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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 移動動物園 ”君も「いきもの博士」になっちゃおう!”
実 施 者: (M2)西野楓、松本翔一、村上勇樹、(M1)岡宮久規、津吹真、藤本夏鈴、松澤琢、山岸陽子、(B4)井樋千絵、木村ひかり、堀川祐美
実施場所: 長池小学校
実 施 日: 2014年 11月 29日
対  象: 長池小学校在学生(1〜6年生)135名とそのご家族

<企画協力者>
長池小学校文化委員の方々

<概要/目的>
理科離れと言われる昨今で、子ども達に生物に対しての興味を抱かせ、知識を深めてもらうのに最も有効な方法は実物に触れることであると思われる。
そこで本企画では、研究で用いたり独自で飼育している生物や触る機会の少ない標本や剥製を小学校の文化祭という公的な場で展示し、多数の子ども達が自由に触れたり、観察できるようにした。
子ども達が実物の生物に触れ、各担当者のレクチャーを受け、生物に対しての知識意欲を高めてもらうことを目的とした。

<方法/企画としての特徴>
本企画は長池小学校文化祭の一貫であり、長池小学校文化委員の方々のご協力のもと行われた。
導入として参加者全員に向けて生物に関しての○☓ゲームを行い、本企画が楽しいものであると認識させた。
展示は哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・節足動物・植物の各コーナーに分かれて行い、各担当者が独自のテーマで子ども達にレクチャーする。子ども達は班で各ブースをまわり同時にスタンプラリーをさせた。スタンプラリー形式でまわることで子供達を飽きさせないようにし、学年を混ぜた班にすることで子供たちの協調性と班長の統率力の向上を促した。

<活動内容/具体的成果>
企画者は共通の目的のもと、独自のテーマでレクチャーした。
レクチャー内容はカメやイグアナなどの爬虫類の生態、生息環境によるカエルの分類、鳥類の羽の種類や形態、剥製や標本の用途、節足動物の系統分類、ムラサキキャベツの変色実験などがあった。
具体的成果は子ども達に分かり易く教えるためと子供たちの疑問に柔軟に答えるための動植物に関する細かい知識と興味を引き出すような会話力、企画当日に起こりうる様々な疑問や状況を想定する想像力を獲得した。また大きな企画を半年かけて準備したことで団結力が生まれたと思われる。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
本企画は5月にお話を頂いてからM1が中心となって行ってきました。長い準備期間の企画で中だるみしてしまうこともありましたが、度重なる話し合いを行うことで大きな企画を少しずつ形にしていくことが出来ました。それは企画者それぞれのこの企画に対する意欲によるものだと思われます。それでも当日になると確認不足なところも伺えたのが残念です。しかしながら結果としてお話を頂いた長池小文化委員の方々、参加してくれた子供達に楽しかった、もっと学んでみたいなどの言葉を頂けたので目的は果たせたと思っています。(藤本)

前々回は少人数の希望者、前回は団地、そして今回は小学校と、だんだんと舞台も人数もスケールが大きくなっており、自分たちの企画力がフルに試されるやりがいのある企画であった。今回自分は主にサポートとして爬虫類ブースを担当し、解説、誘導等を行った。このような企画は、普段自分たちが学んでいることを地域の方々に還元する数少ない機会である。長池小の保護者会の方々との関係も先輩方から引き継いだものでもあるので、今後も大切にしていきたい。反省点としては、今回は生物を見て触ってもらうことしか十分には行えなかったことだ。よって子供たちの「もっと知りたい」という知識欲を感化するには魅力ある解説が不足していた。少なくとも自分の担当したブースでおこなったことは動物園と大してかわらない。ここにどう独自の工夫を加えていくかが今後の課題点である。(村上)

全体としては参加者に楽しんでもらえたので良かったと思うが、個人としては課題が多く見つかった企画であった。仮剥製など実物に触れてもらえたことは良かった。しかし、標本が多すぎて触るだけになってしまった。なので、「生物に対する知識意欲を高める」という本企画の目的が十分に達成できたとは言い難い、目的を達成するためにも展示する標本を少なくし、標本1つ当たりにかける観察の時間を増やすなど工夫するべきだった。また、全体の運営が藤本さんや長池小文化委員の方々に任せきりになってしまった。自分のことだけでなく、もっと周りを見て動けるようにしていきたい。
最後になりますが、本企画は保護者の方やB4,M2の方々のサポートがなければうまくはいかなかった。このような場所で申し訳ないが、手伝っていただいたこと心から感謝いたします。(松澤)

