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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 大学祭オープンラボ「ショウジョウバエが語る分子進化の世界」
実 施 者: 菊池舞、小山あずさ、田辺美知、磯部琴葉、日下陽平、里村和浩
実施場所: 11号館
実 施 日: 2009年 11月 3日
対  象: 大学祭来場者

<概要/目的>
本企画の対象者である大学祭来場者の多くは、大学ではどのような研究がなされているのか、具体的な内容に接する機会が非常に少ないと思われる。そこで進化遺伝学研究室の紹介通じて、首都大学で行われている研究の一部分を一般の人に知ってもらうことを目的とする。

<方法/企画としての特徴>
1、進化遺伝学研究室で研究に使用しているショウジョウバエ(12種)を展示する。来場者には多様なショウジョウバエが存在することを知ってもらい、外部形態と遺伝子の関係などを解説した。
2、ショウジョウバエの多様性についてクイズを交えて解説する。シャーレにショウジョウバエを入れて置き、ショウジョウバエの写真(8種)を配った。一般の人でも外部形態からショウジョウバエを分類できるようにクイズ形式したものを用いて、実際にショウジョウバエの分類を体験してもらった。シャーレにいれたショウジョウバエは4種のものと、2種のものとを準備し、対象者の年齢にあわせてシャーレをつかいわけた。
3、ショウジョウバエの遺伝子を制限酵素で切断し、電気泳動をおこなう。展示した泳動槽やゲルを用いて対象者に実験の手法を説明した。種によってバンドパターンが異なることから、分子系統学的手法を用いての種同定が可能であるということを知ってもらう。
4、当研究室の研究内容を掲示し、解説を行った。このことによって、来場者は具体的に研究内容を知ることができ、大学での研究をより身近なものに感じることができる。また、企画者は研究内容のポスターを作成するため、自分の研究を見直す良い機会になった。

<活動内容/具体的成果>
大学でおこなっている研究を対象者に紹介することで、一般の人に研究というものを身近に感じてもらうことができる。また本企画を通じて首都大学東京への興味を強いものにしてもらえることが期待される。企画者は、年齢や興味の程度・知識量の異なるさまざまな一般の人に向けて、対象者の興味の強さやポイントに応じた方法での説明方法を工夫するといった能力の向上が特に期待される。また、アルバイトの学生に対して研究紹介の仕方や生物材料の飼育管理等を教える必要があるため、教育力や指導力を鍛えることができる。



<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
・机等の配置がまとまっており、わかりやすいレイアウトにすることが出来た。そのため、昨年よりも来場者への説明をスムーズにできたものと思う。(磯部)
・対象者の関心によっては、説明が長時間になってしまい、次の来場者が説明を聞きに入りづらい状況もあったので、誘導や声の掛け方などの工夫が出来れば、更に多くの人に説明することが出来たかと思う。しかし、興味の程度・知識量の異なる人に説明することで、説明力の向上につながったと思う。(里村)
・一般人は研究室の実験装置に触れる機会がほとんどないので、電気泳動や顕微鏡などといった機器を展示し、実際に触れる良いきっかけになったのではないか。しかし一方で、顕微鏡のピント合わせに時間がかかり、結局よく分からなかった、という意見もいただいた。実験操作に慣れない一般人にどれだけ簡単に装置に触れてもらえるかが今後の課題であると感じた。(菊池)
・研究について全く知らない人に研究内容を知ってもらえる良い機会であった。しかし、内容がマニアックなところも多いので、一般の人でもわかりやすい具体例などを自分の中で用意しておけばよかったと思った。(田辺)
・日頃の研究の様子を外部の方に紹介し、広く知ってもらう良い機会であった。レイアウトを工夫したり、来場者にわかりやすかったが、より多くの方に親しんでもらえるよう、こちらから積極的に声掛けをし、もっと活気ある雰囲気にできればと感じた。(小山)
・子供向けに簡単なクイズを作成したり、外部形態の特殊なショウジョウバエを展示など、色々な工夫ができ、それなりにうけていたので、よかったと思う。ただ、どうしても、説明がマニアックになってしまいがちなので、今後気をつけていきたい。(日下)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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