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「大学院教育改革支援プログラム」:国際シンポジウム

タイトル: ソウル市立大学の学生招聘と交流 (神経分子機能研究室)
実 施 者: 大場俊弥、大野誠真
実施場所: 首都大学東京
実 施 日: 2019年 11月 17日
対  象: ソウル市立大学の学生及び首都大学東京の学生

<概要/目的>
背景:
現代のグローバル化の発展は著しく日本にいても「英語でコミュニケーションが取れると有利である」という時代から「英語でコミュニケーションが取れないと不利」という時代になってきている。また、サイエンスを通じて海外の学生と研究をしたりコミュニケーションを取ることはグローバル人材の育成や科学の世界での自身のキャリア形成などに有意義なものとなる。
概要:
ソウル市立大学から学生を招聘することによってこちらで行っている実験や研究の紹介、またそれらに基づいたポスター発表、さらにはお互いの文化交流のためにソウル市立大学の学生を東京観光に招待する。
目的:
サイエンスを通じて留学生と交流することによって自身の英語でのコミュニケーション能力の向上に役立てることを目指す。また自身の研究を口頭ないしはポスターで説明することは研究者にとって必要なスキルになる。英語で発表する場合であればグローバル人材の育成にも繋がると考えている。さらに東京観光やその他研究以外での留学生へのおもてなしの企画に関しては自身の企画運営能力や異文化理解など科学の世界以外での社会全般で必要とされる能力を養うことができると期待される。

<方法/企画としての特徴>
私の研究室では学部4年生の学生を招待した。彼はソウル市立大学ではまだ研究室に配属されていなかったため、実験の基礎的な方法を話したり、実験の背景を話すようにもして研究室での振る舞い方や科学の基礎的な情報を伝えるようにした。また研究室内の色々な学生の話を聞いてもらうことにより研究室全体でどのようなことをしていのかを理解してもらうようにした。各研究室で学生1人を招待しているので個人に費やす時間などを多く設けることができ、留学生の希望が言いやすい環境を作成することができたと感じている。
またポスターセッションでは自分の研究室以外の学生も聴衆に含まれているため色々な意見をいただくことができるとともに英語で様々な議論ができるようにしている。

<活動内容/具体的成果>
11月17日:韓国からの学生を南大沢駅で出迎える。夕食をともに食べることで英語でコミュニケーションを取り、友好度を高めることができた。

11月18日:研究室での学生の受け入れ初日であったため、学生にラボ内の案内や研究紹介をする。あらかじめ作成しておいた研究室紹介スライドや廊下に展示してあるポスターを使用して研究内容の紹介を行った。また実際に我々が使用している実験動物の見せたりすることで我々の実験の基本的な内容を理解してもらった。夜にはUOSの学生に対して歓迎会を行うことにより、自分の研究室の学生以外との交流やUOSでどのような研究をしているのかを紹介してもらった。日本の料理を振舞うことによって日本文化への理解を促した。

11月19日:実際の生化学的な実験を一緒に行った。ショウジョウバエを使用したタンパク質の解析や神経変性の実験を行った。またショウジョウバエの実験を行うために未後尾のメスの回収なども行った。空き時間などには研究室のメンバーの研究内容について議論することで神経科学について理解を深めてもらった。

11月20日:前日の実験の続きを行う。タンパク質の解析とショウジョウバエを使用した神経変性の観察を行う。また午後からは神経細胞を免疫染色した物を事前に用意してあったためそれを顕微鏡で観察した。

11月22日:最終日は3日目の続きを行った。タンパク質の解析を実際にPCのソフトを使用して行うことで解析について学習してもらった。また夕方にはポスターセッションと懇親会を開催することによってこちらの研究について総まとめをしてもらった。

