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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 2012都立桜修館中等教育学校臨海実習の事前授業
実 施 者: 山田沙佳(D1)、秋元優希(M2)<神経生物学研究室>
実施場所: 都立桜修館中等教育学校
実 施 日: 2012年 6月 1日
対  象: 同5年生150名

<協力者>
奥溪真人、久保茂男<神経生物学研究室:B4>

<概要/目的>
都立桜修館中等教育学校5年生の臨海実習に先立ち、磯採集の手法や系統分類学の基礎知識、鐙摺海岸で見られる生物に関するプレゼンテーションを行った。臨海実習の目的は、磯に生息する多くの生物を観察し、主に動物界における構成の理解を深める事である。従って、事前授業では磯採集における注意点の説明、生物の系統についての講義、臨海実習で見られる生物の紹介クイズなどを行った。これにより、事前に学んだ知識を生かして、実習当日に自ら臨海実習の意義等を考えながら採集ができるようになる事が期待できる。

<方法/企画としての特徴>
事前指導は、パワーポイントによるスライドを用いて、中等教育学校の多目的ホールで行った。実際の臨海実習を意識し、スライドは実物の写真を多く取り入れて作成した。特に採集時の服装や危険な生物など、特に知っておかなければならない項目はアニメーションを入れたり、説明時間を長くしたりといった工夫をし、当日安全に実習が行えるように努力した。また、より興味を持ってもらうために、生物はクイズ形式で紹介した。その中で、特に重要な内容は、カラー印刷のしおりを用意する事で、より一層内容を強調した。

<活動内容/具体的成果>
150人の生徒に対して、企画者2名と企画協力者2名でプレゼンテーションを行った(60分の授業)。
内容は以下の通りである。

1、磯採集の説明と諸注意 (担当:山田)
磯採集の注意(観察の方法、スケッチのメリット、危険な生物の注意、ふさわしい服装など)と、潮の満ち引きの仕組み、当日の潮の状況について。磯採集のコツと、実習当日の干潮時が、いかに多くの生物の観察に適しているかを説明した。

2、生物の系統分類 (担当:秋元)
系統分類学とはどういう学問かについて。
分類を行うことにより、生物種をより理解しやすくなることや、進化の課程の推測につながる事などを簡潔に説明した。また、写真や図を多用したスライドや、特に重要な部分をしおりに載せるなど、わかりやすさ、理解しやすさを重視した。

3、臨海実習に関するクイズ (担当:奥溪、久保)
本実習で例年見られる生物の写真を用い、磯に生息する様々な生物の分類や特徴を、クイズ形式で紹介した。クイズはすべて選択問題にし、解答を別途用意した解答用紙に書き込ませることで、生徒参加型のプレゼンテーションを行った。最後に正答数に応じてランク付けし、生徒の興味を引き付ける工夫をした。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
今年も大人数に指導を行わなければならず、また高校生たちはテスト後にこの事前授業に参加することを聞いたため、集中力を散漫にさせないような授業を行うことを心掛けた。特に、スライドの数をできるだけ少な目にしてだらだらと話し続けないようにしたり、重要な部分を強調するようなスライドを作ったりすることで、できるだけ短時間の間に重要なことだけをとにかく覚えてもらえるような授業を行った。
実際に短時間の間でまとめられたものの、当日の反応をみてみると、思っていた以上に話を聞いていない生徒が多く、ショックだった。幸いなことにそれほど大きな問題は起きなかったものの、危険なことには変わりないので、来年からはもっと話を聞いてもらえるような内容、話し方を身に付けたいと思った。(山田沙佳)

高校生全員が生物に興味があるわけではないので、少しでも興味を持って聞いてもらえるような工夫が必要だと考え、説明の準備を行った。系統分類という高校生にとってはなじみのない分野の説明だったので、身近な生き物を例に挙げて説明を行った。また、この説明でこの後に行うクイズでも活かせるような知識を得ることができるように工夫した。臨海実習で見られる生き物を、一番わかりやすく分類できる「動物門」での分類を中心に説明を行った。(秋元優希)

©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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