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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: サマー・サイエンスキャンプ2014「理研の最新研究成果を体験しよう」
実 施 者: 三輪 拓也
実施場所: 理化学研究所 伊藤ナノ医工学研究室等
実 施 日: 2014年 7月 30日
対  象: 高校1〜3年生、4人

<概要/目的>
 理化学研究所は、科学技術や研究活動に親しんで頂くことを目的に、様々なイベントを開催している。月に1回の「和光地区見学ツアー」をはじめ、研究者と直接話しができるイベント「理研DAY:研究者と話そう」、学生の長期休暇時期に開催される各種セミナーやツアーなど、特に近年力を入れている。対外者向け行事の一つに「サイエンスキャンプ」がある。「サイエンスキャンプ」とは、文部科学省管轄独立行政法人である科学技術振興機構主催の、次世代を担う子供に科学技術を広めることを目的とした活動である。長期休暇時期に、中高生を最先端の研究をする様々な大学や公的機関へ派遣し、本格的な研究環境で科学技術に触れる機会を設けている。
 そこで本研究室では、「サマー・サイエンスキャンプ2014」の一環として高校生4人を受け入れる事とした。書類選考を通過した高校1〜3年生の4人に「DNAを増やして蛍光タンパク質を作ろう」というテーマを設定し、基礎的な遺伝子工学・生物工学実験を体験してもらった。この体験を通して遺伝子工学の基礎的内容の習得、またライフサイエンスへの興味関心の喚起する事を目的とした。また、普段会う機会のない多くの科学者と触れ合うことで、今後のキャリアプランの参考となることを期待した。


<方法/企画としての特徴>
 3日間を通して「DNAを増やして蛍光タンパク質を作ろう」というテーマで講義・実習を行った。初日に高校生物で学習する遺伝子工学についての内容を復習し、実験を行うにあたり必要な知識の確認を行った。2日目以降は実験を中心に実習を行った。2日目の夜は研究者との親睦会を行った。また3日目には、3日間のまとめとして15分程度のプレゼンテーションを行った。具体的な3日間の日程は以下の通りであった。

1日目
・オリエンテーション
・遺伝子工学・生物工学の基礎講義
・実験(PCR)

2日目
・実験(アガロースゲルの作製、電気泳動、無細胞タンパク質合成系を用いた転写翻訳)
・研究者との親睦会

3日目
・実験(蛍光タンパク質の観察)
・研究発表会(他の実習コースと合同)
・研究施設見学



<活動内容/具体的成果>
 3日間の研究実習を通して、ライフサイエンスへの興味関心が深まったと考えられた。最終日のプレゼンテーションにおいては、他コースの実習者や指導者からの質疑に対し的確に応答できていた。このことから、興味関心に留まらず基礎的な遺伝子工学についての理解や実験原理等が十分に習熟できたと考えられた。
 また、実験以外にも研究者との懇親会でノーベル賞受賞者でもある理事長野依先生とお話する機会や他の最先端研究設備の見学等もあった。これらは彼らにとって貴重な体験となったと確信する。


<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
 書類審査を通過した実習生という事もあり、基本的な意欲関心が十分にあった。しかし、高校1年生から3年生までと、生物学の習熟度にかなりの差があり説明に悩ませる場面も多かった。また、初対面の学生が協力して実験に取り組むと言う事もあり、初日はかなり緊張した様子だった。そこで研究室で一番年齢が近い私は、なるべく気さくに触れ合えるよう心がけた。教職課程で学んだコミュニケーション技術や説明経験も活かす事ができ、最終的には良い環境づくりに寄与できたのではないかと考えられる。改善点としては、3日間を通して過密なスケジュールであったため、実習者にとっては余裕がなかった可能性が挙げられる。今後同様の機会があれば、実習者からのフィードバックの機会を設けるなどして、より適切な指導が出来れば良いと考えた。





©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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