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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: ニワトリ胚観察実験 -埼玉県立熊谷西高等学校アウトリーチ-
実 施 者: 岡山唯、栗下大三、塩入直也、志村智、山崎卓哉
実施場所: 埼玉県立熊谷西高等学校
実 施 日: 2013年 6月 8日
対  象: 熊谷西高等学校の生徒16人

<概要>
 埼玉県立熊谷西高等学校で、在校生1・2年生の希望者を対象にニワトリ胚の観察実験を行った。
 今回は熊谷西高校で行われているSSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール) 事業の一環として、発生プログラム研究室の福田公子准教授が特別授業を行っており、それに合わせてこの企画を実施した。
<目的>
 今回の受講生は今後SSHの中で、自分たちで研究を考え、実験を行う。そこで、学生自身で研究を行っていく上で必要な実験技術・試薬調整の仕方や考え方を身につけてもらい、今後の研究の参考にしてもらう事を目的として企画を行った。また、実験の補助等を通じて、企画者自身の説明・情報発信能力を向上させることも本企画のねらいの一つである。
<活動内容/具体的成果/課題>
・試薬調整
・1日胚、2日胚の観察実験
・New培養法の習得
・「これらの実験手法・ニワトリ胚を用いて、どのような研究が可能か?」班ごとにディスカッション後、発表してもらった
今回は上記の実験等について、補助や指導を行った。




<感想>
今回の企画では、学生達に教えるだけでなく、その知識を用いた研究を考えてもらう事が重要でした。その為、学生達に考えることを促す助言をどのようにすればいいのか非常に悩みました。ディスカッションでは「心臓の形成を物理的に阻害する」等といった私が思いつかない様な実験を学生が考えていて、非常に面白いと思いました。また、私もそういった発想が出来るようになりたいと感じました。(山崎卓哉)

高校生に研究というものの考え方を伝えるというアウトリーチは何度も経験させていただいていますが、その度に高校生に新しい考え方、着眼点のようなものをこちらが教えてもらっています。今後も科学に興味をもってくれる学生が少しでも増えるような活動をしていきたいと思います。(岡山唯)

高校の理科の実験とは違い、試薬の調製に必要な器具やその使い方については、今回は自分たちで考えさせました。マニュアル通りに作業をすることはできても、試薬の調製のために何が必要でどんな準備をすべきかということは普段あまり実践できていないということが感じられました。これは試薬の調製に限らず、他の実験や観察全般について同じことがいえると思います。今回の企画を通して、生徒の「自ら考える力」を育む指導の重要性を実感しました。(塩入直也)

講義の中で先生も言っていたことだが、高校の授業で行われる実験は先生によってあらゆる準備が行われているため、結果もある程度分かっている。しかしこのような企画では自分たちであらゆる準備をするため、結果を予想しながら実験を行うことが必要である。普通の高校生ではこのような経験をすることはないので、彼らの将来を考えると非常に良い経験になったのではないかと思う。こちらとしても彼らの発想は我々にはないようなことも多く、斬新な視点を感じるいい機会となった。(志村智)

通常の高校の実験では、先生が実験を計画し、試薬調節や材料の数等も必要数準備して行う。このアウトリーチでは、生徒がニワトリ胚を観察する事で生まれる疑問について研究を計画する為、通常の理科教育では学ばない現象を説明するプロセスを学ぶ事ができる。試薬の調整や研究に必要な材料等もすべて自分たちで考える必要があり、自由度が高い分挑戦的である。この機会を存分に生かし、研究のおもしろさや、動物を扱う事の難しさ等を感じ、生命科学の分野に興味を持ってもらえる生徒が少しでも増えればうれしい。(栗下大三)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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