今回は対象者数が135人と以前よりも遥かに大人数ということで、きちんと催すことができるのか不安はあったが、小学校の文化委員の方々の御協力もありつつがなく進行できたように思う。しかし、少ない時間で10〜20人近くを相手に解説等を行ったため、中々思うようにはいかなかった。あまり解説はできず、ほとんどが子供達から来る質問に答えるだけで終わってしまった。このことは今後要改善である。とはいえ、例えば、アカハライモリの赤いお腹を見せたときの子供達の反応をみるに、生き物への興味関心はより高まったのではないかと思う。また、保護者の方々からも勉強になった、興味深かった、等の声をいくつか頂いたので、本企画の目的は達成できたと思う。本企画を機に、子供のみならず親子で、様々な生き物に興味を持って頂ければ幸いである。(松本)

子供たちに生物や自然への関心を持ってもらううえで、直接生物と触れ合うことのできるイベントは効果は大きく、子供たちにも楽しんでもらえたと思う。一方で大人数かつ年齢層も幅広いイベントになったことで、見世物的要素が強くなったこと、一歩踏み込んだ学術的内容をうまく繰み込めなかったことは残念だった。形態や行動について解説するとき目的論的な表現を用いない等配慮はしたが自己満足の範囲にとどまったと思う。生物や自然に関心を持つ最初のきっかけとしては有意義な企画であったと思うので、また機会があれば学術的内容を含めた、子供たちが考えながら知識を深めていけるような企画に繋げたい。(岡宮)

今回、規模の大きなイベントを依頼されたこともあり、長い準備期間を設けて何度も話し合いを重ねた。そのため企画者それぞれの特性や強みを活かし、尚且つ依頼の趣旨に沿った企画を作り上げることが出来たと感じている。私は爬虫類ブースを担当したが、こどもたちの好奇心や知的探究心を引き出せたことは、生き物を目の前にし、直接触れて“生きている”という感覚を体験した彼らの瞳を見れば明らかであった。こどもたちの純粋に飛び交う質問に答えつつ、その返答のなかで生き物が如何に生きているのかという大きな問いかけを交えることで、生命科学の基盤に触れさせられたのではないかと思う。反省点は、本催しに対するエンターテイメント的な準備の不足である。小学生という対象年齢に対し、導入ともなるエンターテイメント性の不足はその後の学習効果に影響を及ぼすことから重要視される。今後はこの点を考慮していきたい。(津吹)

企画の過程では、考慮すべき事柄が多くある中でも本来の目的を見失わないように進めていくことが重要であると実感した。組織間のやりとりの難しさも学んだ。当日は、準備不足もあり慌ただしい開始となったが、多くの人の協力を得て全体としては成功であったといえるだろう。後日おこなわれたアンケートを見ても、当初の目的はある程度達成できたのではないかと思う。私は、一般的に人気の高い哺乳類や鳥類などに比べると嫌われがちな節足動物のブースを担当した。展示物のサイズも小さく地味になりがちであったが、ひとつひとつについて分類・生態の視点から解説をするよう心がけた。子供たちは興味をもってあれこれ質問をしてくれ、新しい発見をして興味を深めてくれたように思う。この企画が単なる楽しい思い出ではなく、毎日道端でみかける小さな生き物について思いを巡らすきっかけになってくれれば嬉しい。(山岸)

永池小学校の児童は生物への興味関心が強く、私達が用意した生き物を深く観察していた。気になったことをメモしていたり、学生へ質問を投げかけたりと非常に意欲的であった。そのような下地があるからこそ、大きな事故もなく成し得た企画であっただろう。本企画では、幅広い分類群の生物を児童に見せ、時には触ってもらった。このような企画の最もたる効果は、「様々な生き物がいることを知る」というものである。これが当該児童達の知的欲求に応えるものであったかは疑問である。兼ねてより生き物への関心が強い児童に対してどのような学習効果を期待するのか、といった企画の趣旨が揺らいでいるように思えた。永池小学校や保護者の方々の協力は惜しみなく、ありがたいものであった。一方で、各々の要求を汲む企画準備にM1は苦労していた。今後児童を対象とした活動を行う際には、児童の学習や成長が重要であり、企画の骨子そのものであるという姿勢で臨んでほしい。(西野)

©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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