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「大学院教育改革支援プログラム」:国際シンポジウム

タイトル: International Symposium on Environmental Microbiology
実 施 者: 久保響子 早野禎一 大滝宏代 黒柳仁志 戸井裕子 河村好恵
実施場所: 首都大学東京 12号館 201教室
実 施 日: 2008年 2月 28日
対  象: 国内外の環境微生物学に興味のある研究者、学生

<概要/目的>

このシンポジウムでは、主要な元素の環境中での循環に着目し、それをコントロールしている微生物についての最新の知見を共有し、議論することを学術的目的とする。一方、海外から現在活躍中の研究者を招き、直接話をすることで、コミュニケーション能力の向上を図ることも目的とする。


<方法/企画としての特徴>

企画立案から運営までを大学院の学生が中心になって行うことで、企画能力、組織運営能力の向上が期待できる。また、海外の研究者と英語でコミュニケーションを図ることで、異なった価値観を理解したり、海外で研究活動を行うモチベーションの向上が期待できる。


<活動内容/具体的成果>

2008年2月28日〜29日に、首都大学東京にて、国内研究者6名、海外の研究者3名を講演者として迎え、1演者あたり45分間のスケジュールでシンポジウムを開催した。
首都大学内外から約100人の研究者、学生が参加した。

シンポジウムのホームページ:http://iage.biol.metro-u.ac.jp/tmu-bio-sympo/index.html

    





講演プログラム
DAY 1
28 February, Thursday

13:00-13:15
Introduction of the Symposium

13:15-13:45
"Anaerobic oxidation of methane with sulfate: sites, microorganisms, and physiology"
Anke Meyerdierks, Max Planck Institute for Marine Microbiology, Germany

14:00-14:30
"Nitrogen fixation by anaerobic methanotroph"
Jun-ichi Miyazaki, JAMSTEC, Japan

14:45-15:15
"Anammox in freshwater and coastal environments - its habitat and phylogeny"
Yuichi Suwa, AIST, Japan

15:30-15:50 break

15:50-16:20
"Identification of novel iron-reducing bacteria as a direct competitor for aceticlastic methanogens in anoxic paddy soil using RNA-SIP"
Tomoyuki Hori, University of Tokyo, Japan

16:35-17:05
"Methanogenesis at 122°C revolutionizes the concepts in text books for microbiology and biogeochemistry"
Ken Takai, JAMSTEC, Japan

17:20-17:30 Announcement from the committee

18:00-20:00        Snack Party


DAY 2
29 February, Friday

9:00-9:10        Introduction from chairs

9:10-9:40
"Microbial sulfur and nitrogen cycling by Thioploca spp. in the Chilean coastal upwelling system: New results"
Andreas Teske, University of North Carolina, U.S.

9:55-10:25
"Involvement of photosynthetic bacteria in sulfur cycling in hot spring microbial mats"
Kyoko Kubo, Tokyo Metropolitan University, Japan

10:40-10:50 break

10:50-11:20
"Microbial oxidation of inorganic sulfur compounds in deep-sea hydrothermal field: cases for epsilon-Proteobacteria"
Masahiro Yamamoto, JAMSTEC, Japan

11:35-12:05
"Quantifying functional gene expression of sulfate-and iron(III)-reducing bacteria in anaerobic environments"
Kuk-Jeong Chin, Georgia State University, U.S.

12:20-12:30 Closing



<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>


記入内容の目安です。項目名は必要に応じて上書き変更して下さい。
グループでの活動は,最終項目のみ,全員記入ください.

 このシンポジウムは本研究室初の試みでしたが、とくに大きなトラブルもなく2日間を終了しました。院生主催ということもあり、どれだけの聴衆が集まるかとても不安だでしたが、予想に反して、初日は80名、2日目は50名を超える聴衆が集まりました。聴衆の中には、首都圏の大学や企業関係者だけでなく、北は北海道、南は鹿児島から足を運ばれた方もおり、驚きと共に、地道な宣伝活動が効を奏したという嬉しさで一杯でした。初日終了後に開催した懇親会では、60名近くが参加され、大変盛況でした。私は懇親会の手配を担当していた為、(懇親会には30名も集まらないのではないか。)と大変不安でしたが、杞憂に終わり、ほっとしました。また、聴衆へのアンケートには、「満足した。」という声が多く、課題点があるにしろ、成功であったと感じました。
 今回、シンポジウムを計画・実施するのに約2ヶ月を要しました。その間、実施者それぞれの役割分担と目標に不明確な点が見られました。どのレベルのシンポジウムを目指すかという事をはっきり話し合っていなかったため、一つの仕事に対し、どの範囲まで行なうのか、どこが仕事の終了地点か、といった部分を曖昧にしていました。そのため、企画が形になるまで、個々のビジョンが定まりませんでした。今回のシンポジウムを経験して、まず企画者全員の目標を決め、方向性を確認するという基本的な作業が重要だと気付かされました。(河村好恵)

このシンポジウムは、予想以上に盛況に終わり、主な主催の方、メンバー、お手伝い頂いた方々(HPや、要旨の表紙絵などを担当頂いた方含め)に厚く御礼申し上げたいと思う。
私はメンバー中で最高学年であったが、主な主催の方々の助力をしたという面が強かった。
主として、分担で行った座長を一部務めさせていただいたことと、アンケートなど付随する業務について、自分の出来る面で助力した。だが、海外演者の方々と、訓練中であった英語でのコミュニケーションを実地で行え、また多くの方と面識を持てたことが、この企画に参加して得られた大きな点であろうと思う。また、一部座長を務めるということで、演題についてもより一層、事前学習を行い、内容についてより深く理解できたと思う。
他の企画者の方々(M1)は、海外演者を含む多数の演者との連絡、宿泊等の諸手配及び応対、広報、会計、座長など、通常の院生には荷が重いような大量で高度な仕事を分担して見事にこなしていた。ハードであったが、得るものもあったのではと思う。
アンケートでは、演者・関係研究室メンバー等を除いた60数名の純粋な聴講者のうち、3/4に当たる45人から回答を得、殆ど全ての方が“参加して有意義”と評価頂いていた。(否定意見はゼロであった。)理由としては、主に“内容の充実”が挙げられていた。プログラム・進行についても同様に良い評価を頂いた。また、このようなシンポジウムを学生が主催したと言うことについては、文章による自由回答で多くのお褒めの言葉を頂いた。(“素晴らしい”“是非続けて欲しい”“企画力・コミュニケーション能力を養う非常に良い機会”“モチベーションを高め、エンカレッジするのに良い”“交流の起点になる”“自主的に、大変な作業を行っていて良い”、等々。)だが一方、“シンポジウムの現場での学生の(討論等への)参加が少なかった”という意見もあり、反省点としてはこの点などが挙げられると考えた。(戸井裕子)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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