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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 薬師中学校 事前指導2022
実 施 者: 津田啓佑、鈴木宏和
実施場所: 薬師中学校 特別支援級 ききょう組生徒 21名
実 施 日: 2022年 6月 14日
対  象: 薬師中学校

<概要/目的>
薬師中学校 ききょう組の東京都立大学水生飼育棟実習に先立ち、系統分類学の基礎知識、東京都立大学水生飼育棟で見られる生物に関する事前指導を行った。水生飼育棟での実習の目的は、水生生物を観察し、主に動物界における構成の理解を深める事である。従って、事前授業では実習における注意点の説明、生物の系統についての講義、臨海実習で見られる生物の紹介クイズなどを行った。これにより、事前に学んだ知識を生かして、実習当日に自ら実習の意義等を考えながら水生生物飼育棟で生物に触れる事が期待できる。一方企画者は、生徒の海の生き物への興味を高めるため、事前に海の生き物クイズや、系統学的な知識がない生徒への指導をおこなう経験を通して、指導力や企画力の向上を目指す。また、事前指導での生徒の反応や様子を反映することで、当日での実習に活かすことを目的とした。

<方法/企画としての特徴>
事前指導は、パワーポイントによるスライドを用いて、薬師中学校の多目的ホールで行った。生徒に興味を持ってもらうため、生徒参加型の講義を意識し、講義中に全体に向けて質問などを行い、スライドは実物の写真を多く取り入れて作成した。実習時に知っておいてほしい知識は穴埋めにし、配ったテキストに書き込んでもらう形式をとった。また、より興味を持ってもらうために、生物はクイズ形式で紹介した。クイズもただ座りながら解くのではなく、答えだと思うところに行くといった体を動かしながら解答を行う択一形式にした。さらにクイズの中で、特に重要な内容は、カラー印刷のしおりを用意する事で、より一層内容を強調した。

<活動内容/具体的成果>
21人の生徒に対して、企画者1名と企画協力者1名でプレゼンテーションを行った(60分の授業)。内容は以下の通りである。

1:生物の系統分類
系統分類学とはどういう学問かについて、分類を行うことにより、生物種をより理解しやすくなることや、進化の課程の推測につながる事などを中学生に分かるようにかみ砕いて説明した。生徒参加型の講義を意識し、写真や図を多用したスライドや、特に重要な部分をしおりに載せるなど、わかりやすさ、理解しやすさを重視した。

2:実習に関するクイズ
本実習で見られる生物の写真を用い、門ごとに生物の分類や特徴を、クイズ形式で紹介した。クイズはすべて選択問題にした。解答は生徒が正解だと思う先生の近くに行き、別途用意した解答用紙シールを貼ってもらう形式をとった。体を動かしながら、生徒参加型のレクリエーションを行い、飽きさせず印象に残るよう努めた。最後に正答数に応じてランク付けし、生徒の興味を引き付ける工夫をした。


<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>

生徒全員が生物に興味があるわけではないので、少しでも興味を持って聞いてもらえるような工夫が必要だと考え、説明の準備を行った。系統分類という生徒にとってはなじみのない分野の説明だったので、身近な生き物を例に挙げて説明を行った。生徒に講義内で身近な動物をあげてもらうコーナーを設けたが、私たちが予想していないようなコアな種がたくさんあがり、驚いた。クイズでは、生徒参加型を意識し、所々に他の人に言いたくなるような生物の豆知識などをいれることで、生徒を飽きさせないようにしました。実際、多くの生徒が主体的に参加して、好評にみえた。(津田)

中学生に授業をする、という経験したことがなく、始める前まで上手くいくか不安だった。しかし、始まると生徒は私たちの話を真面目に聞いてくれ、質問した時も元気に答えてくれた。とてもいい雰囲気の中で実習は行えたと思う。しかし、クイズの時間では少し賑やかになりすぎてしまい、周りの先生に助けを求めしまう場面があった。そこは自身の反省点である。指導力・統率力、これからリーダーシップが必要となる場面は多くある。今回の経験を活かしていきたいと思う。(鈴木)



薬師中学校にて事前指導の講義の様子


薬師中学校にてクイズの様子


東京都立大学大学にて水生生物実習の様子(別日)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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