11月23日:東京都の観光地を案内した。東京を案内することで日本の文化を理解してもらい、彼らを満足させることができた。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
 この企画はいい意味でUOSの学生を自由におもてなしすることができる。ぼくはオーガナイザーとして会計を務めたが、予算の中で自由に経費を考えイベントを企画することができた。予算内で色々とやりくりするのは考えるのが難しいが経費管理は社会に出ても必要なスキルであるためいい経験となった。おそらく各ラボに渡した予算の額が少し少なかったためはみ出した分はオーガナイザーを含め様々な方が負担してくれたと思うのでその点はすごく感謝している。色々とどのようなことにお金を使用したことを記録することは非常に大切である。ぼく自身前年度にどのようなものに経費を使用したとか、どの程度使用したかを調べる際に前年度までの記録が参考になった。したがってぼく自身も記録をつけるように務め、来年度以降の担当者に引き継いでいきたいと考えている。
 ラボでの活動はUOSの学生は満足のいくものであったと言ってもらえた。自分の研究などを英語で伝えることに対して抵抗はないが、日常会話を全て英語で行うことで少し苦労したような気がする。また実験の都合上待ち時間が出てしまうものがあるがそういった時間で色々な学生と交流をするという時間を設けるように工夫した点がよかったと自負している。しかし、残念ながら多くの学生がラボにいるわけではなかったためラボの全員と交流することができなかった。対策としては事前にきちんとラボにアナウンスしてTMUの学生に日程調整をしてもらうこと、ラボ全体でどのようなことができるのかを事前に話し合っておくこと、うまく周りに協力を要請して仕事を割り振るようにするなどの案が考えられる。特にオーガナイザーはラボでの実験以外にも様々な仕事があるため全て自分でさばこうとしても大変だと感じた。ラボにいる多くの学生と交流できる方がUOSの学生も楽しいラボ生活となるだろう。
 個人的に印象に残ったエピソードはポスターセッションである。UOSの学生のポスターは今回は5枚しかなかったがどれも興味を引くような内容であった。またオーガナイザーをやっていたことで彼らの中での認知度が高く彼らの方からポスターの説明をするから聞いてくれと言ってもらえるほどだった。自分のポスター発表ではUOSの学生以外にも多くの人が聞いてくれて多くのコメントや質問をいただいた。英語で議論するのにみんな不慣れであったために少しぎこちない感じもしたが楽しかった。UOSの発表とTMUの発表を時間を分けて行うと多くの人が聞くことができるので来年度の参考にしてほしい。
 個人の課題としてはもっと多くのUOSの学生とコミュニケーションが取れればよかったと思う。8人来てくれたわけだがその中の数名とはたくさん話したりコミュニケーションを取れたが最終日まであまり話したことのないような人もいた。ラボ単位での行動が多いためそうなってしまうのはしょうがないのかもしれないが、もう少し自分から関わる機会を設ければよかった。それゆえに名前と顔が一致しない人が数名いる。しかしながら嬉しいことにUOSの学生はぼくのことを認知してくれる方が多く向こうから話しかけてくれることが多かった。また趣味が合う方が数名いたために彼らとその話題で盛り上がったり、最終日の東京観光で彼らの要望に答えることもできた。全体を通して言えることだがUOSの学生はとても優しいと感じた。こちらの段取りが悪い点があったりしたがそれでもあまり嫌な顔をせずに付き合ってくれた。
 全体を振り返っていうと、今回の経験はグローバル人材を育成するという点ですごくいいものになったと思う。日韓問題については議論があるわけだが今回の企画を通じてUOSのメンバーとはこれからも仲良くしたいし、そのために英語でコミュニケーションを取ることをさらに努力しようと考えるきっかけになった。将来的にも彼らとは友好関係を築き上げられるといいと思うし、研究の面などでも将来コラボできるような友好関係を築き上げていきたいと考えている。 (M1 大場俊弥)


 私は研究室にきた学生と一緒に実験をしたり交流をしたりしました。オーガナイザーが主に研究室ではお世話をしていましたが、彼の実験の合間や食事の時に交流させてもらいました。私は英語でコミニュケーションを取ることが得意ではないためうまく意思疎通ができないことがよくありました。そのときにすごく悔しいと思いましたし、もっと英語が話せればよかったと思っています。私はオーガナイザーの方と話し合って彼が行った実験と同じことを一緒に行うようにしました。そうした方が韓国の学生の理解も深まるし、英語でのコミニュケーションが楽になると考えたからです。実際に実験をする時は彼は一度理解しているためにミスコミニュケーションになることがほぼなかったですしスムーズに実験を行うことができたと思います。
 ポスターセッションにも参加しました。私のポスターには韓国の学生が数名来てくれました。英語のポスターは作るのも大変でしたし、それを説明するのも大変でした。韓国の学生で似たような実験をやっている人がいたのでその方との議論が結構できて楽しかったです。彼らの研究の内容を聞くのもすごく勉強になりました。研究の内容以外にも英語のプレゼンテーションの方法とか手法も勉強になりました。ポスターの時間が短かったのであまり多くの方と議論ができなかったですが色々なことを学習できる機会でした。
 私の反省点としては英語が話せないのでコミニュケーションを取ることを避けがちになってしまったことです。またプログラム期間の後に学会があってその準備に追われていたので忙しいことを言い訳にあまり関わらないようにしようとしてしまったことです。しかし、韓国からせっかく来てくれたわけですし、国際的な交流は自分のキャリア形成の中では重要だと感じたこと、またオーガナイザーの彼が交流するような機会を設けてくれたりしたのでラボでの交流の手伝いをすることを決めました。オーガナイザーの人は本当に忙しそうにしているので最初全て1人に任せてしまったことを申し訳なく思っています。私だけというわけではないかもしれませんが、積極的にコミニュケーションを取るのが苦手なので、この機会はそれを克服するのにいいものでした。 (M1 大野誠真)





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