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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 細胞遺伝学研究室オープンラボ 〜ショウジョウバエは世界を救う2014〜
実 施 者: 大橋ひろ乃、岡島美怜、相澤研介、嶋田直人、渡辺一輝、金美松、佐藤帆浪、松村茉梨子
実施場所: 11号館202号室
実 施 日: 2014年 11月 3日
対  象: オープンラボ来場者

<概要/目的>
ショウジョウバエは遺伝学のツールとして広く利用されている。しかし一般の人々にとってショウジョウバエは台所に発生する小バエという負のイメージが強く、「なぜショウジョウバエで研究を行うのか」という意義を理解している人は少ない。
そこで本企画ではまず突然変異体の観察やショウジョウバエ競争を通して、ショウジョウバエに親しみを持ってもらう。そしてポスターでショウジョウバエを使った研究について解説することで、「なぜショウジョウバエを使うのか」その意義を伝え、研究に対する理解を得ることを目的とする。

<方法/企画としての特徴>
今回のオープンラボでは主に以下の3つの企画を行った。
@「突然変異体を探せ」
本企画では野生型の中に隠れた突然変異体系統を探してもらい、見つけた突然変異体の形態の異常がどのような遺伝子の変化によって引き起こされたかをクイズで答えてもらった。これによって遺伝子とは何か、そして遺伝子の突然変異から何が分かるのかを解説した。
A「ショウジョウバエ競争」
ショウジョウバエの負の走地性を利用した競争を行った。自分のお気に入りのショウジョウバエを選んでもらい、それを実際に吸虫管でコースまで運び、参加者同士で競争させた。学術的な側面よりも実際にショウジョウバエを扱うことで普段敬遠しがちなショウジョウバエに親しみを持ってもらう狙いがあった。
B「ポスター展示」
細胞遺伝学研究室で行われている研究を学生がポスターを用いて説明した。目的でも述べたように、ショウジョウバエをモデル生物として利用するメリットが伝わるように発表した。

<活動内容/具体的成果>
今年はレースのとき実際にショウジョウバエを吸虫管で扱ってもらったり、各変異体にキャラクター設定を設けたりと親しみやすさを意識した。すぐに研究の話に入るのではなく、ショウジョウバエに対する負のイメージをやわらげてから研究の話をしたことで、来場者も研究に対して興味を持ってくれたように感じた。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
ショウジョウバエに親しんでもらうという目的は達成できたと思う。しかし今こんな面白い研究をしているという魅力を十分に伝えることはできなかった。もう少し実際行っている研究内容に関係した展示(行動の動画や脳標本、ツールの紹介など)を加えると良かったかもしれない。(M2 嶋田)

ハエレースはとてもよかった。生き物を使ったレースのアツさと、初めてショウジョウバエを口で吸う感覚、かわいいキャラクターによるハエの個性づけ等、子供から大人までエキサイトでき且つハエに触れてもらえる良い企画であった。
しかし、来場者に対するブースの少なさやその他の企画の工夫の無さにより来場者を退屈させてしまう一面もあった。根本的に運営方法や出し物そのものを変えるべきである。(M2 渡邊)

今回進化と同じ会場で複数コーナーを設けて紹介した。@1つのブースごとに多くの時間がかかってしまうことA1つのブースでさばける人数が数人であること,この2点から,来場者の循環がうまくできなかった。スタンプラリーを会場内で行っていたが,スタンプラリーに関係ないポスターはあまり人が来なかった。ポスターは具体的な研究内容,遺伝技術が書かれているので,ショウジョウバエの魅力を伝えるには欠かせないものである。次回ではポスターに人が来てもらえるよう工夫したい。
(D1 大橋)

私たちが普段研究で使用しているショウジョウバエがどういったものであるかを知り、なおかつそれらがどのように研究で用いられているかを様々な年代の方に理解していただくことができた。しかし、来場者が多く待たせてしまう場面が多々見られてたため、1ブースにかける時間や内容を見直す必要があるかもしれない。
(M1 松村)

それぞれの企画ごとにショウジョウバエを観察してもらったり関連した説明を行ったりしたため、来場者の方にとっては貴重な体験をしてもらえたのではないか。
企画ごとに意義のある内容であったため、企画間での関連性を提示し説明するような形にできればよりアウトリーチに適した、伝わりやすいオープンラボになったと考える。
(M2相澤)

来場者数が多かったことから、広報がうまくいったようで喜ばしいことではある。しかしながら、企画に参加できなかった来場者を退屈させてしまうことなどが問題点として挙げられた。当研究室は行動、記憶、細胞の活動制御の仕組み、疾患メカニズムの解明など、多様な研究テーマをショウジョウバエで行っているという特色がある。以下の問題1. 待機来場者の解消と2. 最先端研究の現状説明と手法のリンクを強化したいのならば、今回のように多くの学生が使う一般的な実験手法を研究内容のの説明と分けて来場者に示すのもいいが、現在進行している個々の研究テーマとその実験独特の手法とのつながりを各々の学生が数分で説明できるブースを用意すれば、上記の2つの問題点は解決できると考える。また、学生にとっても自身の担当分野でない研究やその手法の説明を無理矢理しなければならないということもなくなる。
(D1 岡島)

今回のオープンラボを通して自分の日本語能力を上げるいい機会でした。また、ショウジョウバエの魅力を高校生たちに伝えることができてうれしかった。実際に研究室で行なっている研究などを紹介しながら来場者が研究に関心を持つように実感できるように努力した。
(M1年 金美松)

ハエレースを通じて、ハエをよく観察することやハエの様々な特徴を理解することができ、ハエに興味を持ってもらうことが出来たと感じた。来場者が多く待ち時間が多くなってしまったことが反省点である。ハエレースのような個別対応が必要なコーナーのほかに大勢の人に少数で対応できるコーナーを作るとより充実したと思う。
(M1 佐藤帆浪)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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