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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 神経生物学研究室 オープンラボ
実 施 者: 津田啓佑、鈴木宏和
実施場所: 8号館 イニシアティブスペース
実 施 日: 2022年 11月 3日
対  象: オープンラボ来場者

<概要/目的>

オープンラボの見学者を対象としてアウトリーチ活動を行う。見学者は子供から大人まで幅広い世代を想定している。見学者に興味を持っていただけるように、実際に研究室で行っている内容を体験していただきたいと考える。特に、高校生に対してはオープンラボを通じて学校では教わることがない大学並びに大学院の雰囲気を身に染みて感じてもらい、大学進学への参考にしてもらいたい。一般の人向けの説明をするオープンラボは研究者に向けて発表する学会とは大きく異なる環境のもと実施するため、より噛み砕いたわかりやすい説明が求められる。相手にわかりやすく伝えるためには、自身が完全に理解しなければならない。こういったアウトリーチ活動は、自身の研究を今一度見直し、再考するための非常に有意義な機会である。また限られた時間・人数の状況でより良いオープンラボの実地を目指すことにより、企画運営力の向上も目指す。

<方法/企画としての特徴>

ポスターを用いた研究室紹介/動画を用いた動物実験の紹介/実験器具の展示マウス脳切片標本の観察/パソコンを用いたトラッキング,アナライズなどの研究
合計4つのブースを通して、神経性物学研究室では何を目的しておこない、どのように社会に成果を還元していくのかを知ってもらう。


<活動内容/具体的成果>

来場者約40名に対して、神経性物学研究室の紹介をおこなった。各ブースでの紹介内容は以下の通り。

・ポスターを用いた研究室紹介
脳と行動をテーマとして研究していることの紹介。各ブースで何をしているのかの紹介をおこなった。
・実験器具/動画を用いた動物実験の紹介
実際に使用している実験器具を用いて、研究説明をおこなった。説明の際、ネズミの模型を使用することでより研究内容が鮮明になるよう工夫した。動画を用いて、学習実験の中でどのように変わっていくのかを伝えた。どういった主旨でこうした実験行っているのか来場者に考えてもらうことで、興味を持っていただけるように工夫を凝らした。
・マウス脳切片標本の観察
THで染めたマウスの脳切片標本の観察をおこなった。このコーナーでは、抗体染色と脳の核と神経末端について理解を深めてもらった。

・パソコンを用いた行動実験の解析
実験で使用したトラッキング後のデータを用いて、実際の解析はどのように行っているのか、来場者に体験していただいた。簡単な操作方法を伝えた後、来場者とお話する中で、どのような目的でどのようにエリアを設定するのか(例:ネズミがフィールドでどこにいることが多いか調べるために、実験器具の中心と縁にいる割合を測定するなど)など実際の研究に近い形で進めていった。来場者が主体となり、解析をおこない、それをうまく導けるよう努力した。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>

【津田】
今回のオープンラボでは、イニシアティブスペースを使用して、3研究室合同でオープンラボを開催する運びとなった。外部機関に所属している学生からのオープンラボ参加もあり、開催研究室間で連絡をとる必要性を感じ、イニシアティブスペースの配置や備品の取り纏めを行った。イニシアティブスペースでの各研究室の展示内容から電源の位置関係やコロナ対策を考慮した配置、ポスターパネルの確保を行った。机の移動といった事前準備及び撤退作業の指揮をとることで当日はスムーズにオープンラボを進めることができたと考える。効率よく時間を使うことで、各研究室がオープンラボの催しに集中して取り組むことができた。
オープンラボ来場者には、中学生から大人、さらに様々な職種の方とお話しする機会があった。教育心理学に携わっている方との行動と心理学のお話や、神経学に携わっている方との展示に関するお話など、今後の研究やアウトリーチ活動の参考になる意見をいただくことができた。
最後に、自身が最も注力注いだ行動実験の解析のブースを体験した中高生から、「学校できなくて面白い。」、「興味のある分野で体験できてよかった。」といった声をいただき、研究へのモチベーションにつながった。今後もこうした活動があれば、率先して参加したい。

【鈴木】
今回のオープンラボは、高校生だけではなくお年寄りから子供まで幅広い年齢層の来場者だった。多くの方は生命科学に対する知識を持っていなかったので、身近なものに例えるような導入を意識した。実験の紹介では短い動画を用意し、文章だけではなく視覚的にも理解できるよう努めた。また実験に対する質問をいくつか頂いたが、中には自身が考えていなかった発想を描いている方もいて自身の視野が広がった。さらに異なる学部の大学院生も来てくださり、お互いの実験や研究の意見交換から、知識の再確認や違うアプローチの考え方を学べた。企画運営に関しては、先日行われたオープンラボの反省から、実験器具の配置や来場者の一連の流れを意識して配置した。中には思った流れではない来場者もいらしたが、臨機対応に顕微鏡の観察や実験器具の紹介を行うことができた。近年の新柄コロナウイルス拡大の影響で、多くのイベントが先着順であることから、大学のことについて知る機会が減ったため、今回のような研究内容や雰囲気を知ることができ嬉しい、このような声を耳にした。このような情勢だからこそ、今回のオープンラボのようなイベントは企画者側、来場者側の両方にとって貴重な時間だと改めて実感した。

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