<概要/目的> 生物学系の学部への進学を目指している高校生を研究室に招き、大学院生が日頃行っているタンパク質の解析実験や、神経細胞の観察を実際に取り組んでもらった。実際に手を動かしてもらうこと、そして実験の目的や原理の説明を通して、参加者に生命科学分野の研究に興味をもってもらうことを目的とした。
<方法/企画としての特徴> 1.分子量の大小でタンパク質を分別 SDS-PAGEを用い、市販の飲料水に含まれるタンパク質を分子量の大小で分別し、その後CBB染色でタンパク質を検出した。 2.神経細胞におけるタンパク質の観察 蛍光免疫染色を用い、細胞内における特定のタンパク質の局在を観察した。
<活動内容/具体的成果> 1.分子量の大小でタンパク質を分別 用意した市販の飲料水(牛乳、野菜ジュース、お茶など)を事前にサンプル化しておき、参加者にはそれらのアプライと泳動をお願いした。泳動後にCBB染色を行い、各飲料水の含有タンパク質を検出した。 2.神経細胞におけるタンパク質の観察 事前に固定した神経細胞を用い、参加者には抗体反応ならびに共焦点レーザー顕微鏡による観察をしてもらった。今回、細胞骨格のアクチンと核(核は観察しやすいため)を染色した。
<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)> 今回の企画のように、身近にある飲料水に含まれるタンパク質を、実際に実験で検出する機会はないと思うので、参加した高校生にとっては大学の実験をより身近に感じてもらえたと思う。また神経細胞の観察では、高校の教科書で見かけたことがあるような細胞を実際に見てもらうことができたので、細胞の形態についても理解を深めてもらえたと感じている。反省点として、予定した実験の時間配分を超えてしまい、神経細胞の観察に十分な時間を割けなかった。プレ実験を入念にすべきだったと感じている。(池田識人)
時間的制約のある中で、分子生物学の分野で基本的に行われている手法を、身近にあるものを試料として体験して頂いた。高校生には大学における実験というものをあまり難しく感じることなく楽しめていただけたと思う。プレ実験をしてはいたが、時間制限を考えていなかったため、当日は最後駆け足になってしまい、細胞観察に十分な時間が取れなかったことは反省すべき点であると思う。 (高田 峻輔)
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