を迎えた。私達はこの記念的な年に、10年間の研究を綴った書籍と研究内容に基づき外注で作ったガラナの化学合成サプリメントを販売することにした。
アマゾン大学にはガラナ研究界で最も有名なDR,EURUAと同行し、3日間の講演会と記者会見、テレビ撮影、現在でもガラナを日常的に使用しているネグロ川上流の部族コミュニティを訪れた。300部の書籍とサプリメントは完売し、今後はネットを通じてブラジル国内で販売される予定である。

<World congress on brain, behavior and emotions 2016へ出席>
World brain congress は毎年ブラジル、アルゼンチン、カナダで開かれる脳神経科学者や精神科医を対象にした学会である。規模も大きく4日間にかけて、世界中から前線の研究者達が講演する。ブラジル滞在先の教授は、僕が日本でbehaviorとガラナの研究をしていたのを知っていたので、ポスター発表をして見ないかとチャンスを与えていただけた。講義は臨床に近い話が多く理解できなかったところが多かった。しかし、ポスターセッションでは700ポスター中4枚が選ばれるベストポスター賞に入賞する事が出来たので結果的に見て有意義な経験になった。

【感想】
研究とは関係はないが、研究生活と同時にブラジルのもつ文化やポルトガル語も勉強できたことは非常に良かった。毎週のようにシュラスコ料理とマテ茶を楽しめ、ポルトガル語での日常会話程度の語彙力も修得した。今ではこの稀有な経験を活かしたいと考えるようになり、今後ブラジルは自分と深くかかわってくる国であると思っている。


©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
TOKYO METROPOLITAN UNIVERSITY