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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: オープンラボ -ニワトリ胚の展示-
実 施 者: 塩入直也、岡山唯、染谷春香、豊田千春、栗下大三、鈴木由季(発生プログラム研究室)
実施場所: 8号館専門実習室(247)
実 施 日: 2012年 7月 16日
対  象: 首都大学東京説明会に参加する高校生

<協力者>
志村智、山本謙太郎(発生プログラム研究室)

<概要/目的>
 オープンキャンパスの開催に合わせ、本研究室で研究材料としているニワトリ胚の展示を行った。この企画を通して来場者に、発生生物学への興味、関心を持ってもらうことや、普段は知ることの難しい大学の研究室の様子等を伝えることを目的とした。また企画者においても、自らの研究について高校生に分かりやすく説明することで、説明能力や情報発信能力の向上を図ることも目的とした。

<方法/企画としての特徴>
 本企画ではニワトリの1日胚、2日胚、3日胚、6日胚の生きたままのサンプル、また9日胚、11日胚の軟骨組織を染色した骨染色サンプルを、実体顕微鏡で観察できるように展示した。各展示の近くに企画者・企画協力者が立ち、必要に応じて展示の説明を行った。またニワトリ胚の発生を記したポスターも展示し、発生過程を説明した。
 普段の生活の中でニワトリの発生を直接見る機会はほとんどない。食べ物として私たちの身近にある鶏卵と、その発生を結びつける本企画は、来場者に生物学や発生への興味を持ってもらうために有益であると考えられる。

<活動内容/具体的成果>
7/9 展示で使用する有精卵を購入した。
7/10〜15 企画実施日に合わせ、有精卵を孵卵器へいれた。
7/14 使用する試薬の準備、器具・配布資料の確認をした。
7/16 企画の準備、実施、片付け。

 来場者の中には、ニワトリの発生を初めて見る人が多く大変興味をもってくれた。生物学を学んでいない高校生に対する説明は難しく感じた。しかし本研究室の研究内容に興味を示してくれた高校生もいて、自分たちの研究について人に分かりやすく伝えるための訓練にもなった。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
 普段私たちが日常的に食べている卵であっても、その発生を見たことがある高校生は少ない。身近な素材を使って動物の発生について知ることができる、研究材料になりうるということを来場者へ伝える工夫をした。来場者の中には高校生だけでなく、その保護者も同伴していて、高校生と保護者で質問させる内容も様々だったために、その受け答えの過程を経て、自身の説明能力やコミュニケーション能力を鍛えることができた。(塩入直也)

 例年はガイダンスが終わった後に大人数が一気に押し寄せるなど、時間によって人の数に差があり、説明する人数や時間を工夫しなければならなかった。しかし今年は入口で人数を各研究室に振り分けて貰えたので、通路が詰まることはなく、比較的詳しく説明することができたと思う。来場者のほとんどは高校生とその家族で、生物系に進路を決めている人もいれば、色々な学科を見て回っている人もいた。そういった人たちの興味を引くような展示と説明が出来たと思う。今後もこういう機会を通じて、高校生の進路決定の手助けになるような企画を行っていきたい。(豊田千春)

 来場した高校生に学年を聞き、教科書の理解度を知ったうえで、説明の仕方を変える工夫が見られた。とても有効なアイディアだと思い、私もそれを真似することにした。保護者と一緒に来た高校生も多く、大学生活や研究室の選び方、卒業後の進路について大きな関心を寄せていた。大学進学後の具体的なイメージを持つことが、入試や高校での学習に対する意欲につながれば良いと思った。(染谷春香)

 学校で生物を選択している高校生に限らず多くの保護者の方が来場された。生物学のバックグラウンドがほとんどない方にも興味を持って頂く為には、聞き手が興味を持ってくれそうな身近な話題を織り交ぜて話す必要があった。その為にも、聞き手となりうる人の話題にもこちらから興味を持つ必要があるのだと痛感した。保護者のかたの興味としては主に、学部卒業後の大学院進学理由や就職活動経験など、学部よりも長期的なキャリアについての質問が多かった。(栗下大三)

 高校生だけでなく、保護者の方ですごく興味を持ってくださった方がいた。話を聞くと、普段何気なく食卓に並んでいる卵がどのようにしてニワトリへと発生していくのかを知る機会はないので新鮮だ、と言っていた。確かに、教科書などの紙面やテレビの画面上で見ることはあっても実際に胚を観察する機会はあまりない。よって、今回の展示は身近な生物を見つめ直す良いチャンスとなったのではないかと思った。また、進路に関する悩みも多く聞こえ、相談にのっているうちに自分自身の今後についても改めて前向きに考えさせられた。(鈴木由季)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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