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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:国際シンポジウム

タイトル: 2016年度 ソウル市立大学院生および学部生の実験補助と交流 動物系統分類学研究室
実 施 者: 庄司一貴
実施場所: 動物系統分類学学研究室
実 施 日: 2016年 11月 21日
対  象: ソウル市立大学大学院生・学部4年生および教員、本学生命科学専攻の各研究室とその構成員

<概要/目的>
ソウル市立大学との交換留学プログラムの一環として、UOS大学院生および学部生に当研究室で行っている研究の概要説明、および実験の体験を行った。担当の学生は、彼らに独自の動物行動学の研究のテーマを考えてもらい、研究の一連の流れを体験してもらい、彼らの今後の研究に何等かの刺激を与えることを目的とした。

<方法/企画としての特徴>
  材料は私が研究に用いているアリ類もしくは昆虫とした。受け入れの前のウェルカムパーティ時にあらかじめ学生に、独自の動物行動学的研究を考えてもらい、実行してもらうと説明した。研究室受け入れ初日に、研究室で飼育しているアリたちの世話をしてもらうことで、基本的なアリの扱いに慣れてもらうと同時に、アリの行動をじっくり観察できる機会を提供した。さらに、普段研究室で使われている実験機材を紹介し、独自の方法を構築する参考にしてもらった。次に、ゼミに参加してもらい、研究室の学生の研究内容を知ってもらい、独自のテーマ作成や実験手法の参考としてもらった。また、常時、アリや行動学などに関する質問があれば対応した。2日目には、考えてきてもらった独自のテーマをもとに実験をしてもらい、結果を出し、考察することを目標にしてもらった。私は実験に関するアドバイス、必要な物品や機材の提供をするにとどめ、基本的に学生が独自に問題を試行錯誤して解決し結果をだすことを期待した。

<活動内容/具体的成果>
 初日のアリの世話は問題なくスムーズに、ある意味で作業的に行っていた。しかし、こちらの目論見のようにじっくり行動を観察していたようには思えなかった。適宜、作業の合間にコメントなどを入れ、注意を誘導するべきであった。普段私が使っている機材などは、手作りのものも多く、試行錯誤の程度などカルチャーショックを受けているみたいであった。
ゼミでは熱心にメモをとるなどして、異分野研究に触れてもらえた。同時に、独自テーマ作成の参考になったと思われる。二日目にはきちんと独自のテーマを考えてきてくれた。しかし、具体的方法や、どのような結果がでると推測されるかなどは詰め切る時間がなかったと思われる。彼らが考えたテーマは、アリの資源競争に関するテーマであった。具体的には、ムネボソアリの2つのコロニーに同時に一つの巣(資源)を巡って競争させ、どのような特徴をもったコロニーが巣(資源)を獲得するかを解明するものであった。一日間で実験装置を作り、行動を観察し、結果を出すというハードスケジュールであり、具体的な定量的な結果を得るには至らなかった。しかし、フリーディスカッションという形で、お互いに異分野同士で知識を持ち寄り、今回の観察結果について考察することができた。


<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
来年度首都大で行われる予定の高校教員向け講習で行おうと考えているカリキュラムがどのように動くかを、いい機会と思い試した。初日に実際の蟻に触れてもらい、私たちがどのような方法を使って研究しているか見学してもらった。また、ゼミに参加してもらい、そこからネタを探してもらった。2日目までに独自の研究テーマを考えてきてもらい、私はその助言、材料や機材を必要ならば提供した。蟻嫌いの学生も、自分で考えた実験を通して蟻の多様な行動を発見し、驚き、とても楽しんでいるようであった。彼女は蟻嫌いを克服したと話していた。最後に蟻の標本を作ってもらい、小瓶に入れてささやかな思い出にしてもらった。来年度の講習に向けての課題は、事前準備である。参加者の自由裁量に任せているので、どのような細かな物品を要求されるか予測しきれない。臨機応変な対応が必要と感じた。
(動物系統分類学研究室 M1 庄司一貴)

写真:2日目 実験風景



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