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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: ニワトリ胚観察実験 -長野県立伊那北高等学校アウトリーチ-
実 施 者: 栗下大三、志村智
実施場所: 首都大学東京8号館、専門実習室
実 施 日: 2013年 8月 9日
対  象: 長野県立伊那北高校生徒19名

<概要/目的>
 本企画の目的は、高校生が自ら研究計画をたてることにより論理的な考え方と生物学の楽しみを知るきっかけを提供する事である。主に発生学をテーマに研究課題を見つける。今回は本研究室で使用されており卵外培養の技術が容易で観察しやすいニワトリ胚を用いる。2日胚の観察とスケッチを行い、その後福田公子准教授による講義が行われる。これらのプログラムを通して対象者が抱いた疑問や研究したい内容をディスカッションし、今後行われる研究の土台となる考えを構築する。また、当企画は本学の生命科学実験室で行われる為、プログラムの最後に発生プログラム研究室、細胞遺伝学研究室のラボ見学を盛り込み、研究生活に興味を持ってもらえる事を期待する。

<方法/企画としての特徴>
 ニワトリ胚のnew培養を行い、スケッチを行う。2日胚はシート状で観察が容易であり、透明なシャーレを使用する事で背腹の両方から観る事ができる。単純に見えたものを書き込むのではなく、大まかな構造を頭で考えながら観察する事で重なりあう複雑な構造を理解した上でスケッチをする。講義では2日胚までに起きる発生のイベントを説明する。また、今までの研究により明らかにされてきた内容を伝える事で、具体的なテーマに興味を持てるよう導く。

<活動内容/具体的成果>
 上記の通り観察、スケッチ、講義、ディスカッションを行った。これを通し、今後対象者が研究材料とするニワトリ胚のイメージを具体化できたと考える。


↑new培養の方法を教えている様子


↑観察結果などに関して議論している様子


<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
 ニワトリ胚特有の実験手法や発生学の考え方等を伝える事ができ、本企画の目標はおおむね達成できたと考える。ただ、生徒の疑問や考えなどをあまり引き出す事ができなかった。これに対し、企画者は疑問をどのように引き出すか、生徒がより発言するようにする工夫等をする必要があると感じた。(栗下大三)

 実験手法はしっかりと教えることができたと思うが、その後の観察やディスカッションが少し乏しくなってしまったのが残念だった。実験手法を覚え結果を見るだけでは普段の高校の授業とそれほど変わらないので、その後の実践的な議論を通じて今後大学に進んでも活かせるような力を鍛えて欲しかった。生徒たちの考えを引き出すような議論を誘導できなかったのは今回の大きな反省点だと思う。今後は、どのようにすれば生徒に興味を持ってもらえて、活発な発言を引き出せるかということに関してもっと考え、指導を行うことが課題であると感じた。(志村智)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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