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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: ニワトリ胚観察実験 -東京都立両国高等学校アウトリーチ-
実 施 者: 岡山唯、栗下大三
実施場所: 東京都立両国高等学校、付属中学校
実 施 日: 2012年 5月 26日
対  象: 高校生、中学生あわせて約30名

<概要/目的>
 東京都立両国高等学校、付属中学校の学生を対象に、ニワトリ胚の観察実験を行なった。本企画は発生プログラム研究室の福田公子准教授が東京都立両国高等学校で行なうSPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)をサポートするための特別授業に合わせて実施するものである。
 鶏の有精卵は約21日間あたためると孵化する。ヒヨコも鶏卵も我々に身近な存在であるが、ヒヨコとして生まれてくるまでの様子を観察する機会は非常に少ない。そこで本企画では、比較的取り出すことが容易で様々な構造を確認できる孵卵2.5日目の観察を行なった。また、ニワトリ胚を用いた基本的な実験手法の一つであるNewの培養を実施し、1日胚を2日胚に培養し観察した。さらに今後、研究を生徒自身で行えるように、必要な試薬の調整方法を教えた。その後、この実験方法を用いることでどのような研究が可能となるのかをディスカッションし、今後の実験計画を考えてもらう。
 この企画を通じて高校生には、教科書などでは伝わりきらない生物学の具体的なイメージを持ってもらい、今後のSPPで行う研究の参考となることを狙った。また上記内容の企画を実施することにより、企画者自身の説明能力、情報発信能力の向上を図った。

<活動内容/具体的成果/課題>
「教科書で見るだけでは理解できなかった構造もよく観察することができた」「今後の研究活動の参考となった」などの感想を多くの学生から聞く事ができた。しかし、何人かの学生はなかなかうまく胚をとりだせず苦労していた。班ごとに胚を取り出す時間をつくり、少ない学生を多くのTAがみるなど工夫をするとよりよくなるかもしれない。

<感想>
今まで行ってきたアウトリーチとは違い、今回のアウトリーチは学生の研究活動のサポートという内容でした。様々な研究手法を教えながら、どのようにしたら“研究”ができるのか、明確な答えを示すのではなく、学生たちが考え付くように誘導するのは非常に難しかったです。どの学生のチームも、非常に興味深い研究テーマを考え付き始めていたので、今後はテーマに対して具体的な研究方法を提示するアウトリーチを行っていきたいと思っています。(岡山 唯)
今回のアウトリーチは、知識を教えるのではなく学生が考えることを促すものであった。ニワトリ胚で可能な実験手法を一通り紹介し、それらの手法を用いてどのような研究ができるのかを考えさせた。最も印象的であったのが、参加した生徒の考え方の豊かさであった。限られた手法という縛りのなかで自由かつ論理的なテーマを次々と挙げていく生徒の発想力は、私も身につけて行かなければならないと感じた。(栗下大三)


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