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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: オープンラボ -ニワトリ胚の展示-
実 施 者: 豊田千春、岡山唯、後藤悠太、染谷春香、福島こよみ(発生プログラム研究室)
実施場所: 8号館専門実習室
実 施 日: 2011年 7月 18日
対  象: 大学説明会参加者

<協力者>
栗下大三、塩入直也、鈴木由季(発生プログラム研究室卒研生)

<概要/目的>
大学説明会に来た高校生とその保護者を主な対象とし、本研究室で研究材料として用いているニワトリ胚の展示を行う。
 ニワトリ胚は有精卵を温めることで得られる。鶏卵もヒヨコも私たちにとって身近な存在であるが、孵化するまでに卵の中で何が起こっているのかを見る機会は非常に少ない。そこで今回の展示を通して、来場者に発生生物学への興味、関心を持ってもらうことを目的とする。また、普段は知ることの難しい大学の研究室の様子も伝えることが出来る。さらにこの企画では、企画者側が興味を引くような展示方法を考えることや、当日行う口頭説明などを通して、総合的なプレゼンテーション能力を養うことも目的としている。

<方法/企画としての特徴>
 本企画ではニワトリの1日胚、2日胚、3日胚、6日胚の生きたままのサンプル、また9日胚、13日胚の軟骨組織を染色した骨染色サンプルを実態顕微鏡で観察できるよう展示する。各展示の近くに企画者・企画協力者が立ち、必要に応じて展示の説明を行う。またニワトリ胚の発生を記したポスターも展示し、発生過程を説明する。
 高校生物の範囲ではニワトリの発生を直接見る機会は少なく、高校生にとって有益な企画であると考えられる。

<活動内容/具体的成果>
7/11 展示で使用する有精卵を購入する。
7/12〜16 企画実施日に合わせ、有精卵を孵卵器へ入れる。
7/16 使用する試薬の準備、器具・配布資料の確認を行う。
7/18 企画の準備、実施、片付け

 ニワトリの発生を初めて見た生徒が多く、大変興味を持ってくれた。共同企画者、協力者が多かったこともあり、来場者に充実した説明をできたように思う。
 
<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
 来場した高校生や保護者の多くは、ニワトリ胚の発生に興味を持ち、こちらの説明を熱心に聞いてくれた。会場の混雑状況などに応じて、説明者の来場者への対応を臨機応変に変えることができ、昨年までに学んだノウハウを活かすことが出来たと思う。
 ただ、特に説明会が終わった直後は来場者が一斉に増え、とても混雑して人の流れが止まってしまうことがあった。次のオープンラボでは、混雑状況に応じて説明内容や量を変えることが課題である。(豊田千春)

 ニワトリ胚を顕微鏡で見た時の高校生達の驚いた目が印象的でした。一般の人に説明を行う事で自身の研究内容や興味の再確認になったのも良かったです。企画者、企画対象者双方に有益な良い企画であったと思います。(後藤悠太)

 高校では、生物の授業を専攻していても、生きている生物の発生を観察することはめったにないと伺い、高校生とその保護者の方に、生物、特に発生学の面白さを知っていただくことができたと思います。発表者も高校生から様々な質問を受け、わかりやすく説明する力が付いたと思います。今後の課題として、説明の合間に質問を受けてしまうと人の流れが止まり、混雑してしまうことがあったので、質問に答える係をつくるなど、工夫をしなければいけないと考えます。(福島こよみ)

 鶏も卵も身近なものであるのに、どのようにして卵の中で鶏としてのからだがつくられていくのかということをほとんどの人が知らない。そのため、高校生はもちろん、その保護者の皆様にも楽しんでいただけるような展示であったと思う。発表者は皆で協力し、よりスムーズに理解していただけるような説明をおこなうことができた。混雑していた際は質問に答える時間をあまりとれなかったので、発表者の配置に工夫をすることが必要であると考えられる。(岡山唯)

 ニワトリの卵は身近な存在であるが、その発生過程を見る機会は少ない。オープンラボでは、ニワトリ胚の発生を通して、生物の発生自体に興味を持ってもらえるよう工夫した。ただ、胚の観察をしてもらうのではなく、各胚で起こっているイベントや注目すべきポイントをアドバイスし、より学びやすいようにした。来場者からの質問がもう少し出れば、対話を通して生物学の面白さを伝えることもできると思った。質問の出しやすい環境づくりが次回の課題であると考える。(染谷春香)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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