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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: オープンラボ -ホヤの展示-
実 施 者: 熊谷 雄人、山澤 拓実、大沼 耕平、吉田 慶太
実施場所: 8号館専門実習室
実 施 日: 2010年 7月 18日
対  象: 首都大学東京大学説明会に参加する高校生

<概要/目的>
 大学説明会に参加する高校生は、本学の情報を得ることを目的として来学すると考えられる。中でも理工系を志望する学生は、将来大学生活の後半に研究室で研究をすることになるため、研究室やそこでの研究について知ることは有意義である。
 また、現在の高等学校における生物の授業は、知識の習得に重点が置かれており、実際の生物に触れる機会が少ないとよく聞く。特に、発生の単元は授業時間内に生物の発生を実際に見せることが困難であり、教科書のイラストを見るだけではその様子を想像しにくいということから、実際の生命現象を捉えにくい傾向が強いように思われる。以上の点から、高校の授業では体験できない生物学の面白さを高校生に知ってもらうことは、大学が果たす重要な役割の一つであると考えられる。そこで、オープンラボを通して我々の研究を紹介し、それによって発生生物学の魅力を伝えることを目的として本企画を実施した。

<方法/企画としての特徴>
@) ホヤの展示
・研究材料であるカタユウレイボヤとマボヤの成体、および実際に発生中の胚と、各発生段階の固定胚を展示し、実際の生物に触れてもらう。
A)遺伝子導入(injection)装置の展示、injection体験
・実際研究に用いている装置に触れることで、遺伝子導入の方法について理解し、興味を深めてもらう。
B)WISH(Whole mount in situ hybridization)胚の展示
・遺伝子の発現を可視化する手法であるWISH処理した胚を見せることで、様々な遺伝子がそれぞれ異なる場所で働くことを知ってもらう。
C)ポスターの設置
・研究材料であるホヤについて、また実際に行っている研究について、その概要を理解してもらう。
          
来場した高校生1人あるいは1グループに対して、説明要員の大学院生または卒研生が1人ずつ対応し、@〜Cの展示を見学しながら解説を聞いてもらうことによって、我々の研究について理解してもらう。

<活動内容>
7/18 企画の準備、実施、片付け


<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
オープンラボには生命科学の分野に進学したい学生だけでなく、友達に連れられてきた他学部志望の学生、保護者の方々等、いろいな方に来場していただいた。生物に精通されている方もいればそうでない方もいて、それぞれの立場を考えて説明することの難しさを感じた。もう少し、共同企画者や企画協力者と企画の意義、当日の流れについて話し合っておけばよりスムーズに運営できたと反省している。  (熊谷 雄人)

オープンキャンパスにおける高校生への説明は今回で3回目という事もあり、見学者の理解度に合わせて解説内容を柔軟に変える等、前回よりも上手に研究内容を伝える事が出来たと思う。一方、今回テレビ画面を利用し、ホヤを用いた実験についてのビデオを流していたが、やや注目度が低く、より効果的な展示方法に改善する必要があると感じられた。  (山澤 拓実)

今回のオープンラボでは、以前よりも「何を伝えたいか、どうすればわかりやすく説明が伝わるか」を意識して行った。まだ足りない点はあるが、それなりに成果は出たと感じる。しかし、今回は高校生だけではなく、小さい子供やその親御さんなど生物学という学問になじみがない方々も来場してくださったが、彼らへの配慮が足りなかったと反省している。そのような人にも、発生に関する面白い話などを予め勉強して用意すべきだと感じた。
企画に関しては私も、企画者同士で当日の流れや何を説明すべきかについて話合えば良かったと感じる。 (大沼 耕平)

来場した高校生は、学年や既習の生物の内容が様々であったが、同様の企画を数年に渡り行ってきたこともあり、それぞれの知識背景に合わせた説明ができたように思われる。
運営面に関しては、同時に大勢の来場者があった際、どのような順序で見学してもらうのかが、事前に徹底されていなかったことが反省点である。(吉田 慶太)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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