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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 東京都立芦花高等学校臨海実習
実 施 者: 秋元優希(神経生物M1)、佐藤光(動物系統M1)、松山龍太(動物生態M1)
実施場所: 神奈川県葉山町鐙摺(あぶずり)海岸
実 施 日: 2011年 7月 31日
対  象: 生物選択者21名(高校2年生)

<企画協力者>
塩入直也(発生プログラムB4)

<概要/目的>
首都大生がTAとして参加する都立高校での臨海実習として「都立桜修館中等教育学校臨海実習」を例年行ってきたが、都立芦花高等学校での臨海実習は、今回初めての試みである。
@野外に生息する生物に触れ、生物に関する興味を高める。A潮干帯に生息する多様な生物を観察し、生物多様性について理解を深める。の2つの目的を、高校生が達成できる事を目指しTA活動を行ってきた。

<方法/企画としての特徴>
班ごとに分かれて磯採集を行い、大学生・大学院生は各班に一人ずつ就いて採集方法や生物の説明などを行った。
また、採集後に生徒との会話の時間を設け、採集についての追加説明だけでなく大学生活について話すなどした。

<活動内容/具体的成果>
実習当日は雨が降ったり止んだりの天気ではあったが、幸いにも実習に影響が出るほどの天気の乱れはなく、企画通りに実習を進められた。

1.採集準備
生徒が到着するより前に集合し、あらかじめどんな生物が採集できるかなどの下調べを行った。また、安全に配慮し危険がないかなどの確認をした。


2.採集説明
生徒が磯に到着した後、自己紹介と磯採集における注意事項などの説明を行った。



3.磯採集
生徒1班4人〜6人の計4班に分かれ、各班にTAが1人ずつ同行した。
適宜説明や指導を行い、安全な実習が行えるように努めた。

4.採集した動物の観察
班ごとに採集した動物をまとめ、分類・同定・観察を行った。
TAは捕まえてきた動物の生態を説明をしたり、分類方法などを指導した。
観察後、動物は海へ戻した。



5.生徒との交流
採集を終えた後、生物に関することや、大学生活に関することについて生徒と話しをした。
採集を通じて得た知識・経験の再確認や、大学に関する質問・疑問に答えた。

(TA従事時間:4時間)

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>

今回の臨海実習では、生徒によって生物への興味の強さが異なり、班の中でも温度差があるように感じた。しかし、初めはあまり興味を持っていなかった生徒も実習を進めていくうちに生物に対する苦手意識がなくなっていったと感じる場面もあった。
また、どうしても活動的に採集を行っている生徒に目が行ってしまうので、全体に目を向けられるようにできれば良かったと思いかえす。
企画自体としては、桜修館の臨海実習とは違った特徴として、少人数ならではの交流の機会を持たせられたのが良かったと思っている。(秋元優希)

 担当させていただいた班はまじめな生徒が多く、採集してきた生物について積極的に質問してきてくれたので、指導しやすかった。また、自然のなかで生物採集をする経験があまりないようだったので、磯採集のときは生物に触れることや、水で濡れることへの抵抗があるよに見えた。なので、自分が採集してきた生物を生徒に見せることも多かった。採集活動に慣れてくるようになると、採集自体に意識が向いてしまうようになるので、発見した生物がどの様な環境に生息していたのかを生徒らに問うことで、生物とそれらを取り巻く環境にも意識してもらえるよう努力してみた。(松山龍太)

 今回の実習で指導をさせていただいた学生は生物の授業を専攻している、生物に興味を持った学生たちだったため、担当した班の学生も海に入ることに臆することなく、積極的に採集に取り組んでいた。もちろん、学生によっては直接生物を触るということに難色を示していた学生もいたが、一度自分の手で生物に触れ、その生物の生態や特徴などを説明すると、他の生物はどうなのだろうかと言う興味が湧いたのか、生物を理解するという方面からも採集に打ち込んでいた。
 少人数の強みとして、生徒とより密接な交流が行えたように思える。説明や質問にも余すことなく解答できた。しかし、考えが固定化されてしまっているのか、突飛な疑問が飛び出すことがなかったのは少し残念に思える。(佐藤 光)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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