＜概要／目的＞

研究・ビジネス・日常問わず国際化しつつある現代社会では、異文化間で円滑にコミュニケーションをとり、互いに協力し、自らの能力をより高める能力をもつ人材が求められている。大学院という研究・教育機関において学生がグローバルな経験を積むためには、海外からの留学生との交流体験は手段のひとつであると言える。本事業の目的は、生命科学分野からの留学生の招聘および歓迎などの運営を通して、語学能力、異文化コミュニケーションはもちろん、企画運営能力といった社会で求められる能力の多方面からの成長を参加者に促すことを目的としている。研究を基盤にした留学生との交流やその企画・運営を行うことで、自らの能力と、研究に対する意識を向上することができる有益な機会と考えている。また、国際情勢が不安定になる昨今、日韓両国の学生交流により互いの文化や考え方への理解を深め合い、両国にとってよりよい将来を築くため、活発な関係を結ぶことも重要な目的である。

＜方法／企画としての特徴＞
　ソウル市立大学大学院生および学部４年生が本学で円滑に生活できるよう、事前に代表者との連絡と前年度の反省と引き継ぎ、各受け入れ研究室のスケジュールの確認・調整、本学生との交流補佐を行った。特に受け入れ研究室にも有意義な交流になるよう、研究室に任せきりにせず、事前に密接な連絡を取り合い、積極的な補佐をして活発な交流を促した。上記以外にも、歓迎会や懇親会の準備・開催、滞在中のバックアップなども行った。また、留学生と招聘委員で都内の有名箇所を観光し、日本の歴史や独自の文化を紹介することで国際的な視野を広げることを目的とした。

＜活動内容／具体的成果＞
10月下旬〜　
・企画メンバーの公募

11月1日〜
・昨年度の委員との引継ぎ
・受け入れ研究室の決定
・スケジュールの決定
・会計、予算の調整
・観光予定の決定
・歓迎会の企画・準備

11月1７日
ソウル市立大学大学院生および学部４年生の迎え
歓迎会の開催（本学生命科学専攻の紹介、ソウル市立大学の紹介など）

11月18日
バイオコンファレンスでのソウル市立大教員によるご講演、ポスター発表と研究交流

11月19日
ソウル市立大学大学院生および学部４年生と東京観光

11月20日
ソウル市立大学大学院生および学部４年生と東京観光

11月21日
各受け入れ研究室と留学生との交流促進
（研究室で行う基礎的な実験技術の紹介・実践、研究内容の発表など）

11月22日
各受け入れ研究室と留学生との交流促進
（研究室で行う基礎的な実験技術の紹介・実践、研究内容の発表など）

11月23日
帰国のお見送り


＜感想／課題など（企画力／評価力／自主性等の向上を含む）＞
私は、企画代表者としてミーティングの予定と司会進行、企画書などの書類の作成、企画運営の全体への指示と進捗状況の把握を行った。準備段階では、各係の連絡と連携をみて、短時間の中でも整うように常に連絡を取り合うように心がけた。昨年度とは異なる点が多かったので、昨年度とは予算や会計、対応が異なる点が多く、全体で情報を共有するのが難しかった。受け入れ期間中は、連絡を取り合い各々が臨機応変に対応してくれたおかげで、直前に変更があり状況が二転三転するような状況もある中、大きなトラブルがなく対応できていたと思う。運営の反省は、今年度は連絡が全体的に遅い、との指摘があった。短期間で行っていたこと、確認に時間を費やしすぎていたこと、昨年度とは状況が違っていたこと、事務とのやり取りするうえで情報が変わったこと、が原因として挙げられる。また、スケジュールの合わない全員が正確な最新情報を共有するのは現実的に難しく、伝達ミスが目立ち課題が多いと思った。事前準備のみでUOS学生と積極的にかかわれていない場面もあり、原因の検討が必要だと思った。今年度のフィードバックを次年度に引き継ぎたいと思う。（環境微生物学研究室　M1出井愛理）

