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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 植物系統分類学研究室オープンラボ 「植物の多様性と進化」
実 施 者: 下川悟史、戸野晶喬、川又由仁、堀清鷹、明石澪、松本めぐみ、森絵里菜
実施場所: 牧野標本館
実 施 日: 2013年 7月 14日
対  象: オープンラボ来場者

<企画協力者>
中路真嘉、山田香奈子、谷島麻美、大門夢果、新田竜斗(植物系統分類学研究室)

<概要/目的>
オープンキャンパスに来場した高校生に向け、「植物の多様性と進化」というテーマの下で、当研究室が行っている研究の展示を企画した。この企画に参加した高校生に、高校では学ぶことのできない、より詳しい植物の進化の変遷、および、その進化によって生じた、多様性に富んだ植物の世界について理解を深めてもらうことを目的とした。また、生物学の持つ無限の面白さや、植物だけでなく、当研究室に興味を持ってもらえれば、と考えた。

<方法/企画としての特徴>
当研究室で行われている研究テーマを4つに分類し、以下のような@〜Cのポスターを作成した。
@「小笠原関連」
小笠原は海洋島ということで、海洋島特有の進化により生じた“種分化”を中心とした説明を行った。
A「花」
送粉者である昆虫も植物とは密接なかかわりがある為、植物だけでなく昆虫についての理解も深めてもらえるように心がけた。昆虫を呼び込む為のシグナルとなる、花の色や香りについての説明や、多様化が見られる花の形態や性について主に説明を行った。
B「系統地理」
系統関係や、分布による種分化、分布の変遷により植物がどのように進化してゆくか等を説明を行った。
C「シダ植物」
シダ植物の分類、渓流沿いに生えているゼンマイにおける形態の多様性、シダ植物の繁殖様式やその生態について説明を行った。
ポスター以外にも、当研究室が牧野標本館であるということで、実際に標本などの物品を見てもらい、実感してもらいたいと考えている。また、標本館の名前にある通り、日本での植物分類の第一人者である“牧野富太郎”についても標本や、採集に用いた道具等の物品や説明を通して、理解を深めてもらう。
企画の特徴として、学校での授業のうな紙の上で行う勉強だけでなく、実際に見て触れられるようなものを展示したり、当研究室は標本館でもあるので、実物も見ることができ、奥深い“植物の世界”に触れてもらうことが可能であるように心がけた。

<活動内容/具体的成果>
ポスターの前に立ち、来場された方々に説明を行った。高校生を対象に作ったポスターであったが、小学生から保護者の方まで幅広い方に興味を持ってもらうことができ、説明の際に「分かりやすく」を心がけ説明を行った。来場者1グループにつき1人で対応することが多かったため、気軽に質疑応答ができ、ポスターの内容だけではなく、より理解を深めて頂ける発表ができたと考えている。また、多くの方から標本館を見たいという要望を受け、1時間に何度も標本館の説明を行った。標本館では、特に実物に触れたくさんの標本が見せることが出来たため、来場者の「植物の世界」が広がったのではないかと感じた。


<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
森 絵里菜
今回のオープンラボを通して、大きく分けて「企画力」と「人に伝える力」の2つを取得できたと実感した。オープンラボを開催するにあたり、何を目的とし、目的を果たす為の適当な方法を深く考えさせられ、企画力を培うことができた。今回の対象者は高校生ということもあり、分かりやすく伝えるかが重要であり、出来る限り易しい言葉を用いて説明したりと、プレゼン力の向上にもつながったと思う。普段ではあまり触れあう機会が少ない高校生とコミュニケーションを図れ、大変貴重な経験となった。

松本めぐみ
多くの方が来場して下さり、それに伴い、多くの方が植物に興味を持っていることを実感した。高校生に向けて企画をしたが、実際は高校生ではない方々の方が多く、補足の説明などを入れ、臨機応変に対応することができたと考えている。今回のオープンキラボを通して、人に分かりやすく伝える方法や見せ方、また企画段階でも、現場を細かく想定した準備を行う大切さを学んだ。今後研究を発表する際や、これから社会に出ても、この経験を生かしていいたいと思う。


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