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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:国際シンポジウム

タイトル: 2017年度 ソウル市立大学大学院生および学部生の実験補助と交流:細胞遺伝学研究室
実 施 者: 鈴木悠希、大沼康平、大津佑太、馬渕郁美、根本美薫、山本采、林凌也
実施場所: 細胞遺伝学研究室
実 施 日: 2017年 11月 20日
対  象: ソウル市立大学大学院生 1名

<概要/目的>
学会をはじめ、研究者の交流において英語を使用する場面は多い。しかし日頃の研究生活で研究者同士の交流に英語を使う機会は極めて少ない。本企画ではソウル市立大学(以下UOS)の交換留学生を研究室に迎え、自分たちが行っている実験の指導を行う。これによって研究者として英語で交流する機会を創りだし、英語を使ったコミュニケーション能力を養うことを目的とする。

<方法/企画としての特徴>
本企画では、細胞遺伝学研究室の特徴ともいえるショウジョウバエを用いた実験の指導を行った。約2日間という短い期間で様々なショウジョウバエを用いた実験に触れてもらうため、研究の紹介とともに本研究室の企画者が行っている実験を体験してもらった。

<活動内容/具体的成果>
【研究紹介】
ショウジョウバエを用いたそれぞれの研究をUOS生徒に紹介するとともに、UOSの学生の研究を紹介してもらった。
【ショウジョウバエの操作】
ショウジョウバエの飼育、実験に必要とされる@ビンからビンへの移し替えおよび吸虫管を使用した移動、A麻酔のかけ方、B雌雄の見分け方を習得してもらった。
【求愛行動観察】
ショウジョウバエの性行動解析として、専用の観察容器を用いた行動観察を行った。
【成虫脳の解剖】
ピンセットと実体顕微鏡を用いて成虫脳の解剖を行った。
【精巣の解剖と染色】
ピンセットと実体顕微鏡を用いて精巣の解剖を行った。さらに、DAPIを用いて核を染色した。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
私は留学生と行動観察実験や研究紹介を行った。普段日本語でやっていることを英語で説明するのは難しく、UOS学生も英語が得意ではなかったようでかなり苦戦した。また、今までショウジョウバエを使ったことのない人に研究を理解してもらい、かつ楽しんでもらうことに関してまだまだ考えが足りなかったので、今後の課題にしていきたい。さらに、実験担当者の各人によって内容もやり方もバラバラで統一感がなかったように感じたので、次回似た企画がある際には、何名かで協力してもっと大きな実験を組んでもよいのではないかと思う。また、留学生の体調や疲労度をこまめに確認し、適度に飲み物やトイレを勧める心遣いができるとより良いと考える。(M1鈴木)

UOSの学生に対して、パワーポイントを利用した研究紹介と議論を行った。研究紹介では、ショウジョウバエを用いた疾患研究例について扱った。同様に、UOSの学生から研究紹介をしてもらい、その研究について議論を行った。それぞれの研究が、疾患に関わるものであったため、相互に研究へのモチベーションの刺激になった。外国人に対してどのように英語を使えば、研究内容が伝わるのか考えることが難しかった。また、ショウジョウバエを実験上で取扱い方法を伝えた。UOSの学生は普段マウスを用いた実験を行っており、ショウジョウバエの扱いは初めてであった。そのため、見慣れないショウジョウバエを用いた実験に興味を持ってくれた。(D1 大沼)

私はUOSの学生に対して,自身の研究紹介とショウジョウバエ成虫脳の解剖を行った.互いの研究の面白さを感じることはできたが,UOSの学生はショウジョウバエを見ること自体が初めてであったため,ショウジョウバエの研究において当たり前のことを平易に説明することが難しく,私自身も,分野外の研究内容を英語で十分に理解することが出来なかった.特に解剖については,非常に小さいショウジョウバエ脳の解剖は難易度が高く,難しさを伝えることはできたが面白さを伝えるには至らなかったように感じた.今回は,実際に当研究室で行ってもらう実験についての事前準備が足りなかったため,次回はどの実験系を行い,どのように説明すべきか,事前に十分検討する必要があると考えられる.(M2 根本)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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