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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 分子遺伝学研究室オープンラボ(企画経営演習)
実 施 者: 有馬樹、石森咲野、粕谷麻衣、小島光咲
実施場所: イニシアティブスペース
実 施 日: 2022年 11月 3日
対  象: 学祭への来場者(高校生、地域の方など)

<オープンラボタイトル>
キミもいっしょにWE LOVE CYANOBACTERIA

<概要/目的>
在校生及び高校生や子供、その保護者等、学祭に来場した方を対象に研究の面白さを知ってもらう。来場者は本イベントで高校生物よりも専門的な知識を得られるほか、大学で行っている活動も知ることができる。来場者の理解度を考慮しながら研究内容を説明するため、学会のような研究発表の場で今回の経験を生かすことが出来ると考えられる。

<方法/企画としての特徴>
@研究で使用しているシアノバクテリアの概略を説明する。
Aシアノバクテリアを顕微鏡で観察してもらい、各株の違いを知ってもらう。
B身近で見られるシアノバクテリアを紹介することで普段生活している中でもシアノバクテリアが関わっていることを知ってもらう。道端で見られるイシクラゲ、環境問題とされるアオコ、シアノバクテリアを利用した商品について紹介する。
C本イベントで紹介した中で特に印象に残ったシアノバクテリアはどれか、来場者にアンケートを実施する。方法としては、専用のボードにシールを貼っていただく形をとる。

<活動内容/具体的成果>
研究で使用しているシアノバクテリアの概略をオープンラボに来る方にわかるようにパネルにまとめる。(オープンラボ前日11月2日まで)
【有馬】@単細胞性のシアノバクテリアであるSynechococcus elongatus PCC 7942の観察物作製と概略を載せたパネルの作成。A会場への案内と会場設営準備、企画の統括担当。
【石森】@シダ植物のアカウキクサ属(Azolla)と共生するシアノバクテリアNostoc azollae及びシアノバクテリア全般の概略を載せたパネルの作成。Aパネルや観察物の設置および来場者への説明。
【粕谷】@アキネートと呼ばれる胞子様の細胞に分化することで知られるAnabaena variabilisの観察物作製と概略を載せたパネルの作成。Aアンケートの作製及び関連備品の準備。B研究を紹介するポスターの設置および来場者への説明。
【小島】@南大沢キャンパス内でイシクラゲの採集及び観察物の作成。身近に生息するシアノバクテリアの概略や、シアノバクテリアが利用される商品の紹介を載せたパネルの作成。A採集した観察物の設置および来場者への説明。

<アンケート結果>
来場者のうち43名からアンケートの回答を得た。




<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
【有馬】今回はオープンラボに来場された人の多くが大学で生物学を学んでいない人で占めていた。その為、専門用語を使わずに説明を行ったり、日々の生活に話を繋げたりして直感的に理解してもらうといった来場者に対する工夫を行った。来場者が印象に残ったトピックについてアンケートを実施して調べた。すると身近に存在するシアノバクテリアであるイシクラゲのトピックが印象に残っている割合が高く、直感的に理解してもらうことの評価が出来、非常に良い経験となった。
【石森】前回のオープンラボでは参加者のほとんどがオープンキャンパスに来た高校生とその保護者であったが、今回は小学生から都立大の卒業生までさまざまな人が参加していた。前回の経験を活かし、同じ種類のシアノバクテリアの話をするときでも説明する相手に合わせてトピックを変えながら説明することができた。今回はアンケートを取っていたため、それぞれのシアノバクテリアを満遍なく説明することを心がけたが、パネルを作らずに展示のみをしていた種類については説明内容が薄くなってしまった。これはアンケート結果にも現れており、説明する種についてはパネルを作って特徴を説明したほうが良いと思った。また、アンケートをとるときにシアノバクテリアの種類ではなく、トピックに投票したいと思っている人が多い印象があったため、種類ではなくトピックでアンケートをとるのも良いのではないかと思った。
【粕谷】学祭と同日開催であることもあり、今までに企画したものよりも様々な年代や立場の人に参加していただけた。参加者の方々は必ずしも生物学に対して特別な興味があるというわけではなかったが、その点を想定し共同企画者と共に生物に馴染みが無い人に向けたパネルを作製することで生物学に対するとっつきづらさを取り払うことができたと思う。また、前回までの反省を活かし企画者同士で情報共有を行うことで幅広い質問に対応することができた。前回行った内容に加えて、アンケートを実施することでシアノバクテリアの魅力を知ってもらおうとするモチベーションに繋がった。反省点としては、アンケート用紙にパネルの題名ではなく学名を記載してしまったので、『これは何?』というような質問が多く出てしまったことだ。パネルの内容と直感的に結びつく内容でアンケートは作成するべきだったと思う。
【小島】学祭の中でのイベントだったため、高校生だけでなく様々な年代の方に来ていただいた印象がある。多くの方と交流できて嬉しかった半面、大学生活に関する情報を伝える機会が少なかったのは残念である。来場者は生物について詳しくない方と、私達以上に詳しい方に二極化していたように感じる。来場者がどちらに当てはまるのかを判断したうえで、その方に合った説明をする力が求められた。そういった作業の中で、自身の研究についても客観視することができたと思う。アンケートからは、イシクラゲや細胞分化をテーマにしたAnabaenaなど視覚的な特徴のあるものが来場者の印象に残る傾向にあることが分かった。この結果は、今後こういった一般の方向けのイベントを企画する上で役立つ。例えば来場者が面白いと感じる話題を更に掘り下げて、より詳細な情報を展示に盛り込むことができる。今後オープンラボを実施するであろう後輩には、このアンケート結果を参考に、より良いイベントを企画してほしい。
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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