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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 食育 x 科学「野菜を使った染め物作り」
実 施 者: 金室早貴 松井美緒
実施場所: 港区エコプラザ  東京都港区浜松町1丁目13−1
実 施 日: 2020年 8月 23日
対  象: 小学生とその保護者(9組18名)

<概要/目的>
本企画は、小学生を対象に食を通じて科学の面白さや身近さを伝えることを目的としたものである。
具体的な企画内容としては親子で行う野菜や果物を使った染物体験と講義を通じて、食べ物を無駄にしないことの大切さや環境に負担をかけない暮らしについて考えることである。

本企画を通じて、筆者は以下のスキルを身につけたいと考えている。
(1)サイエンスコミュニケーション能力の向上
理科をまだ習っていない小学生にも理解しやすいように説明するため、わかりやすく伝える能力が養われる。また普段接することの少ない小学生や保護者の幅広い世代に科学を発信するための表現力やコミュニケーション能力が養われることが期待される。

(2)企画力・計画力・実行力の向上
事前に使用する材料や実験器具の準備を行ったり、当日は時間通りの進行を行うために臨機応変な対応が必要となる。また子供の安全に十分注意しながら、実習を行う必要がある。これら一連の企画実現の流れを経験することで社会人の基礎力となるスキルを向上させることができる。

<方法/企画としての特徴>
合成染料と天然染料の違いを説明し、環境に優しい染料について理解してもらう。また野菜に含まれる色素と布が染まる仕組みについて解説する。これらの講義を挟みながら野菜や果物を使った染物体験を行う。

<活動内容/具体的成果>
 ワークショップでは、以下の2点を実施した。

(1)タマネギの皮から色素を抽出することで、染め物のハンカチを作った。染色後はミョウバン液につけ、色素をハンカチに定着させた。輪ゴムで縛られている部分は染まらないため、各自が工夫して自分らしいデザインのハンカチを作ってもらった。

(2)タマネギとは異なる色素を持つブルーベリーを用いてしおりを作った。ブルーベリー液で染色後、レモン汁に浸した綿棒で模様を描いてもらった。これによりpH変化を視覚的に楽しんでもらった。

なお、新型コロナウイルス感染防止として参加者はマスク着用、スタッフはマスクとフェイスシールドの着用を義務付けた。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
今回のワークショップでは、親子ともに科学の面白さを体感してもらえるように心がけた。実際に作業を行うときは各テーブルを巡回し、子供たちが自分らしいデザインのハンカチが作れるようにアドバイスをした。このような一人一人との対話を大切にすることによって、満足度の高いワークショップを提供することができたと感じる。また実施後のアンケートでも、食や科学に関する理解を深められたという声や、また参加したいという声をいただくことができ、科学を人に伝えることの喜びややりがいを感じた。(植物生態学研究室M1 金室早貴)

本企画では、科学の面白さを体感してもらうことを目的としていた。当日の参加者は半分程度が一年生であったが、色素や環境について理解しながら好きな模様のハンカチやしおりを作成し、楽しんでくれたようなので達成感があった。また、企画実施にあたってボランティア団体の方とコミュニケーションを取り合い、当日の準備や出来上がったハンカチのアイロンがけなど自主的に行動することを心がけた。その結果、企画をスムーズに進行することができ、満足度の高いワークショップになったと感じた。(分子老化制御研究室M1 松井美緒)



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