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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 生物多様性研究の最前線
実 施 者: 角田智詞、常木静河、中路真嘉(協力者:川本秀雄)
実施場所: 都立国立高校および松木日向緑地
実 施 日: 2009年 11月 24日
対  象: 都立国立高校・都立立川高校・都立富士高校の生命科学に興味を持つ生徒20名程

<概要/目的>
学内緑地のハンドブック「ひなたブック」を用いた観察会が、これまで多く行われてきた。これらの観察会では、対象者に自然観察の楽しみ方を知ってもらったり、生き物に興味を持つきっかけを提供したりすることが目的であった。ここから一歩踏み込み、そこにある問題・課題について、実施者らの研究と関連づけて概説することにより、対象者に興味を持ってもらうことが本企画の目的である。

<方法/活動内容>
事前授業において、生物多様性科学における問題・課題をスライドにて説明した。題材としては、企画者らが行っている研究を中心に取り上げ、実際の現場の雰囲気が伝わるように努力した。また、植物を用いて、実際に分類作業を行ってもらった。
大学では、研究室の様子や実験機器、圃場など、われわれが普段研究を行っている場を見てもらった。牧野標本館では、対象者の興味がある植物標本を、収蔵標本から探し出すという作業を行った。また、松木日向緑地において、緑地観察も行った。

<企画を受けた生徒の声>
大学で研究していることがわかり勉強になった。生物学にも興味がわいた(高2女子)
このような機会自体が参考になった。大学での自由な研究に興味を持った(高1男子)
全体的に流れができていてよかったと思う(高2男子)
大学に来ること自体が初めてで、観察会以外でも参考になった(高2男子)
生物多様性に関して理解が深まった。自分もフィールドで研究してみたい(高2男子)

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
企画を行って初めて、事前の高校生の知識・関心を、企画者らがあまり把握していなかったという事実を痛感した。同じ内容を扱うにしても、対象者のニーズに合わせた工夫が必要であると強く感じた。ともあれ、多くの方々の協力を得て企画を行え、高校生の感想も悪くはなかったことは、大きな強みとなった。今後につなげていきたい。(角田)

発表者がそれぞれ実際にやっている研究を説明できたので、高校生が普段触れることのないフィールドワークのおもしろさを臨場感も交えて伝えることが出来たのではないかと思いました。さらに、角田くんは高校生のときに自分が行なっていた研究についても話していたので、高校生にも研究を身近に感じて興味を持ってもらえたのではないかと思いました。また、中路くんも最近の進化研究でとても注目されている花の色の研究を丁寧に分かりやすく説明していたので、高校生からも質問がでて相互にコミュニケーションできる場となりました。発表者で話し合って取り入れることにした木の同定をするワークショップでは、高校生がとても真剣に葉を観察して、わたした葉の束の中に実際に何種あるのかを班ごとに発表してくれました。ワークショップを通じて、植物を観察することの意味を考えるきっかけ作りになったのではないかと思います。
一方で、設定された時間を少し超えてしまったので、会場を提供して下さった先生方から、限られた時間の中で必要な情報はきちんとしぼって分かりやすく伝える工夫をさらにする必要があるのではないかという意見を頂きました。今後の課題としたいと思います。
現役の大学院生が高校生に研究の現場で起こっていることを説明する今回の企画は、企画者にとっても参加者にとっても良い機会になったのではないかと思います。
(常木)

高校生の授業内容(進行度)等をしっかり準備しなかったので、用語や現象を話すのに苦労しました。スライドや内容だけでなく、聞き手の情報をしっかり準備する重要性を強く感じました。
また内容も、もっと重点を絞って話すべきなど、現役の教員方からの具体的なアドバイスを聞けたので非常にいい経験になりました。
ぜひともリベンジをしたいと感じました

        

        
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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