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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:国際シンポジウム

タイトル: 2019年度 UOS-TMU交換留学 (西脇花恵)
実 施 者: 西脇花恵(M1)
実施場所: ソウル大学
実 施 日: 2019年 1月 28日
対  象: 8人

<概要/目的>
この交換留学プログラムは、UOSとTMUという2大学の生命科学を専攻する約10人の学生が1週間程度他方の大学を訪れるというものである。去年の2018年11月にTMUがUOSの学生を受け入れたのに続き、今回はTMUの学生がUOSを訪れた。

今回の訪問の目的として、私は以下の3点を設定した。
@生物学という研究分野に関する理解を深める
A英語でのコミュニケーション能力を向上させる
B韓国、そして日本の文化に関する理解を深める

生命科学の中でも自分の専門としていない学問分野に触れることや、自分の研究について英語で話すことで、@・Aを通し研究者としての自分の能力のための経験になることを期待した。また、A・Bを通し11月にも交流したUOSの学生とより親睦を深めることも期待した。

<方法/企画としての特徴>
1週間程度の期間中に、訪れる側の学生が選んだ研究室の見学、教授の講演やポスターセッションなどを含むカンファレンス、受け入れる側の学生が企画する食事・観光などを含む学生間の交流を行った。

<活動内容/具体的成果>
・1/28(月)
成田空港から仁川空港へ移動。空港内で昼食を取った後、リムジンバスでUOS近くに移動。UOSの学生と合流し、UOSへ移動。夕食はUOS内でのウェルカムパーティーで軽食を食べた。見たことのない食べ物が多かったが、日本食と似ている味のものもあり、面白かった。両大学の学生が大学を紹介するプレゼンテーションを行った。その後、大学近くの店でチヂミを食べた。

・1/29(火)
午前中はオーガナイザーがキャンパスツアーを行ってくれた。100周年記念館があり、歴史ある大学であることを感じた。昼食はプルコギを食べた。午後は研究室の見学。私はNano Bio Interface Lab.を訪問した。この研究室は微細な粒子(ナノパーティクルなど)を用いて生物の器官を装飾し、視覚的にとらえやすくするような手法の確立を主に行っているような研究室だと理解している。

研究室では、実験に用いる試薬の計量や、添加をさせてもらったり、作成したプレパラートの像を見せてもらったりした。研究室では学生同士がよく会話をしながらてきぱきと実験を進めており、良い雰囲気だと感じた。研究室には去年私の研究室を見学してくれた学生、そして一昨年TMUに来てくれた学生が数人いた。私は一昨年もUOSの学生と交流しており、覚えていてくれたので嬉しかった。夕食は研究室の学生と韓国の伝統的な料理(カルビ)を食べた。


・1/30(水)
午前中は前日と同様の研究室の見学。昼食は参鶏湯を食べた。午後は他の研究室のUOS・TMUの学生とUOS近くのキョンヒ大学(Kyung Hee Univ.)を見学。

UOSとはまた違った歴史を感じる建物が多くあった。UOSにはレンガ造りの建物が多かったが、キョンヒ大学にはヨーロッパのような大きな建物が多くあった。夕食はサムギョプサルを食べた。

・1/31(木)
一日観光に行った。まず景福宮のセレモニーを見に向かい、途中近くの小川を通って伝統的な橋などを見た。昼食にはカンジャンケジャンを食べた。去年の11月に私が食べたいと言っていたのをオーガナイザーの学生が覚えていてくれて嬉しかった。その後お土産店などを見ながらハンボック(韓国の着物 女性用はチマチョゴリ)を着るお店へ行った。ハンボックを着たまま韓国の伝統的な建物がある北村(プッチョン)に向かい、見学し写真を撮った。とても寒かったが、韓国の学生がカイロを用意してくれて非常に助かった。景福宮に戻り、中に入って見学し写真を撮った。ハンボックを返し、明洞へ向かった。明洞では夕食にチーズタッカルビを食べ、買い物をした。オーガナイザーの1人が伝統的な仮面のピンをくれた。韓国の文化をよく学ぶことができ、韓国の学生と親睦を深めることができた。韓国の単語や日本の単語を互いに教え合い、それを使用するのも楽しかった。

・2/1(金)
カンファレンスが行われた。午前中は口頭発表があり、久永先生、TMU・UOSの学生2人ずつが発表を行っていた。自分の専門分野でない内容の英語での発表を理解するのが難しかったが、話し方やスライドの工夫で専門外の人にも分かりやすくすることができると感じた。午後はポスターセッションを行った。英語で他人の研究内容を理解したり、自分の研究を説明したりするのは難しかったが、これまで仲良くなっていた学生たちであることもあり、必要以上に緊張せずに積極的に議論することができたと思う。その後夕食まで時間があったので、スーパーに連れていってもらった。日本ではお菓子の会社であるLOTTEが韓国ではデパートやス―パーを経営していることを知った。スーパーで韓国ならではの商品を見るのも面白かった。夕食は教授の方々を交えて焼肉を食べた。

・2/2(土)
オーガナイザーと仁川空港に電車で移動。最後まで韓国の単語や日本の単語を互いに教え合ったり、それを使用したりしていた。最後に自分の名前がハングルで書かれたハンコをもらった。搭乗口内で昼食を取り、成田空港に移動。


<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
目的として設定した3点について、概ね達成することができ、良い経験になったので満足している。ただし、自分の能力に不足を感じた部分もあり、今後も向上していこうという意欲が生まれた。

UOSには私の専門とする生態学の研究室はなく、全く知らないことを見聞きすることが多かったので知識を増やすことができた。また、専門外の人に自分の研究内容を話す中で、分かりやすい説明を心がけ、自分の中での理解も深まったと思う。また、韓国の学生はかなり長い時間研究室で実験をしているようだった。それも刺激となり、今後の自分の研究に対する意欲も向上した。

英語でのコミュニケーションには難しさを感じることが多かったが、能力だけでなく積極的に話すことも重要であると感じた。ただし、まだ英語の能力自体に不足を感じているので今後も向上させていきたい。そして経験したことを活かし、今後も積極的に話すよう努めたい。

UOSの学生との交流を通し、多くの韓国の単語を覚えることができて楽しかった。また、食文化や歴史、街の様子などの日本との違いについても理解を深めることができた。ただし、韓国や日本に関する自分の知識が非常に不足していることも感じた。UOSの学生に韓国のどこに行きたいかや、日本でのおすすめを聞かれても具体的に挙げることができなかったからである。また、UOSの学生が様々な韓国料理に毎食連れていってくれたのに対し、去年日本に来てくれた時には寿司など海鮮ばかりになってしまったように思う。(ほとんどのUOSの学生に最もおいしかったと言われたのはもんじゃ焼きだった。)もっと日本の文化についても韓国の文化についても、ひいては世界各国の文化についてもっと学びたいと思った。

今回の交流を通して、UOSの学生とかなり親睦を深めることができた。また会うことを約束したので、その時までにより自分の能力を高め、スムーズにコミュニケーションを取れるようになっていたい。
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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