<概要/目的> 来場者に、研究室の見学や研究紹介を通して、大学の研究室とはどのようなところかを知ってもらう。特に、進学を目指す高校生には、実際に大学生と触れ合うことで、大学の様子を知る機会となることを期待する。 また企画者側は、専門的な研究の内容を一般の人にわかりやすく説明することで、コミュニケーション能力の向上を図る。
<活動内容/具体的成果> @研究室紹介 神経細胞についての説明、Cdk5とは何かについての説明を簡単に行った。 ポスターによって説明するだけでなく、脳の模型やK.O.マウスを展示することで、来場者の関心を惹くよう工夫した。 A実験手法の実演 タンパク質の解析法について、当研究室で行われているSDS-PAGE、western blotting法を実演して示し、分子量によってタンパク質を分離する仕組みについて解説した。 来場者は、大学の研究室に入るのは初めてだという方が多く、実験器具についての質問を受けることが多かった。 B細胞の観察 primary cultureによって調整したマウスの神経細胞を抗体染色し、共焦点顕微鏡により来場者に観察してもらった。primary cultureの方法についても、簡単な絵で説明を行った。 来場者は、教科書で習った神経細胞の形態と実際の形態を比べてみたりなど、とても興味を示しているようだった。 Cグリセリン筋の収縮実験 グリセリン置換した筋肉をATPによって収縮させる実験を来場者に行ってもらい、タンパク質の性質についての理解を深める。 肉眼でも分かるぐらい顕著な筋収縮が見られたので、私たちの体の中での筋肉の働きについて分かってもらうことができた。ピペットマンなど、高校の実験では使わない器具を用いての実験は、大学での研究を体験する機会になったと思われる。
<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
研究内容について、生物についての専門的知識がない高校生に説明するのは、思ったより難しかった。来場者の中には、生物を高校では学んでいない学生もおり、そういった学生には、口頭で説明するよりも、観察や実験など、目で見て学んでもらうほうが良いと感じた。 研究内容についてよりも、大学生活や受験勉強について質問を受けることが多かった。進路相談を通じて、高校生の関心事や苦手意識を持ってしまいがちな分野(神経もそのひとつ)が分かったので、来年のオープンラボにつなげたいと思う。 また、企画者が少なかったために、来場者に対応しきれないところがあった。来年は何名かに協力してもらい、企画の数も増やしてより多くの方に来てもらえるようにしたい。(石田)
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