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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: オープンクラス2013
実 施 者: 漆原智己、金子秀一郎、高橋美由紀、古澤孝太郎
実施場所: 9号館 神経分子機能研究室内
実 施 日: 2013年 8月 9日
対  象: 高校生 2名

<概要/目的>
私たちが研究対象としているタンパク質や神経細胞に実験を通して触れてもらうことで、生命科学のおもしろさを感じてもらうこと、また研究室の様子を実際に見て感じてもらい、将来の研究生活のイメージをつかんでもらう事を目的とする。

<方法/企画としての特徴>
当研究室で使用しているSDS−PAGEを利用して、身近な食品含有タンパク質の検出を行うことで、実験が意外に身近であることを感じてもらう。また、実際の細胞内でのタンパク質の状態を、自分の手で染色して観察してもらうことで、生命科学にさらなる興味を持ってもらう。
1.SDS-PAGEおよびCBB染色による含有タンパク質の検出
2.神経細胞の蛍光染色

<活動内容/具体的成果>
1.SDS-PAGEおよびCBB染色による含有タンパク質の検出
  こちらで予め用意したゲルに種々の清涼飲料水、食品、細胞抽出液のサンプルをアプライした。泳動後にCBB染色をしてもらい、サンプルの含有タンパク質を検出した。

2.神経細胞の蛍光染色
  こちらで予めGFP発現を行った神経細胞のアクチンをファロイジンで染色し、共焦点レーザー顕微鏡にて観察した。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
身近な食品を使用したタンパク質の検出は、実験というものが身近に存在することの理解に繋がったと感じた。また、神経細胞を実際に使用したこと、自分の手で染色して細胞内には骨格タンパク質がびっしりと張り巡らされていることを観察できたことは、非常に興味深かったように思われた。これらの実験を通して、一段と生命科学に興味をもってもらえたのではないかと思った。

SDS-PAGEや蛍光染色は待ち時間が多く必要とされるため、実験の意義や手法についての説明を後回しにせざるを得なかったことが残念である。また、限られた時間の中で少しでも理解してもらいたいために、色々な情報を詰め込みすぎたようにも思われた。
来年以降の改善へと繋げていきたいと思う。(高橋美由紀)

高校生には、実験としてSDS-PAGEによるタンパク質の検出と、神経細胞の蛍光染色を行ってもらった。これらの実験から、タンパク質の多様性を知ることや、教科書に載っているいるような神経細胞の形態を実際に見ることで、生命科学の楽しさを感じてもらうことができたと思う。しかし、今回の内容では、両者の実験の関連性がうまく伝わらなかったと感じた。そのため、神経細胞に発現しているある1つのタンパク質に焦点を絞り、SDS-PAGEによる検出と、蛍光染色による観察を行うなど、内容を少し変更することで、実験のイメージがさらに伝わるようになると思う。(古澤孝太郎)

神経分子機能研究室で普段から行っている2つの実験を紹介することができたので、タンパク質を扱う実験や研究室の雰囲気がどのようなものかは分かってもらえたと思う。また、現在自分が進めている研究を予備知識がない高校生に説明するために、自分の研究内容を簡潔に伝えられるよう考える機会ができた。ただ、2つの異なる実験やTA4人分の研究内容についてと、色々な説明を実験の待ち時間に凝縮して行ったので、全てを把握しきれていないように感じた。来年以降の課題として、時間配分を考え、説明の内容をさらに簡潔にする必要があると思った。(漆原智己)

我々大学院生にとって普段から行っている実験を高校生2人に行ってもらった。実験材料として身近なものを使用したので、導入部分としては背景知識の少ない高校生でもイメージしやすかったのではないかと思われる。
しかし、我々がイメージしていた通りに実習が進まないことが多々あり、予習や予備実験、予備実習が足りなかったと感じた。来年以降の課題としては、机上での時間配分と実際手を動かしての時間とのギャップを考慮し、実習を組み立てる必要があると思う。(金子秀一郎)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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