私は、UOS学生代表者及び各受け入れ研究室への事前連絡を主に担当し、UOS学生の到着後は諸々の企画の準備や実施中のサポートを行った。ウェルカムパーティーや東京観光などの企画準備に直接は関わっていなかったが、それらの決定事項を先方に伝える役目を担っていたので、伝える情報の全体を把握し、締め切りのあるものなど特に重要な事項は正確に伝える必要があった。しかし、委員会メンバーへの再度の確認や、先方に送った情報を何度か訂正するなど、情報が混乱しかねない対応をしてしまったことが企画中に何度かあったので、自身の不備を反省し、今後このようなことのないように意識したい。UOS学生との交流については、事前連絡で代表者との交流があったこと、複数の企画に参加していたこともありその機会が多かったが、あまり話す時間をとらなかった人もいたので、偏りなく交流できていればと思った。出井さんがメンバー間・及び事務との連絡の滞りについて述べられているが、私の方ではUOS学生の個々人との連絡手段が十分用意できていなかった点が気になった。SNSやメールを用いて迅速に連絡できる人が少なく、今回これが原因で目立ったトラブルが起きることはなかったが、UOS学生の到着後に連絡先を交換しようとしたがうまくいかない、急な予定変更を把握できなかったことがあり、やや不便と感じた。可能であれば、UOS学生と委員会メンバー間での全体及び個々人への連絡は、到着以前にできるようにしておけば混乱が少ないと考える。自分の委員会メンバーとしての気づきや課題を次回に携わる人に活かしたい。(動物生態学研究室M1 堀内香穂)


私は主に観光に関する企画を担当した。日本の伝統文化や良さを知ってもらうために、他の招致学生にも意見を求めながら計画を練った。事前にさまざまな東京の観光名所を色々調べたり、効率よく決められた予算内で観光するためにはどうしたらいいのか、計画を立てる経験はとても貴重なものであった。観光当日は、想定していたよりもスケジュールがタイトで、計画通りに進まない部分があった。事前の計画の練りが甘かったと反省している。しかし観光に参加してくれた招致委員が臨機応変に対応してくれたこともあり、問題なく観光を終えることができたのでよかった。観光係内では、会計に関する確認が甘かったのも反省点である。今回自分が観光係として感じたこと・反省点を、来年のUOS招致運営のためにしっかり引き継ぎたいと思う。(環境微生物学研究室M1 高城遥)


私は主に観光係として、事前計画から東京の観光名所案内までを行った。日本の伝統文化や現代の日本・東京の良さを知ってもらうこと、またそれらを通してUOS学生との交流を深めることを目的に計画を進めた。観光当日は、悪天候や学生の希望などを考慮して、行き先の変更やそれに代わる場所の提案など、随時観光に参加した学生全員とコミュニケーションをとることで臨機応変に対応することが出来た。事前計画も踏まえて反省点としては、観光名所の土日の混雑予想が甘く、食事処の確保に手こずってしまったこと、会計管理に関する理解が不十分であったことが挙げられる。観光係として感じたこと、反省点などを来年のUOS招致運営のために引き継ぎたいと思う。（細胞遺伝学研究室M1 根本美薫）


私は、主に観光に関する企画を担当した。日本の良さ、人気の観光名所の提案など、外国人としての目線で意見を出し、計画を練ることが出来たと思う。観光当日においても、海外の学生が興味を持つであろう点を考慮して案内し、UOS学生との十分な交流を図ることが出来た。
また、Bio ConferenceでのポスターセッションやWelcome partyでのTMU紹介など、科学的研究を通した国際交流の場を持つことが出来、企画側としても楽しんで貴重な経験をすることが出来た。今回の経験を来年のUOS招致運営にも活かしたい。（細胞遺伝学研究室M1 Felipe Rogalski）

私はUOS招聘委員の会計として予算の管理等を行った。本年度は昨年までと様々な点が異なり、予算計画の提出が遅くなったため各方面に多大な迷惑をかけてしまった。また、文章での相談や議論で誤解や見落としが多々発生していたため、次回開催時には招聘委員の招集を早めに行い、招聘委員全員が顔を合わせて相談できる機会を増やすことが必要だと感じた。（環境微生物学研究室　M1　石見嶺）

私はUOS学生が到着す当日に行ったwelcome partyの企画・準備を行った。TMUに到着してから最初のイベントであり、TMU学生とUOS学生の交流の始まりとしてその後の交流もスムーズにできるようなきっかけとなる会になるよう心掛けた。具体的にはwelcome partyの詳細をA4ポスターとメーリスにて各学生・教員の方々で連絡し、なるべく多くの方へ参加してもらえるよう努めた。それから会費の集金と当日の食べ物や飲み物、備品の買い出しを行った。交流会の途中でTMUの各研究室について少し知ってもらえるような簡単なスライド作成・研究室紹介も各研究室にお願いした。交流会・パーティの買い出しや準備は経験があったのでそれを生かし、前年までの慣習にとらわれずうまくできたと思う。このUOSとTMUの交流企画全体として、同じ年代で同じように研究や勉強をする者同士で会話をする機会がたくさん得られたことで自分の中の意識の変化もあった。そのことを踏まえてもとても実りのある企画だったと思う。(環境微生物学研究室M1竹守紗弓）

