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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 第2回オープンラボ まるごと大腸菌
実 施 者: 藤原弘平、岩舘佑未、太田尚希、成田裕行、橋本知佳
実施場所: 8号館328 生物機器室
実 施 日: 2010年 8月 20日
対  象: 首都大学東京 大学説明会参加者(高校生およびその保護者)

<目的>
 将来のことを考えて大学選びをすることは非常に重要であるが、実際の研究や大学という教育機関への理解を深める機会が高校生やその保護者にはあまりないようだ。そこで本企画は首都大学東京を志望する高校生を対象に、本学生命科学コースではどのような研究を行っているのかを分かりやすく伝えることで、彼らが大学生活をイメージし、志望校について考える手助けを行いたい。特に当研究室では大腸菌の遺伝子を扱った研究を行っているので、研究について簡単な説明を聞き、実際の菌を観察してもらう。それによって生命現象や当研究室の研究内容に興味を持ってもらうのと同時に、本学での学生生活を具体的にイメージさせることでさらに受験生の志望意欲を高めたい。また、高校生やその保護者といった、専門知識のない相手に対するプレゼンテーションの練習の場として、学生の発表技術を磨くことも目的である。今回は前回のオープンラボでの反省点を活かし、発表者・聴衆両者により有意義な展示にすることで、学生の創意工夫の力も磨きたい。

<企画内容・成果>
 当研究室の特色について説明するために以下の展示を用意した。前回のオープンラボで、分かりにくく不評だったものは削り、説明が足りていなかった部分は補った。
@モデル生物としての大腸菌(ポスターによる説明)
 なぜ大腸菌を用いて研究しているのか、どのような目的で研究を行っているのか説明する。
A大腸菌染色体大規模欠失株の作成について(ポスターによる説明)
 大腸菌の生育に必須ではない遺伝子を追求し、染色体を縮小させるプロジェクトについて、その意義も併せて解説する。
B核を染色した大腸菌の展示(顕微鏡による表現型の観察)
 遺伝子改変によって引き起こされる大腸菌の形態の変化を見てもらう。野生株と細胞分裂に必須な遺伝子を破壊した株のそれぞれ核染色し、顕微鏡で観察してもらう。また、なぜこのような形態の違いが生じるか説明する。
C光合成大腸菌の作成について(ポスターによる説明)
 光合成大腸菌を作成する意義や、その方法、現在の進行状況などについて説明する。
Dカロテノイド合成大腸菌の展示(実際の菌をプレート上で観察)
 カロテノイドを合成できる大腸菌や、光合成大腸菌制作過程の菌をプレート上に生育させておく。他生物種の遺伝子を導入し、働かせることで大腸菌がどのように変化するのか観察してもらう。
 来場した高校生とその保護者に、まず当研究室での研究内容についてポスターを用いて説明を行った。ポスターによる簡単な説明の後に、実際の菌を見てもらうことで大腸菌を用いた遺伝学への理解を深めてもらった。また随時、研究についてだけでなく大学生活や受験など様々な質問を受けた。

<感想>
今回はオープンラボ2回目ということで、非常にスムーズに準備ができた。また、前回の反省を活かし、話にストーリー性が出せるよう展示の配置を工夫できてよかった。しかし、会場が生物機器室であったために、やはり大勢のお客さんがいっぺんに来るとうまく応対できず、待たせたりすることもあったのが残念だった。前回、今回と蛍光顕微鏡が使える暗室近辺に会場を限定してしまったが、次回はもっと広くスペースが活用しやすい会場を探したい。また、前回は専門的になりがちだった解説も相手に合わせた説明ができたと思う。(橋本)

前回のオープンラボと比べて、相手の様子を見ながら研究内容を紹介することができた。さらに、期待される研究成果はどのような点で社会に貢献できるかという点について、説得力のある説明をできればよかった。また、高校生の保護者から卒業後の進路および受験対策について尋ねられた。しかし、それらについて準備をしていなかったため、うまく対応できなかった。今後は、来場する方々がどのような情報を求めているのか考えて準備を進めるべきだと感じた。(岩舘)

前回オープンラボをおこなって、説明する順序や空間作りなど反省点があったので、それを参考に今回おこなうことができた。しかし、たくさんの人が来たりすると上手に対応できなかったりとまだ足りない部分もあったように感じた。高校生にとってオープンキャンパス、オープンラボは進路選択の大きな参考になるものなので、もっと魅力を伝えられる方法を考える必要があるのではないかと感じた。(太田)

オープンラボという行事を通じて、自分の研究をより理解することができた。
人に説明することが少しずつできるようになったので、ゼミなどにも生かしていこうと
思いました。またこのような機会があるならば、その時は参加したいと思います。
(成田)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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