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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 植物系統分類学研究室オープンラボ「植物の多様性と進化」
実 施 者: 明石澪、松本めぐみ、森絵里菜、飯塚佳凛、辻村美鶴、星野佑介、吉村彩
実施場所: 牧野標本館
実 施 日: 2014年 7月 20日
対  象: オープンラボ来場者

<概要/目的>
現在、地球上で繁栄している多様な植物は長い歴史の中で数々の進化的適応を獲得し、その形質を多様化させてきた。本研究室では野外でのフィールドワークや分子生物学的・細胞生物学的手法を用いた実験を通して、植物の多様性や進化の歴史、種分化過程の解明を目指した研究を行っている。今回のオープンラボで、来場した方々に対し本研究室での研究を紹介することで、植物の多様性や進化、また本研究室での研究について関心を持ってもらうことを目的とした。

<方法/企画としての特徴>
 以下の研究テーマに関してポスターを作成し、説明を行う。
1.        小笠原諸島の植物
小笠原諸島はその誕生以来一度も大陸と接していない海洋島であり、独自の生態系を有する。海洋島特有の進化・種分化について説明する。

2.        被子植物の花形質
被子植物の花は非常に多様化しており、その要因の一つとして考えられているのが花粉を運ぶ送粉昆虫との共進化である。送粉昆虫との相互作用によって生じる花形質の進化について説明する。

3.        シダ植物の進化
 本研究室で行われているシダ植物の隠蔽種についての研究や、渓流沿いに生息するシダ植物の独自の進化について説明する。

4.        植物地理学
 日本の温帯樹林に生育する樹木種について、今から約2万年前の最終氷期以降にどのように分布変遷してきたか、遺伝的手法を用いて明らかにする植物地理学の研究について説明する。


<活動内容/具体的成果>
 当日来場した方々に対し、上記のポスターを用いて本研究室での研究内容について随時質疑応答を交えながら説明した。地域の方々に本研究室での植物の研究について知ってもらい、興味関心を持ってもらう良い機会になったと考えている。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>

・研究内容の説明をする際は、来場した方々が植物に関して一般的にどのような興味を持っているかということを意識しながら理解しやすい説明に努めることが大切だと感じた。楽しんでもらいながら且つ自分の考える研究の価値や独自性を伝えることは難しかった。(M1 星野)
・研究内容のポスターを新しく作成したが、よりわかりやすく、来場者の興味を惹けるように改善する必要があると感じた。またポスター発表を主に行ったが、他にも来場者が楽しめて、研究室がどんなところなのかもっとわかる催しを行ってもよいと思った。また、自分の研究内容以外のテーマだとまだまだ知識が不足していると感じたので、今後さらに勉強していきたい。
(M1 飯塚)
・知識量の少ない高校生に、優しい言葉を多く用い、少しでも理解してもらえるような説明を行うように心掛けた。ただ理解してもらうだけではなく、植物学の面白さを伝えられるような説明を行う事の難しさも同時に感じられた。専門分野外の人に説明する際に、どのような事を意識すれば良いか等、改めて深く考えさせられる機会となった。
(M2 森)
・現在行っている研究を紹介するポスターを作成し展示したが、学生からの質問等は少なかった。学生に、もっと植物に興味を持ってもらえるような企画をする必要があると感じた。今回標本庫案内は行わなかったが要望が多かったので、簡単にでも標本館のことを伝えられるようにしたい。
(M1 吉村)
・来場する方々の興味や知識の幅は様々なので、ポスターでは皆に分かりやすく、そして口頭の説明ではより来場者の知りたいことを伝えられるように心がけることが大切だと感じた。私たちが日々研究していて感じる面白さを、上手く表現する方法について考えるいい機会にもなった。
(M2 明石)
・来場して下さった方々が、何を聞きたいか、どのようなところまで話すと分かりやすいかということを意識して説明を行った。自分が研究している植物を実際に見て触ってもらったところ、とても興味を示して下さった。そのため、ポスターだけでなく、実際に見て触って植物の多様性と進化を感じられるような展示も今後行っていきたいと思った。
(M2 松本)
・自分の専門とする小笠原のポスターを担当した。植物の説明をする際に、専門用語を噛み砕いて説明するのに苦労した。一般向けに分かりやすい言葉に事前に変換して用意しておくべきだったと反省している。来場者は植物だけでなく小笠原全般に興味を持つ方が多かった。より植物へも関心を持っていただけるよう、大学祭では興味の引く展示を心がけたい。
(M1 辻村)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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