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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: ニワトリ胚観察実験 -埼玉県立熊谷西高等学校アウトリーチ-
実 施 者: 志村智、山崎卓哉、木越あゆみ
実施場所: 埼玉県立熊谷西高等学校
実 施 日: 2014年 5月 31日
対  象: 熊谷西高校の生徒 約20人

<概要/目的>
 埼玉県立熊谷西高等学校で、主に高校一年生を対象にニワトリ胚の観察実験を行った。
 今回は熊谷西高校で行われているSSH(スーパーサイエンスハイスクール)事業の一環として、発生プログラム研究室の福田公子准教授が特別講座を行っており、その講座の一環として本企画を実施した。

<方法/企画としての特徴>
 この講座の目標として、自らで実験を組み立て、研究を行うことが挙げられる。そのため本企画においては生徒たちが自分自身で研究テーマを考えることが必要になる。またそのための実験を組み立てることや、実験準備を行い試薬を調整することなども生徒が行う。
 企画者は生徒たちが円滑に実験準備や議論を行えるよう補助することで生徒の自主性の元、本企画を運営した。

<活動内容/具体的成果>
・試薬調整
・1日胚、(2日胚)の観察
・New培養法の習得
・「上記の実験手法・ニワトリ胚を用いて、どのような研究が可能か。」について班ごとに議論し、発表した。

<感想>
 本企画ではいいサポートが出来たと思う。特に実験後の議論においては生徒から非常に良いアイデアが出ていたので、それを活かしながら内容の深い議論に発展させることが出来たのは良かった。また生徒側から出たアイデアの中には、学部生でも考えるのが難しいようなことも挙げられていたり、具体的な実験案も提示されていて、それが高校では実施できないような少し高度な内容だったのが勿体なく感じるほどでもあった。本企画の目的がしっかりと実行されていた形となっていて、いい企画にすることが出来た。しかしながら、生徒の班によっても姿勢の善し悪しがあり、全ての生徒に有意義な議論をしてもらうという目的は達成できていないと感じたことは反省点でもある。いかにして多くの生徒から良いアイデアを引き出して議論を盛り上げていくかが課題であると感じた。(志村)

 あまり積極的に発言しない生徒がおり、その対応が今後の課題であると考えている。積極的でない生徒も話をよく聞いてみると、考えはしっかりとあるのにそれを発言できないようであった。次からは、このような生徒の「発言」をサポートするように心がけてみたい。
 実際に胚を観察することも重要だが、しなくても発生について考えることは十分に可能であると思った。今回は卵の暖めが十分ではなく、1日胚の観察しかできなかった。その為、2日胚の写真の観察後にこれから行う研究のディスカッションを生徒たちにしてもらった。発生が進んだ胚を実際に見ていない中で、発生について考えることは、難しいと考えていた。しかし、多くの生徒が発生を意識した考えを発表していた。このことから、実際に観察しなくても発生について考えることはできると思った。
(山崎)

 実験に対し真摯な態度の生徒もいれば一方で消極的な生徒もおり、柔軟な対応を求められた。消極的な生徒に対しては無理に発言させるのではなく、逆にその生徒が話したくなるような状況・環境を作れるように心がけたいと思う。
また、高校生ながらこちらが驚くような発想や疑問点が多く出て、こちらもいい刺激を受けた。いいアイディアを持つ生徒にはそのアイディア、発想を生かせるような考え方を、消極的な生徒には発言を促すような雰囲気作りを、と生徒一人ひとりの接し方について深く考えることが出来たと感じる。
(木越)




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