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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: オープンラボ「日向緑地の生物から、エコロジーの世界へ」
実 施 者: 山根 理紗子、間島 翔、照井 駿太、笠谷 麻美
実施場所: 首都大学東京11号館108号室
実 施 日: 2010年 11月 3日
対  象: 大学祭に来場した高校生

<概要/目的>
 南大沢キャンパス内の日向緑地に生息する生物に触れ、その多様性を実感し、生態学という学問分野に興味を持ってもらう。その上で本学の動物・植物生態学研究室で行われている研究内容を簡単に知ってもらい、大学における生態学研究の対象やテーマを具体的に理解してもらう。その中で、生態学を研究する必要性についても言及する。
 また、今年は国際生物多様性年であるので、ポスター・口頭での説明により、生態学研究における重要な概念である生物多様性の理解も促す。

<方法/企画としての特徴>
3つのブースにてポスター・生物の展示を行い、適宜口頭で説明した。

@日向緑地の生物の展示  協力:野外生物同好会(生命科学コース学部生)
・ポスター発表:
 生態学・生物多様性の紹介、緑地地図を用いた生物の分布図、展示生物の特徴など
・緑地に生息する生物の展示:両生類、昆虫、コケ植物など
・ひなたブック(緑地生物紹介冊子)の配布

A植物生態学研究室の研究紹介
・各研究テーマを紹介するポスター発表
「不均質な環境での植物の反応」、「物理的障害物に対する植物の反応」など
・ 研究材料の展示:障害物の存在下で栽培したホソムギなど

B動物生態学研究室の研究紹介
・各研究テーマを紹介するポスター発表
「移入鳥類ガビチョウの生態」など
・研究材料の展示:ガビチョウの巣、ガビチョウの生態のビデオ上映、ネズミによるクルミの食痕など

<具体的成果>
 普段自然に触れる機会が少ないであろう高校生に緑地の生物に触れてもらうことで、生態学への興味・関心を促すことが出来た。また昨今各メディアなどで話題になっている生物多様性について、生態学との関連を含めて正しく理解してもらうことができた。
 また、企画者は自分の研究テーマについて短時間で端的に話す能力が身に付いた。さらに、生態学を研究する理由を見つめ直すことで、これからの研究活動の動機付けを明確にするきっかけになった。


<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
 ポスターの写真を見たり、実際の生物に触れることで、地域の方に南大沢キャンパス内日向緑地に多様な生物がいるということを実感していただけた。また、幅広い年代の方に自分の研究の説明をしたことで、言葉選びや説明時間を相手によって変化させる能力が身に付いた。
 課題は2点あり、1点目は主な対象者であった高校生の来場が少なく、研究対象としての生態学に興味を持ってもらうという目的が果たせなかったことである。今後は会場選びを慎重に行いたい。また2点目は3つのブースをつなぐ「生態学」と「生物多様性」に関するポスターの設置場所が悪く、あまり足を止めてもらえなかったことである。3種類のブースを1会場に設置する効果を最大にするため、今後は会場内の人の流れに対して戦略を練った上で会場設営を行いたい。(山根)


 今回のオープンラボは大学祭と同じ日に開催されたため、前回よりも幅広い年代の方々がいらっしゃった。そのためそれぞれの年代の人に合わせた説明をしなければならなかったため、人に物事を伝える力が向上したと感じた。しかし専門分野に対する知識が不足していることがわかったため、今後さらに専門分野に対する知識を獲得しようと思う。今回のオープンラボを通じて、具体的に自分の弱点を知ることができて良かった。(間島)


 準備段階では紙の上でうまいこと間取りを決めることができましたが、実際に会場を作るときには少し考えていたのと違ったり思い通りにいかないなど苦労しました。当日は予想より少し多くの人が来てくれたと感じました。レイアウトも同好会のブースが先に見え一般の方達も入りやすかったと思います。そして、奥に入るにつれ生態学の分野になり全体の説明のポスターもあったので徐々に解ってもらえたと思います。ここで3つの出展を同じ部屋で行ったことで、集客効果はあったと思います。その中の一つにしか興味のない方にも他の物に興味を持ってもらういい機会だったと思います。修正点をあげれば、一緒に出展するだけでなく、もうちょっと外で宣伝すればより多くの方に来てもらえたと思います。今回の企画は反省点もありますが成功だったと思ってます。(照井)


 生物多様性や生態学について,一般市民に説明するにあたり,生態学や多様性の定義から勉強し直すことで,私自身もより知識が深まった。当日になってみて思うように運ばないこともあったが,身近な生物の観察という手軽なテーマから研究の内容まで幅広く取り扱えたことで,来場された方々には身近な生物や生態学に興味を持って頂け,とても有意義な企画になったと思う。(笠谷)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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