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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: タンパク質品質管理機構の解明
実 施 者: 新井涼太、及川沙南、小野歩美、加藤夏子、古賀啓太、松村玲奈
実施場所: 8号館2階エレベーターホール
実 施 日: 2022年 9月 18日
対  象: 来場した高校生、保護者(当日来場者103名)

<概要/目的>
オープンラボに際するポスター掲示及び細胞観察体験
生命科学の分野に興味を持っている高校生に対して、大学での学びについて、研究とは何か、研究の面白さを伝えることを対象者に対しての目的として行った。簡単にどのような研究や実験手法があるのかを知り、興味を持ってもらうことで、入学後を想像することができ、大学受験のモチベーションに繋がると考えたからである。企画者としての目的は、バックグラウンドのない高校生や保護者に対して、研究内容や、生化学とはどのような学問なのかをわかりやすく伝える能力を身に付けることを目的に行った。

<方法/企画としての特徴>
@ポスター掲示
 大学、研究室、研究などについて知ってもらう。
A3つの細胞種の顕微鏡で観察できる体験
 細胞の中でも形や使用目的に違いがあることを知ってもらう。

<活動内容/具体的成果>
(事前準備)
・新井/研究室での1年のスケジュールが分かるポスターの作成、及川/研究内容の紹介ポスターの作成、小野/研究室での1日の生活が分かるポスターの作成、加藤/実験器具や研究手法についてのポスターの作成、古賀/大学院の概要ポスターの作成、松村/研究室の雰囲気が分かるポスターの作成
・観察に使う細胞の準備

(当日)
午前午後交代で会場に立ち、来場者に対して、ポスターを見ていただくよう促したり、細胞を見てもらって説明したり、質問に答えたりした。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
【新井】高校生に向けて大学院での生活や我々の研究内容を理解してもらうことを目的に、ポスターの作成、生細胞の観察を企画した。企画中は、来場者によって生物への関心度がまばらであったため、個々人の興味に合わせた説明を心がけた。約100人と多くの人に足を運んでいただき大学院のイメージを掴んでもらうことができたのではないかと思う。課題を挙げるとすれば以下の2点。1点目は来場者のニーズの把握。大学(学部)での生活や勉強、大学受験などが多く質問に挙がったためそちらのニーズも考慮に入れ企画するべきだった。2点目は少しこちら側から説明をしすぎた印象がある。説明をすることは手段であって目的ではないため、来場者の様子やペースを注視し適切なタイミングで適度な説明をするべきだったと反省している。総じて来場者にとって有意義かつ満足してもらえるような企画だったと感じている。【及川】今回のオープンラボは、来場者に大学院への進学についてのイメージを明確にしてもらい、興味を持ってもらうこと、外部の人との交流により、研究室について、研究内容についての客観的な視点を学ぶことを目的に行った。高校2年生が多かったため、大学選びや大学生活についての質問が多かった。そのため、大学院への進学のイメージをつかんでもらうというよりは大学への進学についてのイメージの明確化を手助けすることができたのではないかと考える。また、研究内容のポスターや細胞の観察について、これは何のためになる研究なのかやこの細胞はどこから取ってくるのかなど、こちらから先に説明するべきであるような大前提の質問を多くいただいた。研究室内では当たり前となっているようなことでも、研究室外では違うことがわかり、客観的な視点が欠けていたことが課題だと考える。今回の反省や見つかった課題を次の機会に生かしていきたい。【小野】高校生とその保護者に向けて、ポスター展示と細胞観察の体験を行った。企画では背景のない人に研究内容を説明することに重きを置いていたが、実際に質問が多かったのは大学生の生活や高校での勉強についてで研究内容を聞かれることは少なかった。来訪者が求めているものと自分達の意識のズレを痛感し今回の課題とした。わかりやすく伝えることに関しては、細胞観察体験でその能力の向上を図ることができたと考えている。しかし、資料を見せるタイミングなどもっと改善できる点があったため今後に活かしたい。全体を通して、研究室の同期内での協力や話し合いを以前よりも活発に行えた。課題は見つかったが、来訪者に満足してもらえた良い企画になったと考えている。【加藤】今回のオープンラボでは、対象が高校生とその保護者の方ということもあり、研究内容よりも、生化学で実際に行っている実験や大学院生の雰囲気を伝えるというのが主であった。高校とは異なる、大学生・大学院生の生活のイメージを掴んでもらえたり、実際に使っている器具や手法について簡単に説明することができたと思う。また、ポスター展示以外に行った細胞の観察では、自分自身が扱ってないものもあったため、知識不足であった箇所も散見したように思う。事前に調べて学習すべきであった。ただ、全体的には研究室で扱う細胞に興味を持ってもらい、楽しんでもらえたと感じている。【古賀】今回の企画で目標としていた「参加者に対して簡潔な説明をする」や、「質問の糸を理解して適切に答える」という点において、当日の対応を通して、相手の興味に対する説明を上手く出来なかったように感じた。この理由として、参加者は学年によって進路や受験勉強、研究内容などについての興味や、生物学に関する知識レベルが異なっていたことを感じた。このため、相手の学年や進路の希望などのバックグラウンドをまず聞くことで、それぞれの参加者の希望に応じた説明をより行うことが出来たのではないかと思った。また、事前に作成したポスターはグラフなどを取り入れることで、進路についての説明などをグラフを見せながら説明することなどができ、少し文字の大きさが会場の大きさに対して小さかったかもしれないが、ある程度の可視性や可読性を持つものを作れたのではないかと思う。【松村】来場者は想定通りバックグラウンドのない方たちだったので、どのような研究をしているかということより、どのように研究をしているかが気になる人が多い印象だった。そのため、目的としてあげていた“研究を説明する能力”の向上より、“生化学や研究の面白さについて知ってもらうこと”の方が達成できたのではないかと感じる。来場者が細胞の観察した際に、細胞ごとに異なる見た目であることに対して純粋に面白さを感じてくれていた印象があったので非常に良かったのではないかと思った。もう少し説明の手順や内容を当日までにシミュレーションしておくべきだった。
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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