<企画者> 森田千裕、大沼耕平、末吉美佐、露木翔太、関上由佳、中澤啓一(発生プログラム研究室)
<協力者> 中村瞳
<概要/目的> 大学説明会は、その大学でどのようなことが学べるのかを高校生に知ってもらうために行われる。高校生にとっても、実際に話を聞くことは、より多くの情報を得られる良い機会である。特に、研究室紹介は、具体的にどのような研究をしているのかを知ることができる。そのため、高校生が受験校を決定する際に役立つ。そして、高校生が今まで教科書でしか見ることがなかったものを身近に感じることができ、興味を持つ機会にもなる。 本企画は、我々の研究室で行われている研究概要を高校生に知ってもらうことで、発生生物学の面白さを伝えることを目的とする。
<方法/企画としての特徴> @) ホヤの展示。カタユウレイボヤの各発生段階の固定胚及びマボヤの成体を実際に展示する。 A)発生中のカタユウレイボヤの展示。発生中の胚を実際に観察してもらう。
B)WISH(Whole mount in situ hybridization)胚の展示。WISH処理により遺伝子発現を可視化したサンプルの観察し、遺伝子発現を可視化する技術を知ってもらう。
C)ポスター展示。ポスターを見ながら、説明を聞いてもらうことで、当研究室の研究内容・成果について大まかに理解してもらう。 大学院生、または卒研生が、来場した受験生に@〜Cの展示を見てもらいながら、各展示の説明をする。
多くの来場者に興味を持って頂くことができた。 特に、大学受験を控えた高校生は生物学に興味を持っている場合が多く、わかりやすい説明を心がけることで、さまざまな質問をしてもらうことができたと感じている。
<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)> 今回のオープンラボでは、比較的来場者の数が少なく、一人ひとりに時間をかけて説明できた。さらに、発生過程の固定胚やWISH胚を見てもらって、遺伝子が発現することによって組織や器官が形成されるということについてイメージしてもらえたのではないかと感じている。大学祭のオープンラボでは今回よりも幅広い年代の方が来場すると思うので、説明方法を工夫することも必要だと考えている。(森田千裕)
今回は、前回のオープンラボに比べると来場者が多くないように思われた。そのため、混雑することもなく、来場者一人ひとりに発生過程の展示をじっくり見てもらい、私たちも時間をかけて説明することができた。私が対応した来場者の多くは、生物を学習していない、または生物を学習し始めた高校生だったので、なるべく生物用語は使わずに、具体的にイメージしやすい言葉に言い換えて説明するように心掛けた。(関上由佳)
ホヤの発生を通して、生物の形態形成は複雑で、様々な遺伝子が関わり合っていることを来場者に伝えることができたと手応えを感じている。ここ最近は来場者の数が比較的少なく、一人の来場者に対して丁寧に説明をすることが出来ている。しかし、より多くの来場者に足を運んで頂くという目的は達成することができなかったように思う。今後は来場者が少ないときの対応についても考えていきたい。(露木翔太)
夏期オープンキャンパスは高校生の来場者が主であるため、雑談を交えて習熟度を把握しながらそれに応じた説明を心がけた。結果として、展示内容に興味を持ってもらえた人数は例年に比べて多かったと感じている。また、今回はツアー形式で一気に来場する来場者を運営側があらかじめ複数のラボに割り振ったため、毎年悩まされていた混雑が抑えられた。結果として、じっくりと対話形式で説明することができたと感じている。(末吉美佐)
今回とくに心がけたのは、高校生やその保護者の方に対してただ漠然と研究のことを説明するのではなく、院生である自分が面白いと考えている現象や、実際に自分が研究している内容を分かりやすく話すことであった。また、ホヤの発生過程はやや複雑なので、少しでもイメージしてもらえるように発生中の生きたホヤを展示物に加えるなど工夫した。結果として、何人かの来場者の方から直接良い感想をいただくなどでき、目的は達成できたと感じている。ただ、院生間での情報共有が不十分だったために、準備段階で不備が生じる場面があった。このようなことがないよう、今後は事前によく話し合って準備するよう気をつけたい。 (中澤啓一)
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