動物系統分類学研究室での学生受け入れ全般を担った。
来年度首都大で行われる予定の高校教員向け講習で行おうと考えているカリキュラムがどのように動くかを、いい機会と思い試した。初日に実際の蟻に触れてもらい、私たちがどのような方法を使って研究しているか見学してもらった。また、ゼミに参加してもらい、そこからネタを探してもらった。２日目までに独自の研究テーマを考えてきてもらい、私はその助言、材料や機材を必要ならば提供した。蟻嫌いの学生も、自分で考えた実験を通して蟻の多様な行動を発見し、驚き、とても楽しんでいるようであった。彼女は蟻嫌いを克服したと話していた。最後に蟻の標本を作ってもらい、小瓶に入れてささやかな思い出にしてもらった。来年度の講習に向けての課題は、事前準備である。参加者の自由裁量に任せているので、どのような細かな物品を要求されるか予測しきれない。臨機応変な対応が必要と感じた。
（動物系統分類学研究室　M1　庄司一貴）

今回のUOS招致の中で、主にwelcome partyの企画・運営を行った。UOSの学生がこちらに到着して最初のTMUの学生との交流会ということで、UOSとTMU間でのコミュニケーションが潤滑に行えるように努めた。そのために、受け入れ先の研究室にはできるだけ参加してもらうようにお願いした。また、partyの集金や買い出し、会場のセッティングから、お互いの大学や研究室の紹介スライドの作成のお願いをした。集金に関しては、前年度の集金のやり方などを受け継いでいなかったために、先生方からの集金をうまく行えなかった。この点については来年度の委員の方にきちんと引き継ぎたいと思う。当日は司会進行を務めさせていただき、滞りなく会を進められたと思う。この最初のpartyを通して、UOSとTMUの会話のきっかけが生まれ、その後の実習に向けても会話のきっかけができる会が開けたと感じる。（進化遺伝学研究室M1　武藤れおな）

会計係として主にUOS招聘費とTA代建て替えの管理を行った。事前準備の際に観光、食事、交通費などに使う招聘費の内訳を詳細に設定したことで概ね予算通りに運営を行うことができた。招聘委員のミーティングで各日のスケジュールを綿密に決めていたことが予算の振り分けを考える上で非常に役立った。昨年度からの変更点や予算額などの正確な情報の共有が不十分であり、予算の振り分けを出すのが遅れてしまったことは反省するべき点である。また、観光費の管理を観光係に任せてしまったことで観光係の負担が大きくなってしまったと感じた。会計報告とともにこれらの反省を来年度にしっかりと引き継ぎたいと思う。（分子遺伝学研究室 M1 飯田夏実）

会計係として申請予算のチェックを行った他、TA代の分配を行う予定である。それに加えてホテル大学間の送迎を行った。
まず全体の取りまとめをしてくれた出井さん、直接の指示を出してくれた石見くん、素晴らしい予算申請書を素早く作ってくれた高城さんに感謝したい。彼らのおかげで私はとても楽をさせてもらってしまった。今回は予算の出所が３箇所であったためややこしく感じ、また、事務との情報共有も思い通りに行かないことがあったが、計画通りに予算と給与を動かせそうで安心している。
UOSとの交流についてはUOS学生のハングリー精神からきっかけには困らず、日常会話は問題なく行えた。しかしながら専門分野外のテーマにについてディスカッションを英語で行うには、今までとは別のトレーニングが必要であると感じた。
（分子遺伝学研究室 M2 渡辺圭佑）

写真1-3：Welcome Partyの様子




写真4-10：東京観光








写真11-14：研究室にて実験・団欒風景
動物系統分類学研究室


環境微生物学研究室


神経生物学研究室


動物生態学研究室


植物生態研究室


記入内容の目安です。項目名は必要に応じて上書き変更して下さい。
グループでの活動は，最終項目のみ，全員記入ください．