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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 食育 x 科学「光るグミを作ろう」
実 施 者: 澤本陸 吉田章一郎 
実施場所: 八広地域プラザ 吾嬬の里(東京都墨田区八広4丁目35−17)
実 施 日: 2020年 8月 16日
対  象: 小学生とその保護者(8 組 18名)

<概要/目的>
本企画は、小学生を対象に食という身近なものを通して、科学の面白さを伝えることを目的として企画されたものである。
今回の具体的な企画内容は、家でも簡単に作ることができるグミ作りを通して、ビタミンの性質について理解してもらうことである。

本企画を通じて、筆者は以下のスキルを身につけたいと考えている。
(1)コミュニケーション能力
対象が小学生であるため、事前知識をもっていないことがほとんどである。その中で、楽しんで実験を行ってもらうためには、適切な指示や小学生に寄り添ってサポートすることが大切になってくる。したがって、コミュニケーション能力の向上が見込まれる。

(2)全体を見て行動する力
本企画には、多くの人が参加を希望しており、参加者全員に満足してもらうためには、全体の段取りをスムーズに進めることが大事になる。そこで、円滑に段取りを進めるためには、一部の人のサポートだけではなく全体を見る力が鍛えられると考える。


<方法/企画としての特徴>
光るグミの原理の説明を挟みながら、科学の原理を応用させたグミ作りを行う。参加者の楽しさや満足感を提供できるように、声掛けや質問を受けるなど気遣いを忘れず行う。

<活動内容/具体的成果>
ワークショップでは、以下の2点を実施した。

(1)        グミ作成キットを用いて、参加者と一緒にグミ作りを行った。その際に、通常では水でゼラチンを溶かすところをビタミンB2が入ったオロナミンCで溶かした。そうすることで、ビタミンB2を含んだグミが完成する。そのグミに紫外線を当てることでビタミンB2が光ることを証明した。

(2)        光るグミを作成した後、作成したグミを美味しく食べるために生クリームやアイスを使ったフロートを作成した。フロートは果物、アイス、シロップなどを使ってもらい参加者の楽しんで作ってもらった。

なお、新型コロナウイルス感染防止として参加者及びスタッフ全員マスク着用を義務付けた。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
今回のワークショップで一番注力した点は、参加者に科学の楽しさを感じてもらうことである。私は参加者に対して、原理の詳しいメカニズムより純粋に科学を楽しんでほしいという思いが強かった。しかし、参加者のワークショップ後の感想にはしっかりと原理を理解していることがわかる内容が書かれて驚いた。このことは、人にサイエンスを伝える際に真摯に向き合うことが大事であると考えなおすきっかけとなった。(植物発生生理学研究室M1 澤本陸)

本企画では、参加者に楽しみながら科学に触れてもらうことが第一の目的であった。だが、対象が小学校低学年であることから、光るグミ作りは楽しんでもらえたとしても、科学的な解説の部分を聞いてもらえないではないかと不安があった。しかし、当日の様子や企画後に配布した感想シートを見て、ほとんどの参加者がしっかりと解説を聞いていることがわかり、感心した。本企画を経て、相手の理解度に合わせた専門用語の他用語への置き換えや、簡略化した図・表・イラスト作成の効果を学んだ。
反省としては、本企画は食材を用いた科学であったが、それが日常にあふれる科学の一部であるという結びつけが弱かったように思う。なので、企画後に、近日に行われる他分野の企画の紹介などがあれば、今回の企画の位置づけがはっきりしていいのかなと思った。(植物系統分類学研究室M1 吉田章一郎)


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