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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 相談指導教室「大地」理科実習〜イネを用いた観察実習:お米ってすごい!〜
実 施 者: 明石澪(植物系統分類学研究室)、大西由之佑(植物ホルモン機構研究室)
実施場所: 相談指導教室「大地」教室内
実 施 日: 2013年 10月 8日
対  象: 中学生・職員6名

<概要/目的>
相談指導教室「大地」に通う中学生を対象に、理科の授業の一環としてイネを材料に用いた理科実習を行い、理科に対して興味を持ってもらうことを主たる目的とした。


<方法/企画としての特徴>
本企画は、理科に馴染みのない中学生に理科に対する興味を持ってもらうために、普段口にするお米を題材に、イネの観察・解剖実習を中学生と一緒に行った。また本企画の特徴は、大学という教育・研究機関だから揃えられる様々なステージのイネの植物体を同時に観察できることで、イネのつくりと成り立ちを時系列に沿って理解できることである。
さらに、本企画は理科の授業の一環としているため、学習指導案を作成しそれに基づき実習を行った。


<活動内容/具体的成果>
導入として、スライドを用い材料であるイネについて概要を説明した。次に、観察実習として、イネの種子、幼植物体、花の全ステージについて中学生に自由に解剖・観察をしてもらった。適宜質問に答えたり、解剖のポイントやヒントを与えて観察して欲しい箇所を促すように心がけた。
(観察実習内容)
・イネの全ステージ(種・発芽後の幼植物体)を目視・顕微鏡で観察した。
 どれくらいの日数でどこまで成長するのか、どのように成長するのか、分かったことを
記録。
・イネの花や、種のできる様子を観察した。
 開花前・開花中・開花後のイネの花を観察し、胚乳の肥大化を確認する。また、一般的な花(ユリ)との構造の比較。



<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
指導計画では50分の実習を想定していたが、解剖・観察に大変興味を持ってくれ、可能な時間目いっぱいを実習に充てることができたため、「理科に対する興味を持ってもらう」という目的は果たせたと感じた。今年度から、企画内容を1日だけの理科実習というスケジュールに変更したが、参加した生徒から面白かったと言ってもらえたので、今後も引き続き行えればと思った。(明石澪)

以前実施されていた野外での生物実習とは異なり、生物一個体の構造に焦点を当てた実習内容の作成・準備・実施に携わった。「イネの全ライフサイクル」を用意できる当研究室の強みを生かし、普段身近なお米のでき方を、イネ植物体の顕微鏡観察によって実際に体感してもらい、お米とは何か、植物とは何か、生き物とは何かを体系的に生徒が感じとれるよう実習を展開した。イネ花から観察を始め、種子形成、種子発芽、幼植物体、植物体と実際のステージに沿った観察を行ってもらうことにより、生徒の、植物・その成長への理解は十分に得られたと考えている。しかし反省点として、生徒には興味があれば一つのステージをずっと観察し続けて良いと伝えていたが、実際には次から次へとステージを紹介していってしまったが故、一つ一つのステージ観察が疎かになってしまった点が挙げられる。教育者の立場で、実習に携わり生徒へ生物の面白さを教えることは私としても貴重な経験であり、非常に楽しいものとなった。企画立案者であり共同実施者の明石さんにも感謝したい。(大西由之佑)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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