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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:国際シンポジウム

タイトル: 2016年度UOS-TMU交換留学受け入れ【植物生態学研究室】
実 施 者: 松澤琢、木村ひかり(M2)、 秋元勇貴、志村綱太(B4)
実施場所: 植物生態学研究室、実験圃場、高尾山
実 施 日: 2016年 11月 21日
対  象: 2名

<概要/目的>
 ソウル市立大の学部生、大学院生、計2名に研究室へ滞在してもらい、研究交流をおこなった。
植物生態学とは何か?首都大学東京の植物生態学研究室では、どんな研究がされているか?どんな方法で、植物生態学を学んでいくか?以上の3点を理解し、体験してもらうことで、 ”異分野の生物学” の導入部分を習得してもらった。
 研究室のメンバーは、植物生態学という材料を用いて、異分野の学生が持つ疑問やアイディアを吸収すること、英語でのコミュニケーションを積極的に図ることを主な目的とし、企画・交流に取り組んだ。

<方法/実施内容>
 植物生態学研究室には、実験的手法とフィールド手法の2種類のアプローチがある。そこで、滞在2日間を、それぞれの手法の習得に1日ずつ充てた。

●0日目:植物生態学とは何か?研究室ではどんな研究がされているか?
―広い概念として、植物生態学が目指す先や代表的な研究内容などを説明
―栽培手法とフィールド手法の説明
―首都大学東京の植物生態学研究室で、現在学生が取り組む研究の説明

●1日目:実験圃場での栽培手法の習得
―実験圃場を見学 実験に用いる植物や昆虫を観察し、どのようなサイズスケール・数で研究が進むのかを体感
―実験補佐 栽培実験後の刈り取り作業・根洗いの補佐
―実験の組み立て 留学生が興味のある内容について、オリジナルの研究計画をたて、内容について研究室メンバーと議論 最後に研究計画の発表会を実施

●2日目:フィールド手法の習得
―多様な植物の存在する高尾山を簡易的なフィールドとした
ーフィールド内の散策 見られた植物の生態や特徴を説明
―研究室メンバーと一緒に研究課題を探し、測量・記録
―得られたデータをもとに、研究室のメンバーと植生についての議論


<具体的成果>
 留学生には、広い植物生態学とその手法について学んでもらい、マクロ分野の面白さを知ってもらうことができた。実験手法では、ひとつひとつの手順にどれだけ時間がかかり、実験計画がどのように重要であるか理解してもらった。フィールド手法では、ただ単に植物を眺めるだけでなく、焦点を絞って計測することで、植生の理解に繋がり、興味深い点があるか体感してもらった。教科書や論文などからでは学ぶことができないことを理解してもらえた。
 研究室メンバーは、他分野の学生に植物生態学や研究内容について理解を深めてもらうための工夫を凝らし、実施できた。また、自分の研究分野を英語で説明する機会、英語で研究について議論する機会を得て、積極的に交流を図ることができた。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
 2日間で何を知ってもらうか?という点に最も頭を悩ませた。私は実験手法の習得を担当したが、既存の簡易的な実験をただ実施するだけでも最低1ヶ月はかかるため、「実験の作業」と「新たなことを学ぶ手段の習得」を分け、どちらも学んでもらうことにした。結果として、一緒に実験計画をたてた際、留学生の自由な発想に触れることができ、自分たちの研究の参考になる点も発見した。研究室としての企画・実施は、満足いく内容だった(M2 木村)。

 生態学の分野紹介などの点で準備不足であることは否めなかった。フィールドや対象の植物、調査目的など企画内容は良かった。しかし、その調査を行う背景などの説明が不足しており、留学生が調査を行う意味を十分に理解できていたとは言い難い。そのため、調査を”やらせている”ような感じになってしまった。生態学的な視点で疑問を持ち、調査に能動的に取り組んでもらうためにも、生態学、フィールドワークについてより詳しく説明をすべきだった。また、調査は体力的にかなりきつかったようなので、もう少し考慮すべきだった。(M2松澤)

  私の研究室で扱っている内容や自分の研究テーマを英語で伝えることに苦労した。共通言語、英語の重要性を身に染みて感じた。留学生を受け入れる以上、自分たちの研究内容を英語で整理して臨むべきだった。満足のいく説明はできなかったが、植物生態学研究室の概要はある程度伝わったと思う。(B4 志村)


写真:1日目、議論の後完成した研究計画の発表会


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