報告書 <概要/目的> 本企画は発生プログラム研究室の福田公子准教授が東京都立両国高等学校で行なうSPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)をサポートするための特別授業に合わせて実施するものである。前回の企画に引き続き、今回の企画ではより実践的な研究方法のひとつであるWhole-mount in situ hybridization(WISH)を教えた。 成体だけでなく発生中も、様々な遺伝子が定められた位置に局所的に発現している。高校では遺伝子について転写、翻訳の過程などを学ぶが、実際に遺伝子の発現が場所、時期にいたるまで厳密に定められていることを理解できている学生は少ない。そこで、WISHの原理を教え最後の染色を学生に行ってもらうことで、mRNAが決まった場所にだけ発現するようにプログラムされているということを目で見て理解してもらうことを目的とした。その後、この実験方法を用いることでどのような研究が可能となるのかをディスカッションし、今後の実験計画を考えてもらった。 現在までに学生自身が考え、行ってきた研究内容と今後の計画をプレゼンテーションで発表してもらい、それについて議論しあった。計画が滞りなく進むようにアドバイスを行った。 この企画を通じて学生には、プレゼンテーションを行い、さらに質問をするということの大切さ、難しさを学んでもらうことを目指した。
<活動内容/具体的成果/課題> WISHを行うことで、実際に遺伝子が局所的に、また時期特異的に発現するという具体的なイメージを持ってもらうことができた。また、プレゼンテーションではTAや先生からの質問を受け、答えるというだけでなく、そこからどのような質問をすればよいのかを参考にして質問をできるようになっていった。しかし、まだ質問ができるのは一部の学生という印象なので、もっと全体的に盛り上げていく必要があると感じた。
<感想> プレゼンテーションは、自らの研究を他人に分かりやすく説明するという難しさだけでなく、質問に答えるためにもいかに自分の中に必要な知識を集めておけるかという難しさもある。まだ、学生はどちらも難しいと感じているようだったが、今後、見本となれるようなTAの発表などを組み込んでプレゼンテーションについて学んでもらえるような企画を考えたい。(岡山 唯)
中・高校生がそれぞれプレゼンテーションをするのを見て興味深かったのは、どの班も学年や知識背景を考慮した発表ができていて聞き手目線であるということ。発表者として聞いてもらう為の技術を身につけていたのが印象的だった。しかし、質問が全体的に少なく感じられた。今後は多くの発表を聴くことで質問できるようになると良いと思う。(栗下大三)
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