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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: オープンラボ・発生プログラム研究室ホヤチーム「たったひとつの卵から」
実 施 者: 中澤啓一、関上由佳
実施場所: 8号館247
実 施 日: 2014年 7月 20日
対  象: オープンラボ来場者

<企画者>
中澤啓一、関上由佳

<企画協力者>
大沼耕平(特任研究員)、名取由加(卒研生)

<概要/目的>
大学説明会に合わせて、研究室でおこなっている研究を紹介するオープンラボを企画した。この企画を通して、来場者に、研究に用いている動物(ホヤ)や、発生生物学の分野について興味や関心を持ってもらうことが目的であった。また、企画者にとっては、発生を習っていない高校生にも分かりやすく説明する力や、展示内容を企画する立案力を身につけることが目的であった。

<方法/企画としての特徴>
学習指導要領の改訂に伴い、発生を習っていない高校生が多く来場することが予想された。また、これまでの企画では、企画者の人員に対して展示物が多すぎて、準備の負担が大きい、大勢の来場者に対応出来ない、という問題があった。
そこで、共同企画者、企画協力者とともに、展示内容についてゼロから議論し、来場者が発生を全く勉強したことがなくても理解でき、且つ企画者側に無理がない展示を考えた。

●実験動物であるホヤの紹介と、ホヤを研究に用いる理由の説明
ポスターの展示に加え、マボヤとカタユウレイボヤの生きた成体を展示した。

●受精卵から成体に至るホヤの発生過程の観察
カタユウレイボヤの発生過程を示したポスターを展示した。また、ホヤの発生に重要な形の変化を理解してもらうために、以下の発生現象をピックアップして、固定胚、生体と説明プリントを展示した。

原腸形成:卵割によって細胞数が増えたあと、細胞の移動がおこって「へこみ」が出来ること、それが動物の発生に重要であることを理解してもらうために、原腸形成前〜原腸形成後の3つの胚を展示した。

尾部の形成:尾が伸びる過程を理解してもらうために、初期尾芽胚と中期尾芽胚を展示した。

変態:ホヤが発生の過程で積極的に動く時期があること、そこから大きく形を変えることを実感してもらうために、生きた幼生と、変態後の若い成体(幼若体)を展示した。幼生の構造や、変態過程を示した説明プリントも展示した。


<活動内容/具体的成果>
来場した方々と共に、上記の展示を順番に回って説明した。
展示数を絞ったため、来場者が大勢来たときでも混乱なく対応でき、またシンプルで分かりやすい展示になったと考えている。
多くの高校生やその親御さんに興味をもってもらうことができ、大学ではどんな研究が行われているのか、進路を考えるための情報を提供することが出来た。
企画者にとっては、話す相手に応じて、自らの知識や考えを整理して説明する能力を高める良い機会になった。


<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
例年の展示内容を大幅に削減したことで、説明する人員(4人)にたいして適切な展示数になったと考えている。ただし、同じ部屋でオープンラボを実施していたニワトリの展示と、ホヤの展示物とのあいだが隣接しすぎていたため、来場者が詰まってしまう事態が発生した。急遽、ホヤの展示の配置を変えることで解消したが、次回以降はニワトリの企画者とも事前に十分な打ち合わせをしておく必要性を感じた。また、実施中、高校生から進路相談を受けることがあった。他研究室のオープンラボのように「進路相談コーナー」を設けるなどして、こちらが一方的に研究の紹介をするだけでなく、高校生からの相談にも応えられる場を提供することも必要なのではないかと感じた。(中澤啓一)

 今回考慮した点は、一度に多くの来場者が訪れた時に混雑が起こらないようにすること、特に注目してもらいたい部分に絞って展示を行うこと、そして、スタッフの人数が少なくても、来場者に対応できるような展示にすることであった。
 前回までは、入り口付近に設置した一枚のポスターで、ホヤを使って研究する理由・利点、ホヤの発生段階を説明していたため、来場者の流れが入り口付近で詰まってしまうという問題があった。今回は、説明する内容を2つのポスターに分けて別々の場所で説明を行った。この工夫によって、来場者が入り口付近で詰まってしまうという問題が少し改善された。
 展示については、前回までは発生段階を網羅するように顕微鏡での展示を行っていたが、今回は発生段階の中で特に注目してもらいたい部分の説明を行い、顕微鏡の展示はその部分の発生段階に限定した。説明をした後すぐに、展示を見てもらったので、展示物のどこに着目すると面白いかを来場者に理解してもらいやすくなった。
 スタッフの配置については、展示を大きく4つの部分に分け、スタッフを配置した。これにより来場者の流れ・人数を確認しながら、説明をすることができた。しかし、展示部分ごとにスタッフを配置するという方法では、一度に多くの来場者が来た時に対応ができなくなってしまった。そこで急遽、何組かの来場者に一人のスタッフを付けて、説明をしながら一緒に移動することにした。前が詰まっていても、スタッフと来場者が話し続けられるので、来場者が飽きることなく、前が空くのを待ってもらうことができたと思う。
 今回の展示方法の工夫によって、混雑により来場者が途中で帰ってしまうという問題がほとんどなくなった。今後は、ポスターと展示横の説明プリントの内容をさらに充実させ、来場者により興味を持ってもらえる内容に改善していきたい。(関上由佳)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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