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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 聖心女子学院高等科への出張実習
実 施 者: 原田枝里子、吉松慶
実施場所: 聖心女子学院高等科
実 施 日: 2010年 9月 21日
対  象: 高校3年生の生物選択の生徒

<概要/目的>
企画者は高校において出張実習を行い、計画性・準備力を高めるとともに、実習・授業を行うことで説明能力を身につけることを目的としている。また、高校においてこの活動を行うことで、これまで大学で身につけてきた能力や知識を還元することができる。

<方法>
企画者は3回にわたり高校を訪問し、以下の実習を行う。
キイロショウジョウバエの交配実験 
キイロショウジョウバエ幼虫の唾腺染色体の標本作製
これらの実習を通じて、大学で行われている教育や研究を身近に感じてもらう。

<活動内容>
準備:
実習で必要な実験器具や動物の準備

1回目(9/21):
キイロショウジョウバエの交配実験(実習内容の説明、道具の説明、親世代の交配)
大学紹介、研究紹介
幼虫の唾腺染色体の解剖(実習内容の説明、道具の説明、解剖・染色)

2回目(10/6):
キイロショウジョウバエの交配実験(F1世代の交配、統計処理方法の説明)

3回目(10/25):
実習結果の確認、質疑応答など

交配実験は餌の状態が悪く、1回目の交配は死んだハエが多かった。しかし、予備用に準備しておいたため、実習全体には影響がなかった。唾腺染色体の解剖は、全員きれいな標本を短時間で作製することができた。
統計処理に関して、理解しにくい部分があったようだった。


<感想/課題>
これまで3年間ティーチングアシスタントとして行ってきた実習内容だったが、説明まですべて自分でやるとなると、うまく説明できない部分が多かった。また、大学で行う場合は道具などがすべてそろっているため不都合がないが、高校には必要な道具がなかったため、餌や道具の準備が非常に大変だった。今回の実習では学校の先生方に協力していただけた部分が多く、大きなトラブルなく終えることができたのはよかった。今後の課題は時間配分である。時間の制約があまりない大学と異なり、高校は下校時間や授業時間がきっちり決められているため、部分的に駆け足になって、伝えられなかった部分もあった。時間を短縮するため準備を多くするといった工夫はしていたが、実際やっているときにもっと時間を意識して進めないといけないと感じた。(原田)

実際に大学生が行う実験を高校生に指導するのは初めての体験で、準備など戸惑うところもあった。今回は高校の先生に協力していただき、授業当日以外でフォローをしていただいて助かった部分も多かった。また、高校の授業形態に合わせて限られた時間で指導するのに戸惑い、説明を簡単にしてしまった部分もあった。結果、高校生の深い理解に繋がらない部分もあったと感じた。今後は時間配分など、しっかりした準備が必要だと感じた。実験以外にも大学生活の紹介や高校と大学の学ぶ視点の違いを説明したが、大学進学を目指す高校生の意識付けに貢献できたと思う。先生からまた実習に来て欲しいと言っていただき、今後も機会があれば高校に出向いて活動を続けたいと思った。(吉松)


©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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